純粋なイタリアンではないけど料理は悪くない、ファロ

毎回(と言っても年に数回)の訪問で感じるのは、「ここの料理はフレンチではないか」ということ。
看板はイタリアンでありましてメニューにパスタうあリゾットもありますが、第一線を退いた「ロオジエ」の元シェフ、ボリーさんが関与を続けているからか、その提供料理はイタリアンを飛び越えてフレンチの範疇に侵食しているとしか思えません。

はっきり言うと、パスタを出すグランメゾン一歩手前のフレンチ、という感じ。
CPは悪くない(食材の質や調理と価格は乖離していない)けど、そこらのイタリアンと思って入ると、その値付けの高さに驚くことでありましょう。

和食もそうですが、やはりフレンチ、もとい、イタリアンは秋から冬にかけてが一番と、この12月に続けて2回訪問しての結論は、

やっぱりこのフレンチ風自称イタリア料理は美味しかった

でありました。

まずは接待だったのでアラカルト。
アンコウと生カラスミの突き出しの後に頼んだのは季節野菜の温かな盛り合わせ(2800円)。
野菜料理としてはかな~り高いですが、野菜のポーション、種類とも十分で○。
馬肉のカルパッチョは黒トリュフを掛けているので4800円と破格の値段ですが、悪くはなkった。

そして旬野菜とアンチョビ風味のリングイネ(2200円)も旨みがでていて良かった。野菜も結構多かったし・・・

メインはジャガイモで巻いたエゾ鹿フィレ肉のロースト 黒トリュフソース(6200円)。
ソースだけではなく、黒トリュフのスライスもふんだんに掛かっていましたのでこの価格は仕方がないか。もちろんこの皿も美味しかったのはいうまでもありません。これまたイタリアンかどうかは疑問でありますが・・・

そして1週間後の訪問では6名でのお任せコースにチャレンジしたのであります。(他腹でしたが)

季節野菜の盛り合わせ(黒トリュフ掛け)の後は、蒸し黒鮑とポレンタ。結構大きなポーションのアワビでして、アワビ好きでない友里も納得のお味。

続くパスタは、タヤリンとジャガ芋のソースにこれまた黒トリュフ掛け。
黒トリュフの連続攻撃でありますが、イタリアンならやはり白トリュフだろと思っていたら、次に出てきたのが白トリュフのリゾット。おそらく今シーズン最後となる白トリュフを堪能できたのであります。

メインはブレス産のシャポン(去勢鶏)が登場。
この時期(クリスマスシーズン)が旬の高級食材でして、食材自体は良かったのですが、個人的にはこのスープ仕立て(モリーユ茸)と違った調理法の方が好みでありました。

黒トリュフやモリーユなどを多用する調理(しかもブレス鶏とかフランスの食材も)は、友里が好む郷土色あるイタリア料理とは違いますが、店の立地、雰囲気、サービス、そして料理を考えると、接待、同伴、ゲットと利用目的が多い高級レストランであると考えます。

 

飛び込みもオッケーのステーキハウス、ルビー・ジャックス

青山の「TWO ROOMS Grill |Bar」などを経営するECNホールディングスが超予約困難な3つ星鮨店「さいとう」も入っている六本木1丁目の「アークヒルズサウスタワー」に今春オープンしたステーキハウス。

海外ホテルをデザインする設計会社が内装などを担当しているため外人ウケする一見オシャレな内装でありますが、NYで人気の知名度あるステーキハウス「BLT」が、すぐ目と鼻の先にある泉ガーデンに今秋進出してきてしまったのは運が悪いとしか言いようがない。

60名は収容できる大箱ホールもあって、いつでも入店出来る(飛び込みオッケー)使い勝手の良いステーキハウスとなってしまっているのであります。

しかし根強いファンというか常連はいるようです。
友里が最初に訪問したのは昨夏だったか。偶然にも、小学校時代の同窓生家族と遭遇して驚いたのですが、昨秋の2回目の訪問でも彼女を連れたその同窓生にぶち当たってしまったのであります。
常連客には、家族だけではなく意味深彼女との会食にも利用できるほど使い勝手が良いのかと、あらためて認識したのはいうまでもありません。

この店のウリはやはりステーキ。和牛(A3)やオージービーフもありますが、狙いはアメリカビーフ(USDAビーフ)ではないか。
昨年12月までの3回の訪問(3回目はさすがに彼と遭遇しなかった)での結論は、人気殺到?で予約困難な「ウルフギャング」や「BLT」へ行くよりまだマシ、となったのであります。

アメリカスタイルのステーキハウスなので前菜は生牡蠣、シーザーサラダ、クラブケーキ、タルタルステーキがオススメです。
というか、これ以外にはめぼしいものがない。出来れば、アメリカでは普通に用意されているシュリンプカクテルも用意していただきたかった。

まあ、いずれの前菜も、傑出していませんが悪くもなく許容範囲。

それではステーキはどうなのか。
アメリカ牛に関しては、「ウルフギャング」や「BLT」のように2人前のポーターハウス(ヒレとサーロインがついたTボーン)が用意されておらず、ニューヨークカットかリブアイだけと選択肢がありませんが、肉質(早い話が肉本来の旨み)は比較の2店より上を行っております。
といっても、ピーター・ルーガ-などアメリカの名店には及びませんけど。

またワインの値付けも高くはなく、カリフォルニアワインが7000円くらいからとリーズナブル。

そして嬉しいのが12歳以下に適用される子様メニュー(2200円)のお買い得感。
シーザーサラダやハンバーグステーキ、そしてデザートが入ってこの値段ですから、家族連れには有り難い。

脂ギトギトの和牛ステーキに嫌気がさした人、しかし本場アメリカのUSDAプライムビーフの真の美味しさを知らない人には、十分許容範囲のステーキハウスであると友里は考えます。

 

これがアメリカの本場ステーキと思ってはいけない、BLT TOKYO

何回食べても美味しいとは思えないけど人気があるNYのステーキハウス「BLT」。
最近の赤身肉&熟成肉ブーム(でも欧米では脂ギトギトのワギューがブームらしい)を狙ったのか、今秋東京は六本木1丁目に進出してきたのであります。

ところが週刊文春所属の食味探検隊評価が散々だっただけに訪問を躊躇していたのですが、身内の再三のリクエストで重い腰を上げたのは11月末でありました。

場所は泉ガーデンの5階。

 

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ソフトバンクCMの白戸小次郎(ダンテ・カーヴァー)似のドアマンが立つ店構えと1階のウエーティングなどはオシャレ感があるのですが、友里一行が通された2階のホールはファミレスに毛を生やしたようなレベルで4人掛けテーブルも狭くチープ感丸出し。
ホールスタッフも白服ばかりで客数の割に黒服が少なく(1名だけかも)、オペレーションが悪いったらありゃしない。
白服もオーダーをとるのですが、ブラッドオレンジだけではなくグラスの白ワインもと、2回もオーダーを忘れられてしまいました。

シャンパンはグラスが1800円、ボトルはクリュッグのグランキュヴェが2万8000円と値付けは高くなかったけど、肝心の肉価格は本店の倍近いのではないか。
我々は28日熟成ドライエイジングポーターハウス(2名分 1万4000円)を頼んだのであります。

まずはアミューズの位置付けか、チキンレバーペーストにキッシュ、そしてポップオーバー(デニッシュの1種)。

 

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レバーペーストとキッシュはまったくの普通味で、NYでは温かいうちは美味しいと思ったポップオーバーも東京ではイマイチでありました。

前菜で頼んだフレッシュオイスター(6ヶ 2200円)はまずまず。というかこの日一番美味しく感じた皿(調理ではない)でありました。

 

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クラブケーキ(2400円)は塩が強すぎ、グリルド ダブルカットベーコン (1600円)は量だけ多いけど塩辛いだけでペケ。3人でも食べきれなかった。

 

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無難だと思われたシーザーサラダ(1400円)も塩が強いだけが特徴か。
人のこと言えませんが、廻りの客層もパッとしないファミリーが主体で、NYのBLTの唯一の特徴であるオシャレ感も皆無。気を落としている我々の前にメインのポーターハウス(サーロインとフィレのついたTボーンステーキでフィレの割合が1/3以上と多め)が登場しました。

 

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一般のアメリカのポーターハウス2人分と違って肉の量が少ないのが一目瞭然。
肝心の肉のお味も、アメリカ牛赤身独特の旨みが足りない。はっきり言って、たいした肉ではないNY本店より値段は高いけど味は更に落ちる肉であったのです。

唯一の救いは添えられたニンニクか。この皿では一番の食材でありました。

苦すぎるエスプレッソで〆ての支払いは、一人当たり2万円を軽く突破。
CP悪すぎるアメリカンステーキハウスと判断、友里の再訪はまずないことでありましょう。