NARISAWA色を出さない方が良い、東洋軒

知人夫妻から美味しかった(しかもCPが良い)から一緒に行こうと誘われた洋食店。店名を聞いたときは中国料理店かと思ってしまいました。

調べてみたら、昔東京でやっていたようですが何かの事情で地方へ移転。
このたび、あの世界の成澤氏(皮肉です)とのコラボにこぎ着け、ついに東京へアイ シャル リターンの望みが叶っての凱旋オープンであります。

最初の訪問は3月のこと。コースが5800円から1万2000円まで3種ありましたが、5800円コースがお買い得と知人夫婦に説得され日頃の主張であるアラカルトを封印。その夜は単品をいくつか追加したのであります。

アミューズのブランダードのブルスケッタはまずまず。ネットで評判のミルクパンも懐かしいお味で美味しかった。
追加の生牡蠣も良く生ハムを乗せた温野菜(10種以上)も悪くはなかった。
ビスクスープに続いては追加のカニクリームコロッケ。トマトソースがかかっており、洋食としてはわかりやすいお味。

ここからはどれが追加でどれがコースだったか混乱したので羅列していきます。
ヒラメと春キャベツもまずまずで、メンチカツも添えられたポテサラが印象的でした。美味しい。
ハンバーグも平均以上の出来でありましたが、タンシチューが期待したほどのツメではなくちょっと残念か。
添加物入りや人工オイルも絶賛するホリエモンが「神」と宣ったブラックカレー、悪くはないけど辛いだけでスパイス感なく、ハヤシもツメ緩くかろうじて許容範囲内。

ハズレな料理はなかっただけにこれは久々に良い店を見つけたとチェックをしたら支払いがなんと一人当たり2万円弱と予想外の請求額にビックリ。
知人がワインを1本持ち込んでコストセーブしたのですが(持ち込み料3000円)、追加した料理が高かったのか、店で開けたワインが高かったのか。
そこで、5800円コースだけで満足できるのかどうか検証のため日を置かず身内を連れて友里は再訪したのであります。

5800円コースの内容は以下の通り。
アミューズ、温野菜(生ハム付き)、ビスクスープ、ヒラスズキとキャベツ、メンチカツかステーキ(+1200円)、ブラックカレーかハヤシライス、デザート(3種からチョイス)、コーヒー。
最近は年頃からかダイエットに気遣う身内達でありますが大食いの友里のDNAを継いでいるだけにそこらの食欲ではないはず。
その身内が量タップリと太鼓判(しかも美味しいと言っていた)を押したことによる結論は、

東洋軒では5800円コースに徹するべし

ワインの値付けはちと高いのですが、問題はアラカルトのお値段。
ハンバーグやシチューなどメインの価格が3000円前後に、カレーやハヤシでさえなんと2800円。(コースのそれより量は多いですが)。

これではアラカルトだけではそこらのフレンチも真っ青の請求額になってしまいます。
味は悪くないだけに(しかし季節感には乏しいかも)、見栄を張らずこの店では5800円で完結してください。

 

コース内容が不変の仔羊しゃぶしゃぶ、龍水楼

数少ない友里オススメ店の1つ。
久々の訪問でしたが、この夜は我々1組だけと寂しい限り。このまま埋没は惜しいと思いまして、本日は店から何の便宜供与もありませんが店紹介に徹したコラムとさせていただきます。

北京が発祥の地と言われる「しゃぶしゃぶ」ですが、本場は牛肉ではなく仔羊だとか。
その仔羊しゃぶしゃぶ(シュワンヤンロウ)を夜だけコース仕立てで出しているのがこの小川町近くにある龍水楼であります。

街場中華にしか見えない店構えとコースは5000円からという価格設定から、接待には向いておりませんし、掲題にあるようにコース内容は、一番安い5000円コースだと前菜的な小皿料理が5皿にこの仔羊しゃぶしゃぶ(野菜や水餃子、麺付き)にデザートと食材から調理法まで不変。
よく言えば安定しているのですが、はっきり言うと変わり映えしないので、友里は気の置けない初訪問の仲間との会食に限定して使っております。

ただ、夜限定の仔羊しゃぶしゃぶのコースを頼むにはいくつかの条件クリアが必要です。
まず人数は5名以上。そして閉店時刻が20時半なので、遅くとも18時半から全員が揃ってスタートしなければなりません。20時には火を落とされてしまいますので。
又しゃぶしゃぶに追加はつきものですが、追加肉も事前に予約しなければなりません。はっきり言うと使い勝手が良くない店なのですが、非常にインパクトある料理でありますから、話のタネにもぜひ一度は人数集めて行っていただきたい。

2階の決して綺麗ではない半個室の、ガタついた円卓で毎回同じ前菜小皿料理を食べ終わる頃、主人の箱守不二雄氏が料理の由来と食べ方を独特の語り口で説明しにやって来ます。
これまたコース内容と同じで、一字一句変わらないと思われる口上でありまして、主人のその記憶力に毎回脱帽しております。

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テーブルに鍋が設置され、1人1人に仔羊の皿(かなり薄いスライスが数片入った5皿が基本)が積み上げられ、10種の薬味や調味料が所狭しに並べられます。

すりニンニク、胡麻ダレ、豆板醤、芝麻醤、紅麹腐乳酢、ニンニクの蜂蜜漬け、韮、シャンツァイなどの薬味をお好みで使うのですが、主人は全部混ぜることを勧めます。かくして、なんとも言えない味わいのタレが、各人好き好きな味わいで完成するのであります。

 

火鍋の熱気と食欲をそそるニンニクのアシストで、食欲が沸くのなんのって・・・(マスヒロさん風)

 

その後、鍋に青菜、麺、水餃子を入れて最終的にお腹を満たし、三不粘でシメとなります。
濃厚なタレの割にあっさりした仔羊肉ですから、女性の方でも5皿の基本コースでは足りないのではないか。数皿の事前追加は必須であると考えます。

なんとも言えない独特の味のしゃぶしゃぶは美味い、不味いの次元を超える2時間の龍水楼劇場。
ビールに紹興酒をバンバン飲み、肉を追加しても、1人8000円前後と安心の支払額でありますが、翌日が大変です。
人との面談はなるべく避け、ブレスケアを離せなくなりますから、大事な日の前日の訪問は控えてください。

盛況になってクオリティが劣化したのか、ルースクリス

マンハッタンの本店でも当日入店が簡単に出来たのに(しかも結構ガラガラだった)、日本は肉の味がわからない人が多いからか今のところ連日盛況だと漏れ聞く六本木のウルフギャング。
肉の味が薄いステーキだと再訪で確認した翌日に比較のため久々に訪問したのが、友里が珍しくオススメしていた霞ヶ関にあるこの「ルースクリス」でありました。

週はじめだというのに店内は同伴カップル含め満席に近かった。以前の閑古鳥状態とはまったくの別世界の光景に友里はビックリしたのであります。
ところが客数が増えたからかサービスの技量が追いついていない。8名の予約だったけど、新人女性が担当についてしまってストレスたまりまくりのディナーとなってしまったのであります。

新人と思われる彼女、要領悪く料理の説明が出来ない。例えばシュリンプカクテルのソースの説明が出来ないんですね。背後にベテランらしき男性スタッフが控えているのですが、何の助け船も出さずただ傍観しているのみ。
そしてゆっくり彼女一人でオーダーをとるのですから、イライラは頂点に達してしまった。
立っているだけで自分は仕事をしないのか男性スタッフ。これからの食事に嫌な予感が湧いたのは言うまでもありません。

まずはシュリンプカクテル(4尾2300円)。
単なるチリソース(スパイシーなニューオーリーンズホームスタイルカクテルソースと称している)と酸っぱいタルタルソースのようなもの(レムラードソース)の2種を頼みましたところ、前日のウルフギャングより海老質は良かったので安心。でもその後は顔をしかめる料理が続いてしまったのであります。

マッシュルームのクラブミート詰め(1900円で4ケ)はタコ焼きみたいで見た目が悪い。いや見た目だけではなく、調理(質も)悪いようで美味しくなかった。
ステーキハウスだからそれ以外の料理に多くを望むのは酷かと待ち望んだメインのフィレ(11オンスで7700円)でありましたが、一口食べて愕然となってしまった。

以前より旨みがない。というより、質を落としたのか肉の味が薄くなりすぎ。
普段からアメリカ牛の赤身肉の美味さを力説している友里としては、そのスタンスが根底から覆されるような肉質であったのです。
飲食店のお約束でありましょうか。流行ってくるとサービスどころか料理まで劣化する店がよくありますが、「ルースクリスよ、お前もか」と感じて店を後にしたのであります。

期待ハズレはサービスや料理だけではありません。経営方針も勘違いしておりまして、以前は3000円で持ち込めたワイン、確認したらなんと5000円に値上がっておりました。
ステーキに高額ワインは釣り合いませんから5000円負担ではバカらしい。よって店にある値付けの高い、しかし実際は廉価なワインですべて通したのであります。

一人当たり2万円も超える支払いの高額アメリカステーキ。この肉質とサービスが続くなら、友里はオススメを外さなければなりません。