ワイキキで食べるならステーキが一番、ハイズ

3月に休暇をとってハワイ島でまったりしてきました。ボケっとプールサイドに寝そべり、ビールやワインを飲みながらハンバーガーを頬張るのが友里のハワイスタイル。でも今回は日刊ゲンダイの他「月刊めしとも」の原稿がたまっていたため、PCを叩きながらの飲み食いで寝そべる暇はありませんでした。
欧米の大都市では色々な国の料理がそれなりに楽しめますが、ハワイでは選択肢がありません。熱帯魚かと見紛う刺身を食べたいとは思わず、甘い味付けのパシフィックリムも勘弁。適当な野菜類にメインは牛肉というパターンの連続でした。

欧米では寿司に加えて和牛がブームだとか。サシ(単なる脂身じゃないか)が異常に入った柔らかいだけの肉を好む人が多い中、私は鮪と同じく赤身主義であります。鰻もそうですが、柔らかいだけの食材のどこが良いのか。料理は食感(歯ごたえ)も楽しむものと考えます。噛みしめて脂ではない肉の味を楽しむなら、私はアンガス系の牛に限ると思っております。ハワイ島で食べまくったのに、帰りに立寄ったワイキキでも、この「ハイズ ステーキハウス」を訪問してしまいました。
店内はかなりの大箱。ギターの弾き語りもあり、観光客らしきアメリカ人がフラッシュ焚いて記念写真を撮りまくっていますから高級店の雰囲気はありません。

2名からになりますが客席横で大きなボウルで調理するシーザーサラダ(一人当たり14ドル)は観光記念にはもってこいか。そしてこの店ではシーフードに身向きをせず牛のステーキを頼んで下さい。ニューヨークストリップ(9オンス39ドル)、フィレ(7オンス40ドル)と日本人ならこの最小ポーションで充分でしょう。サシが多い「Delmonico」と称する肉もありますが、せっかくのアメリカですから無視して下さい。焼き方は好みがありますがサシの少ないステーキなので普段より強めの焼きをオススメします。外側は焦げ目を感じますが、噛みしめると脂とは違う肉汁が口中に広がることでしょう。これが本来の肉なのかと再確認される方も多いのではないか。カリフォルニアワインも意外に高くなく支払いは日本の街場ステーキ店と大差はありません。柔らかい和牛の信奉者にぜひ一度味わっていただきたいステーキであります。

明朗会計でお得感もあった、よしはし

ミシュランガイドに掲載されなければ存在を知ることが出来なかったすき焼き店。このジャンルの店に星がふさわしいか疑問でありますが、話のタネに訪問したのが今年のはじめでありました。地番は元赤坂、行き止まりの路地奥に入り口があるお忍び系の一軒家レストランであります。12席あるカウンターでも靴を脱がなければなりません。座敷も用意され、仲居さんが給仕するシステムは、接待客を主に狙った店と読みました。
ところが値付けはそこらのすき焼き屋やしゃぶしゃぶ屋と大差がないのが意外。単品ではすき焼き(しゃぶしゃぶ)が1万円、コースでも1万2000円、1万4000円、1万7000円と「今半」や「瀬里奈」のグループ店と変わりません。我々はいつもの通り最高値のコースを選びました。

前菜の赤貝と若布の二倍酢はどこでも遭遇するレベル。アン肝やサワラの白味噌焼きなどの酒肴盛り合わせの後、カツオが強い出汁のお椀が登場します。椀タネの鯛もかなり塩が強くこの時点で江戸風すき焼き屋なのだとわかった次第です。
造りは甘エビ、サヨリ、鯛。すき焼き屋でこの手の料理に期待するのは酷というものでしょうか。これまた可もなく不可もなし。追加の一品で頼んだ20食限定の細切り野菜(500円)は、本当に細切りしただけのもので、どこが限定品なのか理解できなかった。そしていよいよメインのすき焼きの登場です。
仲居さんが造ってくれるすき焼きは予想通り割り下を使った関東式でありました。仲居さんが玉子の卵白だけ時間をかけて泡立ててくれるのですが、最初から卵黄と混ぜて手間を省いた方が良いのではないか。意味ない接待客用パフォーマンスと考えます。すき焼き自体は「今半」や「瀬里奈」との差を見いだせない中、肉を追加して赤出汁とご飯で〆ましたが、驚いたのがワインの値付けです。

ノンヴィンのシャンパーニュが8500円、ボルドーの2級格付け(グリュオ ラローズ2004年)が1万3000円、ソシアンドマレが1万円とそこらの廉価フレンチより安い。すき焼きにワインが合うか疑問でありましたが、4人で日本酒以外にワインを2本頼んでの支払いが一人当たり3万円台半ば。日本酒を飲めないワイン好きな方にはオススメのすき焼き店だと考えます。

東京の高額店も顔負けの支払額、福喜鮨

今年に入ってから地方の高額寿司屋の訪問を続けている友里。今回は知る人ぞ知る大阪の最高額寿司店の本店であります。
まずはカウンターに座ってびっくり。カウンターには横一線に流しがあって小さな噴水のようなものが等間隔で水を噴き上げています。大阪の人は手で握りをつまむ習慣がないそうですが、指を洗いやすくするために考えた本邦初のシステムとか。饒舌な若主人(と言っても中年)は、鮨タネ用のガラスショーケースや店内の生け簀もこの店が日本ではじめてだと自慢しておりました。
高額店との評判だったので、ツマミは豊富だと思っていたのですが鮨ネタだけ。店としては握りを主体にしているとのことで、スタイル的には「すきやばし 次郎」のようなものでしょうか。そうは言っても酒飲みの友里、ツマミからスタートです。
さすが関西とうなったのは白身の質。厚めに引いた鯛やヒラメは旨みも充分。シマアジも悪くはなかったし、ヨコワの炙りも美味しかったのが意外でありました。しかしウリという玉子、ツマミではなく握りで出されましたが私には甘いだけでイマイチ。ここから握りへ突入です。

まずは光り物。キス、カスゴ、サヨリ、コアジ、コハダ、鯖と6連発も揃う寿司屋が大阪にあるのに驚きです。ただし、東京の人気江戸前鮨店に比べるとレベルが落ちるのは仕方ないことか。カスゴや鯖は水っぽさを感じましたが、コハダは関西(少ない経験です)では最上レベルと感じました。
この店の握りの特徴は、煮切りを引かないものが多いこと。白身だけではなく、コハダも引いていません。タネに対する自信の表れでしょうが、私的には煮切りは必須でありました。築地から引いているという赤身は冷たすぎましたが、トロはまずまず。その他ハマグリ、牡蠣(軍艦巻き)、穴子(1本付け)、干瓢巻きなどを食べて飲んでの支払いは予想通り一人3万円台半ばとなったのです。
時を置かず再訪しても同程度の支払額であったことを確認しましたので、大阪どころか東京でも最高値の寿司屋の位置づけであります。タネ質は高レベルであり、〆ものなどの仕事も大阪としては上レベル。酢飯に若干砂糖を感じたので人により好みが分かれるでしょうが、自腹ではない他腹や接待、経費なら訪問してみて損はない寿司屋です。