こんな大箱が一日中満席とは羨ましい、鼎泰豐 101店

台湾シリーズの2店目。同伴者のほとんどが台湾初訪問であったため、故宮博物館など観光の合間の昼食としての訪問です。
本店はバリアフリーではないとのことで年寄りが1名いた我々は急遽台北のランドマーク101にあるこの支店に変更したのであります。

まずは人でごった返す地下の店前にビックリ。行列どころか整理券で対応せざるを得ないほど客が殺到しているではありませんか。
グループ人数に対応する順番待ち(整理券番号)のボードも凄いですが、レセプショニストがみなスレンダー&ビジュアル系にもビックリ。思わず見とれて立ち止まってしまった友里でありました。

店内に入ると更にビックリ。無茶苦茶な大箱で、数百人は入るであろう驚きのキャパなのに超満席なのです。
一日中(つまり営業時間中)この混雑が続いていると聞きますから、この1店だけでもオーナーは毎月フェラーリが買えるのではないかと友里は羨んだのです。
そして我々は10人以上のグループだったので、大キャパなホールを素通りして、最奥の個室へ案内されたのであります。ここで友里は驚いたというか憤慨してしまった。

この鼎泰豐のオーナー、毎月フェラーリを買うことを優先したのかこんなに大箱なのに店内にトイレを造っていないのであります。
席に着いた最奥の個室から店外の共同トイレまで歩いて10分はかかってしまう、それは最悪のトイレ環境であったのです。フェラーリ1台諦めてでも店内にトイレくらいつけろ!(怒)

それでは簡単に料理に触れます。
まずは豚の小籠包。最もスタンダードなものだそうで、これは六本木ヒルズの店(南翔饅頭店)よりはるかにまともでありました。でも団体のコースだったからか、小籠包はこれだけ。後は、蒸した餃子や焼売が次々と登場してきたのであります。

小籠包以外の蒸し物は4種ほど出たでしょうか、続くは玉子炒飯に酸辣湯。
そして空心菜の炒め物までありまして、昼食としてはかなりお腹が一杯になったのですが、折角本場に来たからにはと追加したのが、蟹ミソ小籠包とトリュフの小籠包であります。

蟹味噌小籠包の蒸籠には蟹マークの可愛いタグが入っておりましたが、トリュフ小籠包のトリュフ風味は予想通りトリュフオイルのみ。
でもこれまた、同じトリュフオイルの使用でも、南翔饅頭店より美味しかったのであります。

最後はアンコの小籠包(友里は食べなかった)まで出て全員お腹いっぱい。
故宮博物館の見学を入れたプライベートツアーにこの昼食が組み込まれていたので総支払総額はわかりませんが、友里含め本場の味にそれなりに満足して店を後にしたのであります。

 

 

酸っぱいもの好きは必食!長白小館(台湾) 

今週と来週の4回連続で、昨秋の台湾初訪問で行った店を取り上げます。
まずは初日の夜に訪問した人気の酸菜白肉火鍋専門店(酸っぱい白菜と豚肉の鍋)。台湾在住の知人のオススメで予約しての訪問でした。
19時に訪問したのですが店内は満席。客が帰るとすぐ席が埋まっておりましたからすごい回転率です。

着席するとすぐさまド~ンと白菜と豚が入った鍋が運ばれてきます。料理ははっきり言ってこれだけと言いますか、あとは豚、羊、牛の中から2種が選べるだけ。
価格は2人前880元、3~4人前1300元ですから一人当たり1200~1400円くらいでありましょうか。

大食いの友里達は韮菜盒子(ニラと卵のおやきのようなもの80元)などをツマミとして頼みましたが、普通の方はこの鍋だけで十分のはず。

煮たちを待つこと15分くらいだったか、店の人からオッケーが出てから食べ始めるのですが、その食べ方は色々な薬味やタレを混ぜたものに白菜や肉をつけるというもの。
テーブル上には、基本となる胡麻ペースト、豆腐乳、韮ペーストの3種が入った小鉢が用意されておりました。そして店奥にはより多くのタレや薬味が置いてあるコーナーがあります。各自が好きに色々なタレや薬味を入れることができるのです。

基本的な配合はあるようですがどうせ来たからには全部試したいと、山葵らしきもの、ニンニクなどのタレ、そして辣油、山椒油など調味料をすべてぶち込んでしまった。
イメージ的には小川町の「龍水楼」の子羊のしゃぶしゃぶのタレ造りと同じで全部ぶち込んだ方が美味しいと考えたのであります。その予想は当たったといいますか、ニンニクや胡麻、豆腐乳や調味料のすべてが関西人にはビックリの薄味でありまして、チマチマ入れたら刺激的な味わいにならなかった。

では肝心のお味はどうかといいますとシュークルートなど酸っぱい系がお好きな人は嵌まると思えるクセになるもの。結構イケてしまうのです。
そして4人で食べ続けておりましたら選んだ2種の肉(料理代に含入)の豚と羊の皿がやってきました。普通の胃袋なら十分の量。でもこれらの肉を入れたら肝心の白菜が足りなくなったので慌てて追加したのです。

ビールや紹興酒、そしてツマミ(韮菜盒子など)を頼んでの一人当たりの支払いは2千数百円と驚異のお安さ。海外では星付きレストランばかりではなく、このようなディープな料理も楽しいのではないでしょうか。

最後に老酒について。
台湾では普通に老酒を頼んだら加熱して持ってくるのが基本だそうです。この「長白小館」でも手に持てないほど熱々の瓶が来まして、そのルールを知らない友里は文句を言ってしまった。
冷えたものに交換しろといったのですが意味が通じず、店の人が持ってきたのはなんと水で濡らした布巾。女性スタッフは熱くて持てないというクレームだと受け取ったのでした。
この店、日本語どころか英語もほとんど通じないところが難点であります。
連れの一人が必死に「ルーム テンペラチャー」と言ってやっと常温の老酒に交換することが出来ました。

 

安いと油断して頼みすぎるとあとの支払いが大変、Le Bar a Vin 52

競合は「俺のフレンチ」や「俺のイタリアン」か。。スーパーの成城石井が経営している廉価な料理を出すワインバーで、麻布十番店の2階にある若い人には人気の廉価店。
この店の存在を知ったのはある月刊誌の同行取材の依頼からでして予約困難との触れ込みもあり、即座に仕事を受けさせていただきました。

18時の入店時はガラガラ。ワインバーといより大箱のビアホールかブラッスリーのような内装で、テーブルも小さく居心地はあまり良くない。
でも客は徐々に押し寄せてきて、帰り際の20時には満席になっておりました。

俺シリーズと同じような値付けなのに、想定外だったのは皿出しの遅いこと。
同行ライターと友里征耶は早食いなのに8皿を食べ終えるのに2時間もかかってしまいました。
俺シリーズは3回転させないと儲からないと吹聴していましたが、ここはせいぜい1.5回転ではないか。これでもトントンだったら、3回転の俺シリーズ、儲けすぎかもしれません。

まずは生ハム6種(1680円)。普通の厚さの1/3の薄さでとろけるような食感にしていると自慢していましたが、友里に言わせると総量を抑えて嵩張らせているだけ。
ハムもある程度の肉厚が必要で食感は大事だと考えます。

チーズ5種(980円)はこの量なら質を問うのは可哀相。いや多すぎてあとの料理が食べられなくなると我々は完食しなかった。

一瓶丸ごとを謳っているキャビア(10g 2000円)でありますが、最初から蓋を開けた状態で持ってきて、しかも中身が斜めに綺麗にナメされているところをみると、詰め替え疑惑を感じてしまいました。
俺シリーズは20gで3800円ですから価格や味は大差なし。塩味しか感じない粒々でありました。

もう1つのウリのフォアグラ(980円)、リンゴと共にソテーされていてこの値付けならまずまずか。ハーフサラダ(780円)はこの量ならお買い得であります。

牛頬肉の赤ワイン煮込み(980円)は、絶対オススメと言われたけどツメが緩かった。2片の肉塊大きいところが救いなだけです。

そして問題は「5種野菜のSTAUB」(580円)と名付けられた料理。
普通この表記をされると人気の仏産ストウブ鍋を想像しますが、でてきたのは日本製の鋳物鍋。これって商標の使用違反にならないのか。でも野菜の量もタップリで、この価格なら文句を言えなかった。

 

 

ポテサラ(450円)は、成城石井の店で売っているのとまったく同じ。ある意味安心感がありました。
〆はすだち鳥のグリル(1280円)。柔らかいから地鶏ではないと思いますが、味付けが濃いので若い人には美味しく感じることでしょう。

この値付けにこの味付け(本格フレンチとは別もの)なら若い人にウケると思うのですが、我々は値付けの安いワイン(でも1万円超え)を頼んだからか支払いはなんと2万円台半ばと高級ビストロと変わらなかった。
最近多い、酒類を飲まない大味好きな、しかし小食の若者限定の店だと考えます。