皿出し遅く4時間拘束される小量多皿創作料理店、Menton(シカゴ)

この6月、初訪問のボストン滞在4日間でメインに位置づけした創作料理店。
ボストンといいますと、ロブスターやオイスターなど割と廉価な魚貝料理専門店を思い浮かべますが、この店は客単価が3万円はする高額店。

友里はネットでその存在を知りまして、オープンテーブルで即予約を入れたのであります。オープンテーブルという予約システムを利用された人ならおわかりでしょうが、3つ星を除けばメールアドレスや電話連絡先を入力するだけでほとんどの店は予約が完了するのですが、この店はクレジットカード番号でギャランティしなければならなかった。
ボストンではハードルの高い店であったのです。

アメリカのディナーは欧州とは違ってスタートが早いということで訪問したのは19時。かなりの大箱でありましたが、予想通りそこらの魚介料理店と違ってメートルやソムリエも存在する高級店でありました。

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HPではワインに拘っていて特にバローロの古酒に自信を見せていたので期待していたのですが、ワインリストを見る限り友里の基準ではどうってことないレベル。
せいぜい80年代のバローロがオンリストされているだけでありました。よってコースにワインペアリングを選択したのであります。

まずは1口アミューズが4種ほど登場。トマトペーストのセロリ巻き、ブーダンブラン、フォアグラ、レモンクリームでありましていずれもお味はどこにでもある一口アミューズ。続くは追加のキャビアでありましたが、オシェトラと自称するには粒が小さくイマイチ。まあアメリカですから料理のお味に期待していなかったのですが想定外だったのは皿出し。アミューズとキャビアだけで小一時間はかかっていたのであります。日付が変わる前にホテルに帰ることが出来るか、不安になった瞬間です。

そしてここからが本コース。スープ仕立てのキャビアとエスカルゴは塩気の強いビスク味。バターの酸味がイマイチでした。

ホタテとアスパラ(またまたキャビア添え)は添えられたネギの塩がやはり強い。

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ヒラメ(またまたキャビア添え)のバターソテーとブラウンマッシュルーム(アールグレーの出汁掛け)は悪くなかったですが、続いたラビオリはやはり塩が強かった。

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フォアグラとロブスター(なぜこれを一皿で合わせるのか疑問)は、なんとフォアグラの周りにマヨ味のツナを盛っているではありませんか。これは完璧にペケでありました。

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鶏肉も甘塩っぱい味付けで、最後の〆の牛サーロインの薄切りも塩気だけが目立つという代物。

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すべての皿のトーンが同じで1つ1つはマシなものもあるのですが、コースとして食べ始めるとすぐに飽きがきてしまう構成であったのです。

勿論食材や調理法を見る限り季節感はゼロ。
ホールではハッピーバースデーの儀式をやっているカップルが3組以上いましたから、高額店とはいっても記念日的な使い方をする一見&観光客(早い話がお上りさん)御用達のレストランではないか。
ボストンの店なので当たり前ですが、話のタネに1回の訪問で十分な店でありました。

あまりにCPが悪すぎる自称韓国宮廷料理、尹家

後輩のミシュランオタクに誘われて初めて訪問したのは今年の3月。
韓国宮廷料理といわれまして、月島にある韓国料理店「韓灯」の参鶏湯などが大好きな友里はすぐに釣られてしまったのであります。
ただし、個室オンリーでコース主体、HPにあるアラカルト料理は、コースで足りない場合の追加のみだとの制限を聞きまして、嫌な予感はしていたのであります。よってまずは試しと、3種あるコースの中から最安値の1万2000円を選択しました。

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コースですから料理を選ぶ必要がない。ここは韓国の酒類で楽しもうとリストを見で唖然。
ノンヴィンシャンパンが1万2千円、ドンペリが3万5千円、クリュッグのグランクヴェが4万円とバカ高いワインはそこそこありましたが、マッコリは1種で韓国焼酎は扱っていないとか。
しかもこのマッコリ、カテゴリーは「others」に入っていて見つけるのに苦労したのであります。
高い金額を請求できない庶民的な酒は継子扱いか完全無視であったのです。どこに出しても恥ずかしくない「儲け主義」の店と友里は読みました。

まずはユン家特製サラダ。高麗人参と梨のドレッシングということで、高麗人参の苦みと梨の甘みの融合を狙ったのでしょうが量が少なく味がわからない。

本日のジョン盛りあわせ。ジョンは玉子を付けてパン粉で焼いたものなんだそうですが、韓国ズッキーニ、蛤(豆腐と野菜入り)、真鯛に玉子(パン粉も)をつけて焼いただけ。しかもこの真鯛、どこに出しても恥ずかしくない「養殖臭」がしておりました。

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本日の前菜盛り合せは一口料理の寄せ集め。

IMG_2092タラの芽、海老、タコ、梅、コゴミ、アメーラトマト、しらすなどそこそこ季節感あるものが出ましたが救いはMSGを感じないだけでお味は普通。感動どころか感心するものではありません。
季節のチャプチェも少量。食べた気がしなかった。

 
宮廷トッポギと称するものは醤油ベースでズッキーニや椎茸、牛肉が入っていて悪くはなかったですが、これまた少量で食べた気がしない。

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アワビの薬膳炒めやユン家薬膳参鶏湯も小さな高麗人参が入っているだけで「薬膳」と称して良いものなのか。

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お味(食材も)も総量もまったく満足しなかったのですが、評価するには最高値の2万円コースを経験しなければと再訪したのはこの8月でありました。

この最高値のコースでありますが、サラダやジョンなどスタートの皿は最安値とさほど違いはないのではないか。冷菜盛りあわせも陣容が変わっていましたが、食材の質が高額になっているとは思えなかった。

鱸の唐揚げは生臭くて閉口しましたが、黒鮑は少量ながらまずまず。そして牛肉(イチボとタン)、毛蟹のケジャンに参鶏湯か冷麺の選択でデザートを除いてコースは終了となったのです。

最安値コースより更にCP感が悪くなった最高値コースを見る限り、この日(土曜日)の客がほとんど確認できなかった理由がわかるというもの。韓国の宮廷は小食の人ばかりなのか。CPをある程度問題にする人は訪問する必要はないと考えます。

ワインの品揃えと値付けに疑問のビストロ、アンバロン

集客を望む(早い話、客が少ない)店しか相手にしなくなったミシュランガイド。
きょうび、盛況な店(真の実力がない過大評価店は除く)は掲載されようがされまいがまったく気にしていないほど日本では埋没しているのですが、未だに固執している人がいるのであります。しかも店関係者ではなくただの一般人。
実は友里の後輩で一見オタクに見える男性であります。

ライフワークとして世界の3つ星訪問制覇を目指すのは人の勝手でありますが、ランチでもなんでもとにかく欲しいのは「訪問したという証」だけ。
極端な話、朝食をやっていたらそれで訪問終了と自己満足してしまうキャラでして、友里は犬のマーキングの方がまだマシと思っておりました。

そんな「なんちゃって訪問自慢」をするだけなら未だ許せるのですが、飲食店関係者などと仲良くなりたいのか、それをモトに知り合いから一目置かれたいのかわかりませんが、友里とは知り合いだと吹聴しまくるんですね。グルメマンガの原作者や元県知事にまで言いまくっていたようで閉口していたのです。

それでも関係をダラダラ続けていたのですが、あるとき友里が問題視した料理人(ロブション系のエグゼクティヴシェフ)からFBで拒絶されたことの焦りからか、友里との関係を隠すため「FBの友達申請を取り下げる」と通告してきたヘタレでもあったのです。

友里は頼んでFBの友達になってもらったわけではありません。別にこんなオタクの一人や二人居ても居なくてもどうってことないし、こんなヘタレが身近にいるのは逆に迷惑千万と、忍耐強く面倒見が良いと自負する友里もさすがに我慢の限界に達したのであります。

そのヘタレ後輩と「最後」の訪問になったのが、この西麻布の「ビストロ アンバロン」でありました。
オーナーでないのにオーナーと自称していながら、真のオーナーにクビにされて大恥かいたオールアバウトのガイド、嶋啓祐氏も絶賛していた店ですが、友里の結論を先に言わせていただくと、掲題にあるワインの問題点に加えて肝心の料理も力不足ではないか。

シャルキュトリーは数片のソーセージ、サラミ、生ハムと期待したテリーヌ、リエット、パテは不在。これならわざわざシャルキュトリー(豚肉加工品の総称)と名付けるのはいかがなものか。以下の写真は一人分に取り分け。

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ピペラードのキッシュ& プロシュートサラダなるもの、キッシュはデカかったけど味がしつこく、プロシュートが乗っているだけでペケ。

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ビーツのラタトゥユとはどんなものかと思ったら、単なるビーツの角切りタイプでありまして、これなら普通のラタトゥユの方が美味しい。

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〆はスペシャリテという熊本産梅肉ポークの肩ロースポワレを頼みましたが、粒マスタードのソースが掛けてあるだけでどこかスペシャルなのか理解できなかった。

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頼んだ白ワイン(グラス)がヘタッていたので、連れのオタクが下戸で飲まないけど赤ワインはボトルをオーダーを決意。
でも食指が動くものがリストにないんですね。4800円から1万2000円の範囲と価格帯はまずまずなのに、NVシャンパンが9000円と値付けが安くないのは歴然。
しかたなくカオール(フランス西南地方の赤ワイン)を頼みましたが7200円の価値を感じ取ることは出来なかった。

下戸の連れとの支払いが合計で2万円台半ば。ワインだけではなく食後感もイマイチの店でありました。