麻布十番に評判の店があると聞き訪問したのは今年2月。ドアを開けて目に飛び込んできたのが長いカウンターでありました。テーブル席は奥にわずか3卓(8席)と、カウンター席数の方が多い自称「本格的なフランス料理」(HPより)を提供する店であります。
着席してまずはビールとメニューを見て愕然。ベルギーとオランダのビールしかないではありませんか。しかも高い。癖が一番少ないというオランダビール(735円)を飲みましたが美味く感じなかった。
ノンヴィンのシャンパンがグラスで1470円、ムルソー一級畑やボルドー4級がグラスやカラフェ(1680円と4935円)で頼めるのは評価しますが、リストを見る限りワインに拘っている店とは思えません。
料理もこの手の店(若いカップルや女性一人客に人気)のお約束、コースが5000円前後(2種)で設定されております。そしてコースと比したら一見割高に見えるアラカルトも健在。我々は各皿2人前あると言われたアラカルトをオーダーしました。
冬野菜のポトフ(1050円)、味を考えなければ安い。オリーブとトマト水(透明)で煮込んだこのポトフ、赤いスープは赤カブの色だとか。人参、長芋、赤カブにニョッキとカサ多くてちょっと見お得感がありました。
ルッコラサラダ(630円)と牡蠣のリゾット(1260円)は可もなく不可もなし。そしてメインの仔羊腿肉のロースト(3150円)はこれまたポーションありましたがまったく凡庸。
白ワインとタイムで調理と聞いて跳びついた仔牛のメダリオン(3360円)は単にしょっぱいだけでダメ出しです。
価格が安いのが唯一の救いと思っていたのですが、この店には仕掛けがあったのです。バケット(150円)やバター(315円)は別料金。ちょこっと頼んだチーズ(一人2種で少量)も明細を見たら3名で3750円。デザートは945円(前菜と変わらない値付け)にアールグレイが630円と、料理価格を考えると値付けが高過ぎです。
2名はお酒を飲まず4名で4万円弱と結構な支払額になってしまいました。量あるだけでどこに「本格的なフランス料理」があったのかわからないカラペティバトゥバ。女性一人客や若いカップル専門で、本格的なフランス料理やワインに拘る人には向いておりません。