セーター姿の客もいたガラディナー、ひらまつ
by tomosato on 3月.06, 2010, フレンチ
ネット検索で「ひらまつ」のガラディナーの開催を知ったのは2月のはじめ。シャトーマルゴーのワインと旬の黒トリュフ尽くし料理の参加費が破格の7万円。2週間前と開催日が迫っていたのでダメ元で電話してあっさり予約が入ったのには驚きました。1週間前に今年は未だフレッシュ黒トリュフを食べていなと気づき、比較する為に慌てて六本木の「オー・シザーブル」で尽くしコース(2万9000円)を食べて満を持しての突入でした。
ガラディナーということでドレスコードを確認してスーツ&タイの出で立ちで望んだ友里、ホール隅のテーブルにセーター姿のカップルを見つけてズッコケました。コードなんかないではないか。でもこの二人を除いて客層は年配カップルが多く、ひらまつグループのプレステージクラブの会員が主体だと推測します。
ハイテンションな平松社長が音頭をとってクリュッグ(グランキュヴェ)で乾杯。傍に寄り添うシャネルスーツのマダムを見て、私はひらまつグループの好調を確認したのです。こんなことなら2年前にひらまつ株を売らなければ良かった。儲かっているからかクリュッグは何杯もおかわりが出来て私は満足。しかしその後のパヴィヨンブラン、ルージュ(1級格付けのマルゴーではない白と赤)はわずか1杯だけ。目玉の89年と85年の1級マルゴーもかろうじて1回おかわりが出来る程度で酒飲みの私は不完全燃焼に終わったのです。
平松氏やメートルがふんだんに使用と言っていた黒トリュフ料理はどうだったかというとこれも肩透かしでありました。スライスでの「ふんだん」な使用ではなく、ほとんどが千切りでカサを稼いでいるだけ。フォアグラ、オマール、仔羊と食材や調理(塩を強めにしている)は悪くなかったが、肝心の黒トリュフが量少なく素材負け。「オー・シザーブル」の方が黒トリュフを堪能できたのです。
20年以上前のマルゴーは高騰しているので、トータルで考えると7万円は高くはないかもしれませんが、来日したマルゴー醸造責任者の方針なのか提供温度が自分には低く感じ、パニエサービスしなかったので澱が舞ってしまう危険もあった黒トリュフ千切り尽くし料理とシャトー・マルゴーのコラボガラディナー。不満ではなかったけど満足にもほど遠かった豪華な晩餐でありました。
予想通り高いだけの宴会料理、有季銚
by tomosato on 3月.06, 2010, 和食
銀座にあるミシュラン1つ星の和食店。宅配ピザ「ピザーラ」の親会社が経営しているだけに結果は見えていたのですが、そこを我慢して突入するのが友里のスタイル。フライパンをソロバンに持ち替えた金儲け料理人・ロブションと提携しているフォーシーズグループなだけに、ネタだけは提供してくれると接待を兼ねて今年になって訪問しました。
全室個室と料亭形式。2万円、2万4000円、2万8000円の3コースの内容の明確な説明がなかったので、無難にフグなしで真ん中の会席コースを頼みました。天然フグを食べるなら、専門店に行くに限ります。
まずは千枚漬けに巻かれた巻き海老でスタート。この取り合わせに驚き、続いて甘みのない海老芋の煮っ転がしを食して、私は予想を裏切らない店だと確信しました。
鮑粥は可もなく不可もなし、造りの鯛は薄造りみたいに薄く欲求不満。クラッシュアイスに直乗せもベチャベチャになるだけではないか。しかも冷えすぎ。質はそれほどでもなかったが、熟成がまずまずだったので残念でした。やなぎ鰈は味濃く、続く八寸はバチコ、キャビアの飯蒸しがありましたが全体に貧弱。キャビアではなくもっと他に力を入れて欲しかった。
ポン酢でいただく鯛の酒蒸しも凡庸で、スミイカの黄身酢和えも味濃いだけ。そして海老真丈に〆が氷見のマグロの鉄火丼と大阪のカウンター割烹のような料理の連続で締めとなってしまいました。
フグの白子焼きを追加したのが利いたのか、値付けの高い冷酒を頼んだのが利いたのか、支払いは一人4万円を軽く突破。
料亭形式とはいえ地下の店ではCP悪すぎです。
個室に拘るなど贅沢な店内なのに、2つあるレストルームは男女の区別がありません。経費族のオヤジがターゲットなのでしょうが、女将(雇われ?)の対応が悪くなかっただけに残念です。
しかし今回の接待相手、高額店の経験が不足しているとはいえ、ミシュラン1つ星と事前に教え、個室対応と女将の接客を受けた後でも「一人1万円台ですか」と弊社社員に聞いてきたことを知り、私は言葉を失いました。費用対効果がこれほどなかった店も珍しい。今回は自腹ではなく経費でありましたが、それでもこの食後感。自腹どころか経費や他腹でも友里の再訪はないでしょう。
寿司屋とは思わない方が無難、河庄
友里征耶の「銀座“裏”ガイド」というコラムを連載している「月刊めしとも」編集者の話では、「寿司特集」をするとダントツに実売数が伸びるとのこと。「洋食」や「焼肉」も人気だそうですが、「寿司」は別格だそうです。困った時は寿司頼み、他の月刊誌も頻繁に寿司特集を企画していますので食雑誌にとって救世主と言えるでしょう。
この不景気だというのに独立で増殖を繰り返す客単価1万円台後半の高額寿司屋。客激減で泣いている銀座でありますが、寿司屋だけは増えているのではないか。世にも寿司屋は不思議な商売だと思っていたのですが、銀座顔負けの請求額を誇る高額寿司屋が地方にいくつも存在していると聞いて私は驚きました。今年のテーマに地方の高額寿司屋訪問を掲げ、本日はその第一弾です。博多の「寿司割烹 河庄」は老舗で江戸前仕事をしない高額寿司屋とのネット情報から訪問を決めました。
カウンターは12席とキャパは普通ですが、店内は広い。普通寿司屋のカウンター内は「つけ場」と称して水回りとタネの保管とまな板くらいしかない狭いものなのですが、この店は厨房設備がつけ場にあるのです。やけにだだっ広く違和感がありました。
お任せでツマミから握りまで食べて飲んでの結論は、高いだけの生魚料理屋。高額寿司屋と思って飛び込んだら後悔することになるでしょう。
タネは九州ものが主体とのことですが、ツマミで食べた鯛、鮪、赤貝、サザエ、タイラガイとどれも印象に残りません。光り物では唯一鯖がありましたが、〆が緩すぎて私には合わなかった。フグ刺しも頼みましたが、専門店に適うレベルのものではなかった。
握りも予想以上に私の好みからははずれた出来で肝心の酢飯があまりに凡庸。酢や塩が緩すぎると言うより酢飯の素を使った家庭レベルの食後感でありました。米の上に魚が乗っているだけと表した方が良いでしょう。私が抱く高額寿司屋とはまったく別物の食べ物屋でありました。
支払い額は一人当たり2万数千円。他の2名はほとんどお酒を飲みませんでしたから、酒飲みの客単価は2万円台後半になると考えます。翌日の昼、古賀付近で立ち寄った街場寿司屋で食べた数千円のお決まりがやけに美味しく感じたことを付け加えさせていただきます。





