京都在住で「タダ飯」を得意とする店癒着ライター・関谷江里氏が絶賛する京都の自称フレンチ。
今年4月にオープンしたばかりだというのに、自身のブログで何回も取り上げる不自然さを確認するため友里は、関西の食べ仲間と4人で初秋の夜に訪問したのであります。
8925円コース(これしかない)を食べての結論を先に言わせていただくと、単なる普通レベルのフレンチで東京ならどこに出しても恥ずかしくないそこらの「街場フレンチ」。
盛り付けに気を遣っていますが価格、食材の質、調理といずれも中途半端との結論に達したのであります。それでは中途半端なフレンチコースのスタートです。
まずは「海の幸のプロシェット」。
鱧、サーモン(薫香付き)、ホタテ、アワビ(肝付き)、ヤリイカの串刺しでありまして、悪くはないけどもどうってことない料理。京都ではプロシェット(単なる串料理)と聞くだけで感心する客が多いということでありましょうか。
「フォアグラとパンタードのプレッセ、秋のサラダを添えて」はコンフィにしたフォアグラとリエットのようなパンタード(単なるホロホロ鳥)をプレス調理(テリーヌみたいなもの)したものですが、これまた難しいネーミングで目先(舌先)をごまかしているだけ。サラダというにはあまりにプアな量の秋野菜と共に、よく言えば薄味、はっきり言うとコクがない調理でありました。
「冬瓜と毛蟹のスープ」は蟹の主張が強すぎて、蟹があまり好きでない友里にはバランス悪いとしか思えなかった。
「リードヴォーのポワレと茸のフリカッセ 秋トリュフの香り」はリードヴォー、トランペット茸、ジロール茸と相性のよい取り合わせ。これは普通に楽しめました。
「平鯛(旬は12月~3月なのに訪問時はなんと9月)の黒オリーブ焼きと秋茄子のタプナード ドライトマトのジュ」(これまた料理名が長い)のタプナードの少量さ以外に記憶がまったくないということで、この皿がどのようなレベルかおわかりいただけると思います。
そして最後は鴨、牛(イチボ)、仔牛、バスク豚の4種からチョイスできる肉料理。鴨は苦手で牛も結構、仔牛はフランス産ではないということなので、友里はバスク豚しか選びようがなかった。
ソースはビネガーとジュから造っていると思いますが、全体に「バスク豚の脂負け」ではないか。これだけ脂部分があるのですから、ソースはそれに負けないツメが必要であったと考えます。
1万円前後のシャンパン、白・赤スティルワインを頼んでの支払いが1人当たり2万円前後。
サービス料として10%とられましたが、メートルの接客には東京人としてちと違和感。
なんかタメ口みたいな応対だったのであります。馴れ馴れしいのとは違うのですが…。
最後に再度繰り返させていただくと、中途半端な価格、質、調理の普通レベルの街場フレンチ。
この店が京都で絶賛されるということは京都(関西)飲食業界のレベルの低さを如実に表していると言っても過言ではありません。