喉をやられるほどリピートしてしまった、スパイス・ピエロ

辛い料理に目がない友里、ふとした切っ掛けで続けざまに店を探しまわる癖があります。
昨年の春先、雑誌のスープカレー特集を読んで会社近くの店を訪問しまた嵌ってしまいました。その店のスープカレーはどうってことない味で期待はずれだったのですが、逆に検証精神に火がついてしまった。何店か訪問の末、5月から8月まで不定期でありますが通いつめることになった店が、銀座にあるこの「スパイス・ピエロ」であります。

初訪問は5月。表の看板にある4色のカレーに釣られて地下に降りていって驚いたのは階段途中まではみ出している行列でした。昼時とは言えこの不景気での盛況さに、期待が膨らんだのです。

4色カレーは黒がローストした玉葱と豚骨ベースの濃厚味。赤がトマトと鶏ガラのさっぱり味。緑がズッキーニとハーブの仕上げ。白はクリームシチューベースとオコチャマ向け。
辛さも1辛から5辛までリクエストでき、具は野菜、チキン、黒豆納豆、ハンバーグなど選択肢ありすぎのスープカレーであります。

頼んだのは「春の野菜極カレー」の4辛黒で、キャベツ、ジャガイモ、茄子、人参など12種の春野菜とエリンギなど3種の茸が入ったもの。100円追加した4辛(3辛以上は1辛50円追加)は豚骨や玉葱の影響で思ったより辛くないけど癖になる味だったのです。
直ぐさま訪問し、5辛を頼んだのは言うまでもありません。その後は、赤の「野菜極」5辛に挑戦。こちらの方がカレーらしいスパイシーさを感じ、飽きが来ないタイプと読みました。しばらく赤を続けてから、緑をチャレンジしたのが8月半ばでしたが、これが最後の訪問(現段階で)になるとは思いもよりませんでした。

同じく5辛としたので色は緑ではなく赤になりズッキーニやハーブを感じませんでしたがカレーとしてはイケると判断。今後はこれだと思った矢先にアクシデントが友里を襲ったのです。
連日のスパイス摂取で喉の粘膜が弱ったのか、ウイルス性咽頭炎を悪化させてしまい、2週間ベッドに伏すことになってしまった。

何事も過ぎたるは及ばざるがごとし。以後、喉の自信を喪失し、極端に辛いものが怖くなって訪問しておりません。咽頭炎にならない範囲で3種のスープカレー(白は無視)を味わって下さい。

昔の行列が懐かしく思える、天現寺亭

初めて訪問したのは20年以上前だったか。たまたま車で通りかかって目に入ったのが天現寺交差点近くにあるこのお好み焼き屋でありました。まだ19時前だというのに店外は行列。これは美味しいに違いないと飛び込んだのです。
靴を脱いで鉄板付のちゃぶ台に直座りして、生牡蠣などツマミから各種お好み焼き、焼きそばなどを食べまくったのですが、価格も手頃なこともあり、その後は同じく近辺にあった屋台焼肉屋(駐車場に駐めた軽トラ)と交互に月に一回ほど通い続けたのでした。
結構通って常連になった友里、お好み焼きの焼き方も上達し、時には独身の身軽さからか隣席の女子大生グループに焼いてあげるなど店内コミュニケーションに貢献したのですが、身を固めたのが切っ掛けだったかいつの間にか足が遠のいたのであります。今春出版予定の友里オススメ本での掲載を検討しようと久々に訪問したのは今年はじめでありました。

リニューアルしていましたが、直座りに変化はなし。ただし個室が出来ていたのには驚きました。予約を受けつけるようになったからか、近辺の「ぼちぼち」や「のろ」に客を奪われたのか行列はなし。でも19時近くには満席になりました。

まずは牡蠣バター(5ヶ1500円)。添加物を否定できない味でしたが、ポーションもでかくこの価格なら致し方なし。キムチ(420円)はわざわざ頼むものではないことを確認、長芋千切り(480円)の量の多さには驚きました。
数度の経験しかないもんじゃ焼(ミックスで1260円)も当たり前ですがMSG入り(店からは入れていないとの電話を頂戴しております)のジャンクフードとしてはまずまず。
ミックスお好み焼き(1260円)は小さくなったと感じ、これだけではとうてい物足りません。烏賊焼きそばや野菜のバルーン焼、豚玉お好み焼きを追加しようやくお腹一杯。冷酒や焼酎ロックを飲んでの支払いが4人で1万4000円となりました。

お好み焼きは厨房で焼いてくれるようになったので、以前のように女子大生(今時来ないかも)とのコミュニケーションは難しくなりましたが、客単価だけ考えれば、近辺にあるデルモがオーナーだった広島風お好み焼「甚六」の約半値。
月島や下町へ行く時間と交通費を考えたら、近辺にお住まいの方には充分許容範囲のもんじゃ・お好み焼きであると考えます。

高いけど納得できる京都割烹、割烹さかもと

友里が前から問題提起しているのが、高額和食のコース一本化であります。
2万円、3万円も支払って、店の都合、もとい旬の食材をバランス良く構成したというお仕着せコース料理を食べなければならない不思議。
旬の食材と言っても、人には好き嫌いがあるはず。なぜ店側の都合で効率的な食材の使い回しが出来るコース一本に、高額支払いをしなければならないのか。好きな食材を好きな調理で食べたいと思うのが人情ではないか。

確かにコース一本ではなく、アラカルト対応をとったら歩留まりが悪くなり店経営としては不利かもしれません。でも数千円や1万円前後の店ではないんですね。客単価数千円の居酒屋やセンベロ(千円でベロベロになれる)だってアラカルトではないですか。コース1本の居酒屋やセンベロなんて客が来るはずがない。
高額店なら充分アラカルト対応が出来ると私は考えるのです。

そんなコース一本全盛の高額和食の中で、この「割烹さか本」はしっかりアラカルト対応をする真の割烹料理店であります。
久々に訪問したのは昨秋の昼。コースもありますが、我々は好きな物を単品注文しました。

飯蒸など付出のあとにまず頼んだのは鯛の刺身。淡路産との先入観も後押ししたからか美味しかった。この時期お約束のコッペ(松葉蟹の雌)はその場で1匹を捌いてきます。事前に剥いてある造り置きを出す店が大半ですから、嬉しかった。かなりの大きさで今シーズン最高でありました。

お椀は雲子真丈。カツオが自分にはやや強く感じましたが悪くはない。モロコをちょっと焼いてもらってからツマミにもらった鯨ベーコンも上品な出来で美味しかった。
鯛のアラ炊きに続いて今回も頼んだのが丸鍋です。身も多く肝、エンペラもたっぷりでこれまた満足した次第であります。

カウンターの醍醐味は、食べたい食材と好きな調理法を指定し、目の前で仕上げる様を楽しむこと。それに加えて料理自体が美味しければ文句をつけようがありません。
昼間でしたが適度に飲んでの支払いが夜並みで一人2万円台半ば。確かに高額支払いでありますが、お仕着せコースでは得られない満足感をもって店を後にしたのです。季節毎に再訪して、好きな料理を思いっきり食べたい店であります。