目黒に超予約困難な焼鳥屋があると聞いたのは昨年半ばでありました。早速訪問しようとしたのですが、1ヶ月先まで予約困難とのことで断念したのであります。
ところが救いの神というのでしょうか、持つべきものは後輩か。ご丁寧にも1ヶ月以上前に予約を取っていたけど欠員がでたとの連絡で初訪問出来たのは昨秋のことでありました。
立地は結構最悪。細い路地を迷いながら入っていくと廉価な海鮮居酒屋が出現。こんな場所に人気焼鳥屋があるのかと不安になりましたが、隣接の一気に雰囲気が変わる店構えの店(やや高級感)がこの「鳥しき」であったのです。
店内はカウンターのみ。18席くらいのコの字型なのですが、この客数なのに焼き手は主人一人。女将と若い衆あわせるとスタッフは5名ほどと大所帯なのですが、この焼き手一人体制が、その後の長時間ドラマに繋がるとは思いも寄りませんでした。
お好みもありますが初めてなのでお任せ(希少部位込み)をオーダー。最初に出された糠漬けを食して、期待は膨らんだのであります。
かしわとはもも肉のことなのでしょうか。白玉とは鶉の卵らしい。焼き鳥経験が豊富でないのでテクニカルタームに疎い友里は店主に確認してしまった。
「世良田」ほど一串のポーションは大きくなかったですが、それでもそこらの店(多店舗展開の「鳥よし」とか)より肉厚でボリューミー。
10数本(未だ未だあるようでしたがお腹一杯)出てきた中で感心したのは白玉(これが半生というか絶妙の柔らかさ)に、食道、肩肉、ハツ元。
希少部位が主体ですが味(旨み)があって美味しい。ただし血肝(レバーのこと)やちょうちん(産卵前の卵と卵管)は「鳥よし」レベルと大差がないと感じました。
〆のご飯ものはそぼろ丼、親子丼、そして焼きおにぎり、玉子掛けご飯に茶漬けなど豊富。
そぼろ丼はちょっと薄味過ぎと感じましたが、親子丼はまずまず(それなりの店では不味い親子丼って聞いたことない)。
ワインの値付けは安くリーズナブル(例えばノンヴィンシャンパンが7000円前後)なのも嬉しい。
ビールに6000円弱の赤ワインを飲んでの支払いが一人当たり9000円と、支払いは鳥よしよりチョイ安、世良田の半額近くで終了したのであります。
しかし問題が1つ。店を後にしたのは入店してから
優に2時間を超えていた!
今年になって再訪し、串出しの遅さの原因がわかりました。
焼くのに手間かけ過ぎ。例えばネギ串。一度焼いてからネギを外し、火が直接当たっていないところを火に当たるように再度串に刺して焼き直しているのです。
香水がきつい常連女性や、ブランド自慢の病院経営親子が隣になると居心地悪く不運となりますが、時間に余裕がある方、女性とのその後の秘め事を考えていない男性(3時間近くかかるので秘め事にうつる時間的余裕がなくなる)にはお勧めです。
運が良ければ当日の問い合わせで入店できるかもしれません。