天下の3つ星店にダメ出しするには1回の訪問では失礼。(六本木時代は行っていた)
せめて2回食べてからにしなければと昨年はじめの訪問からこの店の評価を封印していた友里でしたが、如何せん食後感が悪かったのと、「鮨よしたけ」だと食べ仲間が行きたいと名乗り出なかったので再訪する機会がなかなかありませんでした。今年になってやっと接待で再訪を遂げたのであります。
相変わらず店内は換気が悪いのか、酢の負の匂いが充満しています。
18時と20時半の完全2部制を謳っている鮨屋ですが、本当に集客が順調なのか。この日も客は閑古鳥が主体でありました。
まずはフグ白子を乗せた茶碗蒸しでスタート。蕪のすり流しがかけてありましたが、薄味と言うより出し自体が弱すぎ。
キンメは昆布〆の後ヅケにしているとのことですが、肝心の魚の旨みを引き出していなくてペケ。昆布と醤油の味が濃すぎです。
明石の煮タコはまずまずながら、唐津のアワビは肝ソースが余計。質が良ければ肝の力は借りなくても良いのではないか。
〆鯖あぶり焼きもアサツキと生姜の味が強すぎです。
アン肝(赤酒蒸し)もそのままの提供ではなく、アン肝の裏ごしソースがかかっておりました。
ほとんどのタネが薬味や煮きり、変なソースなどの強い味で食材本来の旨みが消し飛ばされている(もとから旨みがない質かも)のであります。握りに移ってもその傾向は変わりません。
スミイカは普通でしたが、赤ムツは煮きり味しか感じない。藁で炙ったサワラも味濃すぎでコハダは生臭さが目立ってしまった。
赤身ヅケ、中トロズケ、大トロ(蛇腹?)も他の銀座高額鮨屋と比べると質はかなり劣るのではないか。
「きよ田」並とはいかないまでも、3つ星寿司屋なんですから若手鮨屋の鮪レベルは出していただきたい。
カマスの棒寿司も煮きりの濃い味に負けしておりまして、ウニ、穴子、玉子もまったくの普通レベルと、何の傑出したものに出会うことなくお任せコースが終了してしまったのであります。
酢飯も六本木時代と同じく砂糖を入れているのか友里の好みに合わない。
ほとんどのタネに隠し包丁を入れるのにも疑問と、まったく満足出来なかった再訪でありました。
香港出店で忙しいのか主人は不在でしたが、食後感は主人の有無に関係なく悪すぎ。
接待でシャンパンを頼んだのがいけなかったのか支払いが2名で7万円を突破の3つ星寿司店。
何かの間違いにしても、3つ星はあり得んとの結論であります。