集客を望む(早い話、客が少ない)店しか相手にしなくなったミシュランガイド。
きょうび、盛況な店(真の実力がない過大評価店は除く)は掲載されようがされまいがまったく気にしていないほど日本では埋没しているのですが、未だに固執している人がいるのであります。しかも店関係者ではなくただの一般人。
実は友里の後輩で一見オタクに見える男性であります。
ライフワークとして世界の3つ星訪問制覇を目指すのは人の勝手でありますが、ランチでもなんでもとにかく欲しいのは「訪問したという証」だけ。
極端な話、朝食をやっていたらそれで訪問終了と自己満足してしまうキャラでして、友里は犬のマーキングの方がまだマシと思っておりました。
そんな「なんちゃって訪問自慢」をするだけなら未だ許せるのですが、飲食店関係者などと仲良くなりたいのか、それをモトに知り合いから一目置かれたいのかわかりませんが、友里とは知り合いだと吹聴しまくるんですね。グルメマンガの原作者や元県知事にまで言いまくっていたようで閉口していたのです。
それでも関係をダラダラ続けていたのですが、あるとき友里が問題視した料理人(ロブション系のエグゼクティヴシェフ)からFBで拒絶されたことの焦りからか、友里との関係を隠すため「FBの友達申請を取り下げる」と通告してきたヘタレでもあったのです。
友里は頼んでFBの友達になってもらったわけではありません。別にこんなオタクの一人や二人居ても居なくてもどうってことないし、こんなヘタレが身近にいるのは逆に迷惑千万と、忍耐強く面倒見が良いと自負する友里もさすがに我慢の限界に達したのであります。
そのヘタレ後輩と「最後」の訪問になったのが、この西麻布の「ビストロ アンバロン」でありました。
オーナーでないのにオーナーと自称していながら、真のオーナーにクビにされて大恥かいたオールアバウトのガイド、嶋啓祐氏も絶賛していた店ですが、友里の結論を先に言わせていただくと、掲題にあるワインの問題点に加えて肝心の料理も力不足ではないか。
シャルキュトリーは数片のソーセージ、サラミ、生ハムと期待したテリーヌ、リエット、パテは不在。これならわざわざシャルキュトリー(豚肉加工品の総称)と名付けるのはいかがなものか。以下の写真は一人分に取り分け。
ピペラードのキッシュ& プロシュートサラダなるもの、キッシュはデカかったけど味がしつこく、プロシュートが乗っているだけでペケ。
ビーツのラタトゥユとはどんなものかと思ったら、単なるビーツの角切りタイプでありまして、これなら普通のラタトゥユの方が美味しい。
〆はスペシャリテという熊本産梅肉ポークの肩ロースポワレを頼みましたが、粒マスタードのソースが掛けてあるだけでどこかスペシャルなのか理解できなかった。
頼んだ白ワイン(グラス)がヘタッていたので、連れのオタクが下戸で飲まないけど赤ワインはボトルをオーダーを決意。
でも食指が動くものがリストにないんですね。4800円から1万2000円の範囲と価格帯はまずまずなのに、NVシャンパンが9000円と値付けが安くないのは歴然。
しかたなくカオール(フランス西南地方の赤ワイン)を頼みましたが7200円の価値を感じ取ることは出来なかった。
下戸の連れとの支払いが合計で2万円台半ば。ワインだけではなく食後感もイマイチの店でありました。