XO醤が辛いのが難点だが料理は悪くない、香宮 香港

香港2日目の夜に同じく15人で訪問したカオルーン シャングリ・ラ内にある中国料理店。
夏宮がある香港島、アイランド シャングリ・ラとは違って、「なだ万」やビュッフェスタイルの食堂があるためホテルとしては高級感がないのでありますが、一昨年の訪問で食べた富貴鶏を再度試してみたかったので3泊のディナーの1つに再度加えたのであります。

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実はこの5月、ある祝い事のため、パレスホテル内の中国料理店でこの富貴鶏を食べたのですが、泥パックで蒸し上げたはずなのに鶏の身はパサパサ。しかも豚肉などの詰め物もないのでまったく美味しくなかったのであります。
果たして富貴鶏とはこれほど旨みのない料理だったのか、その答えを得るための訪問でもありました。
先週取り上げた「夏宮」と同じく、カード会社を経由してコース内容を事前相談。満を持して当日に臨んだのです。

すっかり忘れておりましたが、やはりこのホテルの客層はイマイチとあらためて確認。
ビュッフェへなだれ込む家族連れの客を見るとこれからの食事が思いやられましたが、かろうじてこの香宮周辺はそれなりの高級感を演出していて気分を取り戻すことができたのであります。

 

まずは突き出しなのでしょうか、杏と大根の漬け物。

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そしてコースの最初は豚のローストでありました。

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香宮では有名なものらしく、クリスピーながら淡いお味。そうです、この店も事前通達しなかったのですが、MSGの添加を感じなかったのであります。

続くは茹で海老。

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よくあるものですが、ホント味が淡いので卓上にあったXO醤らしきもので旨みを足そうと思って掛けたのですが、辛過ぎなだけで旨みを感じず、豆瓣辣醬かと思ってしまった。スタッフに質してこの店オリジナルのXO醤と確認したのですが、事前に土産としていくつも予約してしまっていたため、帰国後かなりの長い期間、この辛い醬を自宅で食べる羽目になってしまったのです。辛さではなく旨みを求める方は、この店のXO醬は買わない方がよいでしょう。

 

最近はコースでも見かけなくなったスープ(豚のタン)の後にでてきたのは、アワビとアスパラ、ホタテ、パプリカなどの黒トリュフペースト炒め。ペーストと聞いて嫌な予感がしたのですが、不自然で人工的な香りはそれほど感じなかった。

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そして本日のメイン、富貴鶏の登場です。

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見た目はパレスホテルと同じでしたが、粘土パックの中身は段違い。餅米の詰め物はなかったですが、ジューシーで旨みもバッチリ。大いに満足したのであります。

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その後は、野菜の炒め(アスパラが重なったのは残念)に揚げ焼きそばのようなものがでて変なプチフールでおしまい。

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前夜(夏宮)のような感激するデザート(楊枝甘露)は出なかったのが残念でしたが、その他はかなり満足して店を後にしたのであります。
この手の店は、大勢で事前相談してコースを食べるのが間違いない利用法だと考えます。

 

メニューに価格が表記されていない高額居酒屋、赤坂ひさ野

自身の主宰するレストラン紹介アプリ「テリヤキ」で、ホリエモンが絶賛していた高額居酒屋。
売れないガイド本「東京最高のレストラン」(ぴあ)の大木淳夫編集長も「130種以上の魅力的メニューが揃う!」と絶賛していたので、友里がコラムネタにはもってこいと飛びついたのはいうまでもありません。

最初の訪問は6月はじめでありました。
席について渡されたメニューを見てビックリ。確かに無茶苦茶料理数は多いのですが、それぞれの価格表記がないんですね。いや料理だけではなく、メニュー内のドリンク類にも価格がつけられていないではありませんか。

それなのに、ノドグロやキンキといった値の張る食材に関しては「時価」との表記。
他の料理、例えば水茄子の浅漬けまでも価格表記がないのですから、わざわざ「時価」なんて書かなくてもよいのではないか。
この「時価」という表記は、他の料理に価格が表記されているときに使うものだと友里は考えるのであります。

水茄子や大名竹の子は予想通り濃い味調理。
赤身の鮪の質は普通でしたが添えられた山葵は本山葵ではなかった。さすがトリュフオイルが大好きと公言して憚らないホリエモンだけに、添加物入りの混ぜ山葵にも寛容であったのです。
続く白アスパラは同じくトリュフオイルとバターが強すぎ。ホリエモン好みを再確認したのであります。

鯖の塩焼きはやはり味濃かったけど、この日食べた中では一番マシだったのではないか。
黄金比率のドレッシングがかかった野菜が添えられておりましたが、イチゴとオレンジの黄金比率らしく、味がしつこくて友里の嗜好に合いません。
居酒屋スタイルのポテサラの後は、牛スジのデミ煮。見た目はまっくろくろすけで味も濃かったけどなんとか食べられました。

同じくホリエモンが絶賛していた麻婆豆腐は、和風というか創作ものでして、チョイ辛いだけで子供舌でなければ物足りない。カレーも家庭料理に毛が生えたようなレベルでありました。
心配だった支払いは、あまり酒を飲まなかったからか一人1万円台半前後。この日の結論はネガティブなものだっただけに、再訪を決意して店をあとにしたのです。

その後の訪問は2回でしたか。
1回は二人とも酒を飲まなかったけど、馬肉(さいぼし)というバラ肉とハラミの炙りとキンキの煮付けを1尾ずつ頼んだからか、支払いは一人2万円前後と破格の額。3回目は隣席のおっさんたちが喫煙していたので評価の対象とはならなかった。

この3回の訪問でわかったこと、それは高額居酒屋と高額和食の違い。
質と調理のレベルがまったく違う(もちろん前者は劣る)のですが、それに加えて大きな違いは喫煙が可か否という店の決まり事。
喫煙者に門戸を開く料理屋は味濃く添加物を多少ぶち込んでも疑問に思われないのでありましょうか。

喫煙する客の接待には向いている店でありますが、外観や内装は単なるそこらの居酒屋ですから、客単価が2万円前後に見えません。
費用対効果が期待できない喫煙者用接待店であります。

あらかじめ要求しなくてもMSGは無添加だった、夏宮 香港

この9月の香港訪問の際、1軒目に選んだホテル内(アイランド シャングリラ)の1つ星広東料理店。かなりの大人数での食事会だったので、ホテル内レストランとして訪問済みの有名店を無難に選んだのであります。

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前回の訪問は幹事にお任せ。しかし今回は友里が幹事役を買って出ましたので、カード会社経由でコース内容などを知人に相談しながら詰めていったのです。
アメックスを経由して何回か料理構成についてやりとりを終え、自信をもって店を訪問したのですが・・・

席に座って落ち合ったその知人たちとの雑談の最中、肝心のことを打ち合わせしていなかったことに気付いたのであります。

イケね、化学調味料を使うなと言い忘れていた

料理内容と価格に関してのみに集中してしまい、MSGフリーを通達していなかったのです。
まあ知人以外は味に拘らない面々だったので、たまにはMSGも良いかもと、最初の豚とダックの焼き物を口に入れた瞬間、「あれれ、MSGを感じないぞ」と驚いたのであります。

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そうなんです、その後の料理にも言えたのですが、MSGを使っていない(感じない)調理なんですね。

香港に詳しい知人によりますと「最近のホテル内レストランでは、言わなくてもMSGを使ってこない」とか。かくして後味悪くない本場の広東料理を楽しむことが出来たのです。

最初の焼き物はまずまず。四川酸辣湯風のスープは、豆腐、玉子、ナマコ、椎茸、海老、貝柱など具も沢山で思ったより辛めだけど美味しかった。

 

店名を冠した「夏宮八寶鴨」は、中に餅米が詰まっていましたが淡いながらも貝柱の旨みもあってこれまた○。

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続くインゲンの炒め物は普通でありましたが、本日のメイン、スターガルーパの清蒸は「何と言っても香港に限る」と大いに満足。

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東京の高額広東料理店でもこの手の料理を食べたことがありますが、質と調理のレベルはかなり劣っているのではないか。これまた満足したのであります。

 

続くクリスピーチキンは頭付きでの提供でちょっとグロでしたが、甘しょっぱい味付けが変化をもたらし悪くはなかった。

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レタス包み(松の実と野菜のミンチ炒め)や蓮の葉包みの炒飯も美味しかったのですが、友里が思わず唸ったのがデザートの「楊枝甘露」。

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何かと言いますと、マンゴーピュレをベースにポメロとタピオカを入れてココナッツミルクなどでのばした甘味。
甘いマンゴーにポメロ(柑橘の1種)の酸味とタピオカのコリコリ食感がうまく調和したものでして、酒を減らたからか甘味も食べるようになった友里は、よくあるマンゴープリンよりはるかに美味しく感じたのであります。
これだけを食べるためにも再訪したいと満足して店を後にしたのはいうまでもありません。

15人のグループでしたが、一人当たりのコース単価は1000香港ドル以下と日本ではあり得ないお買い得価格(サービス料10%は不含)。

ワインを結構飲んでも一人当たり2万円台前半で終わりですから、香港訪問はやめられないとあらためて思って店を後にしたのであります。