ここ数年で食後感が戻ってきた、味満ん

東京では、そのまんま東のおかげで大迷惑をくらった銀座の「福治」と並ぶ東京屈指の高額フグ店。
その高額請求と居酒屋然とした佇まい(まったく高級感なし)のギャップもウケるようで、友里も接待などでたまに行っておりました。

昔は数ある店評価本などで絶賛されていましたが、食べログなど口コミサイトの評価が落ちているのを知って確認に行った2年前は、確かに質や味(ポン酢に添加するアン肝裏ごしの味の濃さに閉口)に疑問と落胆を抱いて店を後にしたのですが、昨年の訪問ではそれほどの問題を感じなかった。
そこで今年も再確認のため新年早々2名で訪問(接待)したのであります。

まずは煮凝り。一時は大味になっていたと記憶しておりますが、味は濃くなく食感もプルプルで悪くはなかった。
続くはメインのフグ刺し1.5人前。関西のフグ店と違ってこの店も東京式と言いますか寝かせた(熟成させた)もの。
食べログでは厚く切った刺身と言われていますが、友里に言わせるとこれは普通厚ではないか。中には薄造りの方が美味しいと極端に薄くして嵩を稼いで総量を抑える高額店がありますが、フグや鯛など白身もある程度厚みがないと味がわかりにくい。食感も大事です。
友里的にはもう少し厚く引いても良いかとも思いますが、肝心のフグ質は回復したのではないか。限りなく畜養に近いと思える天然を出しているミシュラン3つ星フグ店より、かなり満足出来ると友里は考えます。
問題だったアン肝タレも味がまろやかになっていた。でもこれは追加料金が発生するので、味に変化をつけたい時だけの使用と考え、シェア出来る間柄なら1品で十分であると考えます。

続くは白子焼き。季節的にまだ大きくなっておりませんでしたが、固い皮を好まない人にはいいかもしれません。
唐揚げはやや味が濃い気がしましたが、部位が良かったからかフグ自体が美味しかった。

そしていつも頼むのが鯖の味噌煮。フグ屋でこれを用意している店を他に知りませんが、これはもうちょっと味噌味を濃くしても良いのではないか。
この手の料理、上品過ぎてはいけません。

そしてふぐちり鍋もフグの量は十分で、〆の雑炊も変な隠し味を感じず楽しめたのであります。
ビールやひれ酒、そして日本酒と、ワインは飲まなかったけど錆味噌煮が効いたのか支払いは1名辺り軽く5万円を突破。アベノミクスのおかげか東京屈指の支払額ながら店内は満席であったことを最後に報告させていただきます。
接待といえども、次回の訪問は来年までお預けです。

 

ファミレスに毛を数本生やしただけ、俺の割烹

変なコンセプトの自称和食店であります。
値付けが安い(でも実際は価格なりの料理)立ち食い屋との認識はありましたが、まさかそんな環境で「なんちゃってジャズ」が聞けるとは思わなかった。あれは昨秋、表敬訪問に来た元社員たちを連れて行った時のことであります。

近くの「俺のフレンチ」は行列でしたがこの店は行列なし。やはりこのような店に来る外食慣れしていない、高額店に行かない客層には、フレンチやイタリアンの方が魅力はあるということでしょう。
その理由は簡単。割烹といっても彼らは普段行っている居酒屋料理をイメージするからだと考えます。

さて入り口のお兄さんから「2階はジャズの演奏があるので300円のチャージがかかる」と念押しされての即入場。しかし予想外にフロアは満席で、友里たち4名は芋を洗うような環境での立ち食いとなったのであります。

賀茂茄子の煮付け(580円)は添加物を十分に感じるしっかりしたお味。味噌を和えたカツオのタタキ(680円)はカツオより山芋の方が多かったぞ!
しかも味が濃すぎて肝心のカツオが味噌負けしておりました。

ウニの伊勢エビゼリー掛け(680円)は味だけではなく明礬も濃かった。鯛のバチコ和え(1480円)は、この内容では高すぎるのではないか。
何の変哲もない蟹クリームコロッケ(500円)がかえって一番美味しく感じてしまったのであります。

10種の野菜の蒸籠蒸し(680円)は、サツマイモ、ベビーコーン、茄子、ブロッコリー、豚肉などアイテムは多かったけど、添えられた3種のソース(ポン酢、胡麻だれ、海鼠腸トロロ)がジャンク味すぎて閉口。

そしてクーラーが効いていない蒸し暑いフロアで立ち食いを続けていたら、本日のメイン、ジャズ歌手の登場となりました。
ジャズには不調法な友里でありますが、そのド素人でもまともなプロのレベルには達していないと思う歌唱力で更に食欲が増していったのであります。(皮肉)

そのジャズ歌手の前に陣取った田舎出に見える年配カップル(地方のスナックママとの不倫旅行と読みました)、大きな荷物を足下に置いて感極まったのかママさんが男性の股間に手を伸ばして揉みはじめるではありませんか。
立っていたけど友里、椅子から転げ落ちそうになったのであります。

料理の話に戻ります。鶉の山椒焼き(980円)は甘めのジャンク味、グジと野菜の炒り出し(1280円)は揚げ浸しをイメージしているのでしょうが、ベチャベチャで味が濃いだけ。
鱧しゃぶ(なぜか4000円から1280円にディスカウント)は出汁がバター味みたいで気持ちが悪くなってしまった。

岩中豚の塩焼き(1280円)は、豚が薄味でしたがなぜがビチャビチャで味付けは超濃すぎ。最後は鯖寿司(2ヶで680円)で〆たのであります。

田舎出の不倫カップルを肴に結構食べて飲んでしまったからか一人当たりの支払いは7000円前後。立ったまま、下手なジャズと年配のイチャツキ観戦がついているとしても友里の再訪はあり得ません。

女将が店に出ると更に気まずい雰囲気になる、串右エ門

初訪問は一昨年の初夏だったでしょうか。麻布十番の店を食べログで検索していたところ、高評価であることを知り(当時)、すぐさま訪問してしまった。
15席くらいのコの字型カウンターに男女2名ずつのスタッフ。お好みもありましたが初めてだったので友里は10本で3500円のコース(他に7本2500円もあり)注文したのであります。

まずは単品で別に頼んだ鶏レバー。リキュールを使っているかと思うほど甘い味付けだったので確認したら玉葱の甘さとのことでありました。
コースはささみ、鶏皮、銀杏、ハツ、つくね、モモ、うずら(卵3個)、ハラミ、椎茸、アスパラだったと記録しておりますが、いずれも鶏の部位の特徴がでていて西麻布の人気店「鳥よし」より美味いと感じたのであります。

追加でチーズ、せせり、ハツモト、トマトを食べで最後の〆は親子丼。
炭水化物としてそぼろ丼を食べたかったのですが用意がないとのことで仕方なくの妥協。
焼き鳥にはブルゴーニュ赤があうというので9000円ほどのワインを頼んだのが影響したのか2名での支払いが2万5000円を突破。
3500円のコースだったけどちょっとした和食屋の支払額になったのには驚きました。

しばらくその存在を忘れていたのですがあれは超予約困難といわれている寿司屋の昼でのこと。隣に座った女性グループの一人がこの「串右エ門」の関係者と漏れ聞いて、思い出してしまったのであります。
ところがなかなか縁がなく、こちらが暇な時は予約が入らないなど空振りが続いてやっと訪問出来たのはその1年後、昨秋となってしまった。

1年半ぶりの訪問でありまして寿司屋で会った女性の顔を忘れてしまったのですが、店内で串を焼いている男性は前年にいた焼き手ではないはず。しかもあとは女性スタッフ1名だけと、大幅に人員整理がされていたのであります。

前回と同じくコースを頼んでから、はじめたばかりのFBの為にカメラを取り出したところ、写真は2枚までにしてくれと中途半端な制限を受けてしまった。
NGでないなら制限しなくてもよいと思うのですが、どうも雰囲気が暗いんですね。
前回も明るくはなかったけど更に悪化した感じ。しかも悪化は雰囲気だけではなく、肝心の焼き鳥にまで及んでいたのです。

目黒の「鳥しき」を知ってしまった後だったので、う~んこの店もこれが最後かなと思っていたら、19時ころ更なる悪い場面に遭遇してしまった。
客は他に1組だけでしたが、態度のでかい女将らしき女性がやってきて店内の雰囲気は更に悪化。一見して気難しいとわかるこの女性、寿司屋で出会った女性より太めなので違うかもしれないのですが、友里が2枚目の写真を撮ろうとしているのを見て「もう写真はやめてくれ」と制してくるではありませんか。
ここで約束が違うと文句を言ってもはじまらないので素直に従いましたが、ただでさえ劣化した焼き鳥がこれでますます不味くなるのは当たり前。
追加に数本の焼き鳥とまた親子丼で、友里最後の訪問を〆たのであります。