数少ない友里オススメ店の1つ。
久々の訪問でしたが、この夜は我々1組だけと寂しい限り。このまま埋没は惜しいと思いまして、本日は店から何の便宜供与もありませんが店紹介に徹したコラムとさせていただきます。
北京が発祥の地と言われる「しゃぶしゃぶ」ですが、本場は牛肉ではなく仔羊だとか。
その仔羊しゃぶしゃぶ(シュワンヤンロウ)を夜だけコース仕立てで出しているのがこの小川町近くにある龍水楼であります。
街場中華にしか見えない店構えとコースは5000円からという価格設定から、接待には向いておりませんし、掲題にあるようにコース内容は、一番安い5000円コースだと前菜的な小皿料理が5皿にこの仔羊しゃぶしゃぶ(野菜や水餃子、麺付き)にデザートと食材から調理法まで不変。
よく言えば安定しているのですが、はっきり言うと変わり映えしないので、友里は気の置けない初訪問の仲間との会食に限定して使っております。
ただ、夜限定の仔羊しゃぶしゃぶのコースを頼むにはいくつかの条件クリアが必要です。
まず人数は5名以上。そして閉店時刻が20時半なので、遅くとも18時半から全員が揃ってスタートしなければなりません。20時には火を落とされてしまいますので。
又しゃぶしゃぶに追加はつきものですが、追加肉も事前に予約しなければなりません。はっきり言うと使い勝手が良くない店なのですが、非常にインパクトある料理でありますから、話のタネにもぜひ一度は人数集めて行っていただきたい。
2階の決して綺麗ではない半個室の、ガタついた円卓で毎回同じ前菜小皿料理を食べ終わる頃、主人の箱守不二雄氏が料理の由来と食べ方を独特の語り口で説明しにやって来ます。
これまたコース内容と同じで、一字一句変わらないと思われる口上でありまして、主人のその記憶力に毎回脱帽しております。
テーブルに鍋が設置され、1人1人に仔羊の皿(かなり薄いスライスが数片入った5皿が基本)が積み上げられ、10種の薬味や調味料が所狭しに並べられます。
すりニンニク、胡麻ダレ、豆板醤、芝麻醤、紅麹腐乳酢、ニンニクの蜂蜜漬け、韮、シャンツァイなどの薬味をお好みで使うのですが、主人は全部混ぜることを勧めます。かくして、なんとも言えない味わいのタレが、各人好き好きな味わいで完成するのであります。
火鍋の熱気と食欲をそそるニンニクのアシストで、食欲が沸くのなんのって・・・(マスヒロさん風)
その後、鍋に青菜、麺、水餃子を入れて最終的にお腹を満たし、三不粘でシメとなります。
濃厚なタレの割にあっさりした仔羊肉ですから、女性の方でも5皿の基本コースでは足りないのではないか。数皿の事前追加は必須であると考えます。
なんとも言えない独特の味のしゃぶしゃぶは美味い、不味いの次元を超える2時間の龍水楼劇場。
ビールに紹興酒をバンバン飲み、肉を追加しても、1人8000円前後と安心の支払額でありますが、翌日が大変です。
人との面談はなるべく避け、ブレスケアを離せなくなりますから、大事な日の前日の訪問は控えてください。