オアフで一番のステーキハウスか、ハイズ

アメリカ(今回はハワイでしたが)で外さない、何とか満足して店を後にすることが出来るジャンルといえば「ステーキ」を真っ先に挙げる人がほとんどではないか。

フレンチやイタリアンと自称している店は、例え3つ星といえどもほとんどがはっきりいうとアメリカ人の舌に合わせただけの大味料理(例えば塩だらけ)か創作料理。
本場の伝統的、郷土色ある調理を出す店なんて皆無に近いと考えます。

反面、アメリカが世界に自慢できる食材の1つはアメリカンビーフ。
USDAプライムビーフを筆頭に、赤身を重視した肉牛は、脂(サシ)ギトギトの和牛と違って肉本来の香りと味わいを持っていると友里は考えます。
ただし、最近は日本食ブームのせいか、ワギュー種がアメリカ内でも出回っているようで友里は残念でなりません。

そんなアメリカの田舎人の観光地、もとい、世界の観光地であるハワイに於いて、美味しいアメリカンビーフのステーキ店と地元でも評判が高いのがこのワイキキにある「ハイズ」であります。

 

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友里はハワイに通い続けていた頃(と言っても年にせいぜい1回)から、ステーキはこの店と決めておりました。

まずは突き出しの位置付けのチーズブレッド。悪くないのですが、サイズがアメリカンですから、全部食べきると肝心の肉が食べきれない危険があります。

友里が頼んだ前菜は、アメリカのステーキハウスではお約束のフレッシュオイスター。
アメリカではハズレが少ないと思っていたのですが、今回はイマイチ。新鮮ではなかったでしょうか。
翌日帰国を控えていて食べた瞬間心配になったのですが、結果的には何も起こりませんでした。

続くはタルタルステーキ。日本ではすっかり見かけなくなった調理ですが、酸っぱ辛い味付けながら珍しさもあってまずまずか。
同じくこの手の店でお約束のシーザーサラダやマグロのタルタルも悪くはなかった。

そしてメインのステーキの登場です。

 

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脂(サシ)嫌いの友里は、ヒレのミディアムレアを注文。
この店の特徴は、ハワイ産の香木キアベ炭による強火の焼き上げによる独特の燻製香です。

 

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香りにちょっと癖がありますが、肉本来の旨みも十分で、冷めてもそこそこ美味しい。
初訪問の同伴者は、「ブルー」(レアより火を入れない生に近い状態)に挑戦しましたが、「こんな美味しいステーキは初めてだ」と喜んでおりました。

このハワイにも、ウルフ・ギャングやBLTといったステーキハウスが本土から進出してきていますが、タクシーの運転手も言っていたように、「ハイズがオアフでは一番」ではないか。
現地では高額店に位置する店ですが、客単価は日本のこの手のステーキハウスの半額くらい。
ハンバーガーも良いですが、ワイキキへ行った際は是非立ち寄っていただきたい店であります。

半年前とは段違いの食後感、ロオジエ

ビル建て直しで、昨秋鳴り物入りで再オープンした資生堂のグランメゾン「ロオジエ」。
オープニングパーティー含めて4~5回訪問しての友里の感想は、

 

う~ん、見た目重視の割に印象に残る皿がない

 

と毎回不完全燃焼で店を後にしていたのであります。
そうはいっても未だ若いシェフだけに、ジビエの季節に再度チャレンジを決断。割とあっさり予約が入っての、11月再訪となりました。

建て替え前は評判が良くなかったメナール前シェフでも2回転するテーブルがあるなど、オープン早々から席が埋まっていたと記憶していたのですが、再オープンになってからは2回転どころか満席になる時刻がかなり遅いのではないか。
19時半でも満席にならない日もありましたが、この日は隣の席が最後まで空席のままでありました。

そんな雰囲気であまり期待を持たずに頼んだ料理だったのですが、前菜の1皿目を食べて今までの印象が180度変わってしまった。

 

美味しいじゃないか

 

口の悪い同伴者は

 

シェフが替わったのかも

 

とまで言い出す始末でありました。

まず友里が頼んだのは白トリュフ料理。
最近はフレンチでもこのイタリアの高級食材を使う店が増えているのですが(皿単価を上げられるので)、とってつけたような使い方なので感心した皿には滅多に出会ったことがない。

でも今回は、ホタテのロティをメインにセップ茸や栗を配したもので、ナツメグやシャンピニオンのムースも良い仕事をしておりました。
敢えて言うならニョッキ。現シェフはニョッキが好きなのか他の料理にも使っているのですが、友里はあまり好きではないんですね。
でも全体的には美味しかった。

 

続くは青首鴨のコンソメ。蕪に包まれたフォアグラもそれほどしつこくなく、このコンソメは奥深い味わいで久々に美味しいスープに出会ったと感心したのであります。

 

メインは雷鳥。普段は滅多に頼むこのない二本足ジビエでありますが、カシスをベースにしたソースも甘すぎず雷鳥の味わいにマッチしていたのではないか。

口の悪い同伴者が頼んだグルヌイユ(蛙)やハタのヴァプールも良かったようで帰り際、来年早々の予約を入れていたことからもかなり満足したのだと推測します。
以前から良かったデセールも健在で、久々に(メナール時代もなかった)満足して「ロオジエ」を後にしたのであります。

果たしてこの美味しさは一過性のものなのか、永続的なものなのか。
その答えは来年早々にでることでありましょう。

 

 

ハワイのフレンチを見直した、ラ・メール

友里が若い頃は一世を風靡していたワイキキの最高級?ホテル「ハレクラニ」。
ここに宿泊することがステイタスになると毎年泊まっておりましたが、井の中の蛙だったのでしょうか。

ワイキキのあるオアフ島ではなく、マウイ島やハワイ島などネイバーアイランドのフォーシーズンズホテルを知ってしまうとそのスケールの小ささ(部屋も狭い)にアホらしくて足が遠のいてしまった。
というか、バカンス先(といっても日本人ですから短期間の節約型)をハワイ諸島から欧州に変えたため、この地はすっかりご無沙汰になっていたのであります。

欧州の豪華ホテルを知ってしまうとそのスケールの小ささからアホらしくて行けないワイキキホテルでありますが、年老いた身内の同伴という制限から遠方を諦め、今秋久々にワイハ(しかもネイバーではないオアフ島)に友里は上陸してしまったのであります。

宿泊は中国人を避けるためワイキキを外してカハラ方面にしたのですが(でも中国人が多かった)、レストランのラインアップが乏しいため毎夜ワイキキとの行き帰り。
その中で一番のメインに位置づけたのが、このハレクラニホテルのメインダイニング「ラ・メール」であります。ハワイにしては珍しい「8歳未満の子供お断り」とコードが厳しいのも選択の理由の1つ。嬉しいことに規制はされていませんでしたが、中国人も見かけなかった。

 

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料理はデギュスタシオンのコースもありましたが、プリフィクスメニューを選択。デザートを含んで前菜とメインの3皿で110ドル、4皿だと145ドルと結構リーズナブルでもありました。

まずはアミューズ。アスパラとサーモンにパルメザンソースがかかったものでしたが、一口食べて「あれっ、まともなフレンチに近いじゃん」と驚いたのであります。
アメリカ、特にハワイの自称フレンチの実態は、創作アメリカンだと思っていただけに意外でありました。昔はこんなにまともではなったはず・・・

アメリカで牛肉ははずせないと前菜で頼んだのは「牛肉のタルタルキャビア添え」。キャビアはキャビアでも安いアメリカの養殖ものだと思うのですが、添えられたクレソンソースとのマッチングもよくかなり美味しい。

 

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そしてメインはブイヤベースを選んだのであります。半年前からダイエットに取り組んでいたこともあり、少しでもヘルシーにと選んだのですが、結果はまずまずか。

 

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連れが頼んだ「アメリカ牛フィレのポワレ」はいわゆるロッシーニ風でありまして、これも悪くはなかった。その他、エスカルゴと小イカ、鴨胸肉のローストもつまみ食いレベルでありましたが悪くはなかった。

 

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最後はスフレで〆てお腹一杯。
ニューヨークの3つ星フレンチは、山葵や昆布、柚子の使用など奇を衒った自称フレンチが多いだけに、観光地のしかもワイキキでまともなフレンチに出会えるとは思わなかったので満足して店を後にしたのはいうまでもありません。

オアフ島で中国人と子供に遭遇することなくゆっくりフレンチを堪能したい方にはオススメの店であります。