アンガス牛でここまで期待がはずれるとは想定外、デカンタ

皆さんはアメリカンクラブをご存じでしょうか。
若い頃、付き合っていた女性の実家が会員でありまして、友里は何回か訪問したことがありましたが、入っていたレストラン、はっきり言って「どこへ出しても恥ずかしくない大味アメリカンキュイジーヌ」。
こんな不味い料理店と、プールやボウリング場へ出入りできるだけでなぜ会員自慢するのか、自称セレブ東京人の心情が友里は理解できなかった。(日本人も入会できるんですね)
コネ使い高いギャランティを支払ってまで入会する価値なし、との結論に達したのであります。

そんなアメリカンクラブがいつの間にか建て直しとなり、レストランもアンガス牛をメインにしたステーキハウスとなり、しかも会員を同伴せず一般人だけでも入店出来ると聞きまして、赤身牛好きな友里は早速昨夏に訪問したのであります。

まず驚いたのが、派手というかコケ威しのようなガラス張りのワインセラーを両サイドに備えたアプローチ。これは純粋なステーキハウスではないと気付いた瞬間であります。
それほど多くの経験はありませんが、アメリカの美味しいステーキハウスってもっとジミーで謙虚な内装なんですね。

また料理価格(ワインも)、中国ではないですがこの店はクラブメンバーと一般客と区別しておりまして完璧な二重価格。その差は3割近くあるでしょうか。
ステーキなど各料理、メンバー価格が日本の市場価格くらいですから、一般客にはかなり割高な値付けとなっているのです。

まずはアメリカ料理の典型としてシュリンプカクテルか生牡蠣でもとメニューを探したけどそんな料理がない。アメリカのステーキハウスの場合、これらは前菜の定番なんですけどね。
それでも何とか魚介をと頼んだのがロウ バー(7800円)と名付けられた料理。
ふつう「ロウ」とありますから生ものだと思いますよね。でも生はウニのみ。その他のロブスター、ジャンボシュリンプ、タラバ蟹(こんなもの出すな)、ホタテなど皆加熱していたのであります。

クラッシュアイスに直乗せして冷たくしているからと言っても、これは「ロウ」ではないぞ。
これじゃメニュー偽装ではありませんか。4人で2皿(1万5600円)頼みましたが、時間とお金の無駄、不要なカロリー摂取になってしまったのであります。

ハウスサラダ(2100円)、ウエッジサラダ(アイスバーグ 2200円)は高いけどお味はまったくの普通味。
そしてメインのCAB(サーティファイ アンガス ビーフ 10オンス 1万200円)の登場です。
ところが驚いたことに、何と皿を温めていない(というか冷たい)から肉が直ぐ冷めてしまうんですね。肉が美味しければまだ許せるのですが、肝心の肉自体もまったく美味しくなかった。
これがあの友里好物のエイジングしたアンガス牛なのか。

値付けの高いワインを飲んでの支払いが4名で13万円超え。アメリカのステーキハウスなら数回は通える金額ではありませんか。
友里の再訪はあり得ません。

ジャンルは鰻屋だけどスッポンも秀逸、勢きね

スッポンの美味しい店がないと嘆いていた友里に、食べ仲間が教えてくれたのがこの店。
彼が行きつけのフレンチ(ワインマニアには有名らしい)の店主からの紹介と聞いて、友里がすぐさま訪問したのは一昨年の末でありました。

予約で料理を確認するとこの店、スッポン専門店ではなく鰻も扱っているとのこと。というか食べログを見る限り世間では鰻屋で通っている店でありました。
そこで鰻とスッポンの両方を入れたコースを頼んだのであります。予算的には一人2万円前後と安くはない価格設定。更に期待が膨らんだのはいうまでもありません。

場所は赤坂のレジデンシャルホテル。路地裏にあるチープなアパートみたいな建屋の、入り口がわかりにくい1階にありました。

まずは鰻の白焼き。一口食べての印象は養殖ものではない感じ。脂たっぷりではなくどちらかというと天然に近い川魚の風味でして、野田岩などの養殖剥き出しの鰻とは違ったのであります。
時期的に天然鰻があるとは思えず店主に確認したところ、産地は特定していないけど飼育期間を長くした養殖鰻を選定しているとのことでした。

続くはスッポンの肝焼き。ポーションも大きく塩も効いていて火入れもしっかり。
あまり食さない部位でありましたが美味しかった。そして続いたスッポンの肩肉の塩焼きは肝とは違った味わいでこれまた悪くはなかった。
鰻の肝焼き(これもかなり大きめ)を挟んだあとはスッポンの唐揚げ。衣の味が濃かったけどこれも美味しかった。

そしていよいよ当日のメイン、スッポン鍋の登場です。
1キロくらいのスッポンだそうで2名だとかなり食べ応えがありました。出汁はお酒の甘みを感じますが今まで経験した店の中ではトップレベル。しっかり味が出ていたのです。
醤油の味しかしない「大市」とはそれこそ月とスッポンの違い。危うく次に控えている雑炊用に取っておくべき出汁まで飲み干しそうになりました。雑炊も勿論よかった。

〆は鰻丼。白焼きと同じクオリティでして、タレはちょっと甘く感じましたがこれまた満足して店を後にしたのであります。
ワインリストも店構えと違って結構充実していてNVシャンパンも1万円以下でリストアップ。
電話予約時もそうでしたが、若い主人をはじめ店スタッフの客対応は非常に丁寧というか低姿勢。あとでミシュランの星を取っている店と知って驚いたのであります。

そして1年かかってしまったけど再訪したのは昨年の末。
今度は大勢での訪問でしたが、鰻やスッポン料理のクオリティは落ちていなかった。日本酒にも凝っているようで、料理に合わせたペアリングも楽しめたのです。
でも残念だったのが瓶ビール。在庫がわずか1本だというのでおかしいと思ったのですが一口飲んで「こりゃあかん」。
ラベルを確認したらとっくに賞味期限が切れておりました。瓶でもビールは鮮度に敏感、たとえ賞味期限内でも時間が経てば味わいが落ちるのがビール。
店主には瓶ビールにも拘るべき、賞味期限をチェックするべき、との苦言で〆させていただきます。

ハズレの料理がほとんどなかった、ダバ インディア

小さい頃からカレーに目がなかった友里。添加物てんこ盛り(化学調味料だらけ)の料理はコラムネタの為に食べることはあっても進んで摂取することはないのですが、ことカレーだけは例外でして、レトルト食品もたまに食べてしまうほどのカレー好きであります。
ここ数年はスープカレーに目覚め、そしてインドカレーにまで手を出すようになりました。(本場インドは未訪問)

そして東京や関西で有名なインド料理店を訪問しては、ハズレの料理の多さにガッカリを繰り返していたのですが、食べ仲間から美味しいと教えられたこの店、2回の訪問だけですがほとんどの料理がアタリで美味しかったのであります。

初訪問は昨年の夏。急な思いつきの訪問(予約できず直ぐには入店出来なかった)だったので高齢な身内が食べられるか心配だったのですが(同伴者の数が揃わず無理に連れていった)、それなりに満足してくれたのも高評価の一因であります。

まずは地鶏のタンドール(1260円)。コリアンダーとミント味のソースが辛めでまずまず美味しい。ただしグリーンサラダ(630円)は甘すぎてイマイチ。

チェティナード・チキンカレー(1370円)はかなりのスパイス感(特にコリアンダー)。
南インドの辛いマトンカレー(1450円)も黒胡椒とガーリックが利いており、後から来る辛みも印象的で悪くない。
季節野菜とほうれん草のベジコルマ(1370円)もココナッツ入りで辛くはないけど美味しく感じたのであります。

再訪したのは数ヶ月経った年末。今回は予約をしての訪問でありました。
オニオンドーサ(780円)、玉葱の細切れを包んだクレープでホントに美味しいのですが、細切れの玉葱がクレープからこぼれ落ちやすいのが難点。改善してもらいたい点であります。

オニオンドーサ

 

 

パニールと野菜のタンドールサラダ(840円)、焼きトマト、カリフラワー、ピーマンなどのチーズ焼きですが、パセリソースもよくマッチしていて満足。

パニールと野菜のタンドールサラダ

 

ただし次に頼んだチリパコラ(2Pで420円)は、青唐辛子と玉葱のかき揚げのようなものなのですが、衣がベチャベチャで粉っぽく、友里の嗜好には合わなかった。

チリパコラ

 

 

そしてメインは勿論カレー。この日最初に食べたのはアレッピーフィッシュカレー(1470円)。
ココナッツ入りの魚カレーでスパイス感はさほどなく塩が強かったけどまずまずか。

アレッピーフィッシュカレー

 

 

続いて頼んだブナチキンマサラ(1370円)は、劇辛ではないですがスパイス感は十分でピーマンと玉葱、香草も十分でこれは美味しい。ガーリックナン(530円)も悪くはなかった。

ブナチキンマサラ

 

 

この日もう1つイマイチ感があったのは、〆で頼んだマトンビリヤニ(1370円)。

マトンビリヤニ

 

量は多かったけどバターのような風味が強くスパイス感もまったくなし。
これは頼まなくてもよいアイテムでありましょう。

カレーは世間標準ではかなりのレベルでスパイス感もあります。
前菜もかき揚げや甘めのサラダを回避すれば満足するものが多く、訪問して損はないインド料理店であると考えます。