空いていて料理も美味いけどサービスが弱点、ビフィ テアトロ

日曜日の夕方、急に身内と外食することになりネットで探し出して飛び込み状態で入店出来たイタリアン。
テーブル席もありますが、大きなカウンターは席間が無茶苦茶に余裕。オープンキッチンもかなり贅沢なスペースで、急な飛び込みでもできるという客まばら状態も手伝って劇場は劇場でも閑古鳥状態の寂しい劇場でありました。

厨房は3名、ホールは2名のスタッフ体制と現在の客入りなら十分対応できるはずですが、サービスのオペレーションがなっていない。
結論から先に言わせていただくと料理は良いけどサービスが足を大きく引っ張っている。
おそらくホールスタッフの1名はマネージャーレベルだと思うのですが、もう1名がグラスワインの提供も出来ないほど機能していないのであります。

しかもこのマネージャーも決して段取りが良いとは思えないレベルですので、客はかなりストレスを感じてしまう。
でも幸いなことにオープンキッチンでありますから、料理のオーダーは使えない&段取り悪いスタッフを介さずともシェフと直接できるので大きな問題はない。
よってテーブル席ではなくカウンター限定での予約が必須。
2回の訪問で料理は悪くないというかかなり良いと感じただけに、一刻も早いサービス陣の建て直しが必要であると考えます。

それでは料理について述べていきましょう。まずは梅雨明けころの初訪問。
ここのアラカルトは、前菜でも2000円を超えていて高いと思ったのですが、ボリュームがあり2名でシェアすることも可能。結果的にはそれほど高くはならないでしょう。

まずはサラダ(1600円)。この価格なら野菜の量も種類もあって十分か。鮮度も良く、ドレッシングも美味しかった。

鱧とリコッタをつめたカボチャの花のフリット(2400円)。よくあるズッキーニのカボチャ版。でもこれまた美味しくバジルソースも効いていました。

サマートリュフのトルティーノ(2800円)は、トリュフ(オイル)のジェラートを乗せているところに賛否が分かれるかもしれませんが、ジャガ芋の食感も心地よく悪くはなかった。

ウニ、アスパラ、イカのペペロンチーノ タリオリーニ(2800円)は、薫香を付けたオリーブオイルとアスパラソースでしっかりとしたお味。創作系だけどこれも悪くなかった。

そして自家製サルシッチャを詰めた鶉(3600円)。
付け合わせの野菜がメインかと思うほどのボリュームで、野菜好きの友里には嬉しい。勿論あまり得意でない二本足も、この手の調理法なら十分楽しめました。

1万円チョイの赤ワインを頼んだので支払いは一人当たり1万円台半ばとなりましたが、サービスを除いて十分満足して店を後にしたのであります。

確認のため再訪したのは2か月後でありましたが、プアなサービスも変わらなかったけど料理も相変わらず美味しかった。

急な飛び込みでもオッケー、日曜営業と、サービス以外は使い勝手の良いお店。ご近所の方には特にオススメのイタリアンであります。

関西のレストランのレベルがわかる過大評価店、モリナガ

京都在住で「タダ飯」を得意とする店癒着ライター・関谷江里氏が絶賛する京都の自称フレンチ。

モリナガ

 

今年4月にオープンしたばかりだというのに、自身のブログで何回も取り上げる不自然さを確認するため友里は、関西の食べ仲間と4人で初秋の夜に訪問したのであります。

8925円コース(これしかない)を食べての結論を先に言わせていただくと、単なる普通レベルのフレンチで東京ならどこに出しても恥ずかしくないそこらの「街場フレンチ」。
盛り付けに気を遣っていますが価格、食材の質、調理といずれも中途半端との結論に達したのであります。それでは中途半端なフレンチコースのスタートです。

まずは「海の幸のプロシェット」。

海の幸のプロシェット

鱧、サーモン(薫香付き)、ホタテ、アワビ(肝付き)、ヤリイカの串刺しでありまして、悪くはないけどもどうってことない料理。京都ではプロシェット(単なる串料理)と聞くだけで感心する客が多いということでありましょうか。

「フォアグラとパンタードのプレッセ、秋のサラダを添えて」はコンフィにしたフォアグラとリエットのようなパンタード(単なるホロホロ鳥)をプレス調理(テリーヌみたいなもの)したものですが、これまた難しいネーミングで目先(舌先)をごまかしているだけ。サラダというにはあまりにプアな量の秋野菜と共に、よく言えば薄味、はっきり言うとコクがない調理でありました。

フォアグラとパンタード

 

 

「冬瓜と毛蟹のスープ」は蟹の主張が強すぎて、蟹があまり好きでない友里にはバランス悪いとしか思えなかった。

「リードヴォーのポワレと茸のフリカッセ 秋トリュフの香り」はリードヴォー、トランペット茸、ジロール茸と相性のよい取り合わせ。これは普通に楽しめました。

リードヴォー

 

 

「平鯛(旬は12月~3月なのに訪問時はなんと9月)の黒オリーブ焼きと秋茄子のタプナード ドライトマトのジュ」(これまた料理名が長い)のタプナードの少量さ以外に記憶がまったくないということで、この皿がどのようなレベルかおわかりいただけると思います。

平鯛

 

そして最後は鴨、牛(イチボ)、仔牛、バスク豚の4種からチョイスできる肉料理。鴨は苦手で牛も結構、仔牛はフランス産ではないということなので、友里はバスク豚しか選びようがなかった。

バスク豚

ソースはビネガーとジュから造っていると思いますが、全体に「バスク豚の脂負け」ではないか。これだけ脂部分があるのですから、ソースはそれに負けないツメが必要であったと考えます。

1万円前後のシャンパン、白・赤スティルワインを頼んでの支払いが1人当たり2万円前後。
サービス料として10%とられましたが、メートルの接客には東京人としてちと違和感。
なんかタメ口みたいな応対だったのであります。馴れ馴れしいのとは違うのですが…。

最後に再度繰り返させていただくと、中途半端な価格、質、調理の普通レベルの街場フレンチ。

この店が京都で絶賛されるということは京都(関西)飲食業界のレベルの低さを如実に表していると言っても過言ではありません。

シカゴにエル・ブジ模倣の店が未だ存在していた、L2O

シカゴ出張で訪問した元3つ星のシーフードレストラン。店名は「Lake to Ocean」の略だそうです。

L2O

 

コース最初のアミューズは赤や緑色のメロンや胡瓜を丸くくり抜きその中を更にくり抜いてフォアグラやサーモンを詰めるという手の込んだ調理。

アミューズ

ちなみに中はフォアグラ(赤)、サーモン(緑)などでいずれもクリームでかなり伸ばしておりました。その後の皿もクリームが多いものがありましたから、シカゴ人はクリームがお好きなのかもしれません。

例えば品書きではムール貝のタルトになっていた料理。でも味的にはムール貝は感じずレモンパセリのクリームの味しかしなかった。

ムール貝

 

接待だったので追加で頼んだのが一番高いランクのキャビア(1オンスで 440ドル)。

キャビア

サワークリームと共に添えられたパンの山積みにはビックリ。これを食べたらお腹一杯になって後の料理が食べられない。でもこのキャビア、パンはほとんど食べませんでしたが、この日何を食べたか食材がわかる数少ない皿であったのです。

続くはまた1口もののクラム(外観や味ではその存在がわからない)で、下はしょっぱいゼリーがありました。そしてコースにあるキャビア料理は量が少なすぎて記憶に残っておりません。

クラム

 

そしてこの日、食べて食材がわかったもう一皿が牡蠣。スポイトでセロリジュースなるものをスタッフはかけておりました。

牡蠣

盛り付けは変わっていましたが牡蠣自体は美味しかった。キャビアの他にやっと食材の味がしたと連れと意見が一致したのであります。

続く皿も唖然。蟹せんべいを蟹ミソのようなクリームに付けて食べるものです。味濃かった~。

 

そしてフォアグラ料理だとわかる人がこの世に居るのかと超疑問だったのがストロベリーのゼリー玉に紛れて小トマトの中にフォアグラを詰めたもの。写真がないとわかりにくいですが、見た目はビー玉みたいなものが7ヶ皿の上に乗っているだけのものでした。

フォアグラ

 

最後の魚料理はアメリカ人がお好きなシーバスでありまして、タプナードのようなオイル味だとのメモが残っておりますが、料理的にはまったく印象に残るものではなかった。

シーバス

 

そしてシーフード料理店と聞いていたのに出てきてしまった牛肉料理。ソースがタマネギ味なのか、無茶苦茶甘くてワインが進みませんでした。

バスク豚

 

後はデザートが4皿。はっきり言ってこの多皿コースの中でまともだったのは追加のキャビア(でも調理していないし無茶苦茶高い)と百歩譲って牡蠣くらいか。
普段食べないのにデザート4皿が美味しく感じてしまった元3つ星シーフード料理店のディナー(テイスティングコース)でありました。

コース価格が198ドルにワインペアリングが145ドル。そして追加のキャビアが420ドルで一人当たりの支払いが600ドル半ばの出費額を考えると、CP云々を論じることも無駄と思える食後感。

暇で資金に無茶苦茶余裕があって味や食材に拘りを持たない人限定の自称シーフードレストランであります。