ワインをウリにする一軒家オデン、びのむ
by tomosato on 3月.13, 2010, その他の料理
西麻布にある炭火焼がウリのワインバー「レ ビノム」の姉妹店。同じく4丁目の路地にオデンをウリにした一軒家ワインバーを一昨年にオープンしました。当初は雑誌の露出が多くて予約が入らなかったのですが、落ち着いたのか当日の予約がやっと入って訪問できたのが昨年前半。8400円のコース料理は、小料理5皿の後に鴨出汁を使ったオデンが続き、炊き込みご飯で〆となりました。ボトル売りもありましたが、料理に合わせるというオススメのグラスワインを次から次へと飲んだのがいけなかったのか、支払いがなんと3万円弱(一人分です)。ブルゴーニュの1級畑が提供されたとはいえオデンでこの支払いは驚愕の一言。なにかの間違いかと思って今年になって再訪しても2万円台後半だったので本日取り上げました。
当日の夕方に予約が入ったのは今回も同じ。しかしこの不景気でも1階のカウンター(6席)だけではなく2階の個室にも客が入っていましたから驚きました。
小料理が5皿も前回同様。フカヒレ茶碗蒸しは万人受けする味でまずまず。サヨリと赤貝の刺身に添えられた苺ソースには驚きました。友里の嗜好ではあり得ない取り合わせであります。白子のクリームソースは甘すぎると感じましたが、煮穴子湯葉巻きやホロホロ鳥の粕漬け炭火焼きは意外に美味しく感じました。
ここからオデンにチェンジ。黒七味、辛子、カンズリが用意されていますが、鴨以外の出汁を使ったオボロ昆布を乗せた大根(カツオ風味)も登場しました。出汁が良くしみ込んでいたので、オボロ昆布など必要ないのではないか。鴨出汁のオデンも1年前より上品になっていると感じました。ゴボウ、ガンモ、タコ、つみれとオーソドックスなタネをワインで食べるため(客にワインを飲ませる)、鴨出汁を使う必然性に疑問を持ちながらもついワインを飲み続けてしまった友里。店側の術中に今回も嵌ってしまいました。「ぎんざ 力」より良かったトマト、牛頬肉の煮込みを載せた豆腐、ロールキャベツなど創作オデンに更にワインがすすんでしまったのです。
本店(炭火焼)よりグレードの高いワインを揃えているのが理解できないオデン屋でありますが、支払額を気にしない方には、話のタネでの訪問も良いかもしれない隠れ家レストランであります。
酒飲みには遠すぎる、ひさ田
関西在住の食べ仲間から誘われていた岡山の鮨屋。市内から遠いので車で行くしか手段はないと言われ、宝塚近辺で待ち合わせ、知人の運転で2時間かけて昼に訪問したのが今年はじめでありました。
新興住宅街にある自宅の裏側に造った店舗。非常にわかりにくい立地であります。
この日は満席だったからかL字型のカウンターは9席とちょっと狭め。小上がり以外に店内にポツンとあるテーブル1卓は喫煙用のスペースだとのこと。中途半端な分煙ではなく全席禁煙にするべきではないでしょうか。
ツマミからお任せでスタート。天然フグのぶつ切りは白子とのポン酢和え。一味入りで味濃かったですが悪くはない。トロミをつけたタイラガイもまずまず。鰆の炙りの後、この店のウリの1つである吉田牧場のモッツァレラのヅケが登場します。なぜチーズをヅケにするのか、いや鮨屋でチーズの必然性が理解出来ませんでしたが、酒のツマミとしてはまずまず。続いたのが青鰻(海鰻)の焼き物です。山葵の茎が添えられるこの店の名物で、ツマミとしてお酒が更に弾みました。
そしてここから握りです。生姜は甘からず辛からず私の好み。酢飯は米酢を使っているようで、粒がかなり立っています。関西としてここまで固めなのは珍しいのではないか。煮切りが濃すぎる気がしましたが、全体的にバランスのよい握りです。
個別的にはヒラメの縁側が生臭く、琵琶湖の鱒や生っぽい車海老には疑問が残りましたが、烏賊、赤貝、鯖、鰆などはなかなか良かった。芽ネギと沢庵巻きの後、主人の父親が打ったという蕎麦(あらかじめ予約が必要)で〆となりました。
タネ札には16種の表記とそれほどタネは揃えておらず、お任せコースとしては昼でも物足りない量だったとの連れ達の意見もありましたが、支払い額を知ると文句は言えません。運転者など2名がお酒を飲まなかったのですが、我々がその分をカバーしての支払いが一人1万3000円とかなり安い。充分飲んでも1万5000円以内で終わると推測します。
立地の関係から酒飲みが訪問しにくく、よって酒類の売り上げを諦めるかわりにツマミを充実させる必要もない新しい戦略。
酒飲みには使い勝手が悪いですが、お暇な方には話のタネに訪問してもよい店です。
セーター姿の客もいたガラディナー、ひらまつ
by tomosato on 3月.06, 2010, フレンチ
ネット検索で「ひらまつ」のガラディナーの開催を知ったのは2月のはじめ。シャトーマルゴーのワインと旬の黒トリュフ尽くし料理の参加費が破格の7万円。2週間前と開催日が迫っていたのでダメ元で電話してあっさり予約が入ったのには驚きました。1週間前に今年は未だフレッシュ黒トリュフを食べていなと気づき、比較する為に慌てて六本木の「オー・シザーブル」で尽くしコース(2万9000円)を食べて満を持しての突入でした。
ガラディナーということでドレスコードを確認してスーツ&タイの出で立ちで望んだ友里、ホール隅のテーブルにセーター姿のカップルを見つけてズッコケました。コードなんかないではないか。でもこの二人を除いて客層は年配カップルが多く、ひらまつグループのプレステージクラブの会員が主体だと推測します。
ハイテンションな平松社長が音頭をとってクリュッグ(グランキュヴェ)で乾杯。傍に寄り添うシャネルスーツのマダムを見て、私はひらまつグループの好調を確認したのです。こんなことなら2年前にひらまつ株を売らなければ良かった。儲かっているからかクリュッグは何杯もおかわりが出来て私は満足。しかしその後のパヴィヨンブラン、ルージュ(1級格付けのマルゴーではない白と赤)はわずか1杯だけ。目玉の89年と85年の1級マルゴーもかろうじて1回おかわりが出来る程度で酒飲みの私は不完全燃焼に終わったのです。
平松氏やメートルがふんだんに使用と言っていた黒トリュフ料理はどうだったかというとこれも肩透かしでありました。スライスでの「ふんだん」な使用ではなく、ほとんどが千切りでカサを稼いでいるだけ。フォアグラ、オマール、仔羊と食材や調理(塩を強めにしている)は悪くなかったが、肝心の黒トリュフが量少なく素材負け。「オー・シザーブル」の方が黒トリュフを堪能できたのです。
20年以上前のマルゴーは高騰しているので、トータルで考えると7万円は高くはないかもしれませんが、来日したマルゴー醸造責任者の方針なのか提供温度が自分には低く感じ、パニエサービスしなかったので澱が舞ってしまう危険もあった黒トリュフ千切り尽くし料理とシャトー・マルゴーのコラボガラディナー。不満ではなかったけど満足にもほど遠かった豪華な晩餐でありました。





