メニューに価格が表記されていない高額居酒屋、赤坂ひさ野

自身の主宰するレストラン紹介アプリ「テリヤキ」で、ホリエモンが絶賛していた高額居酒屋。
売れないガイド本「東京最高のレストラン」(ぴあ)の大木淳夫編集長も「130種以上の魅力的メニューが揃う!」と絶賛していたので、友里がコラムネタにはもってこいと飛びついたのはいうまでもありません。

最初の訪問は6月はじめでありました。
席について渡されたメニューを見てビックリ。確かに無茶苦茶料理数は多いのですが、それぞれの価格表記がないんですね。いや料理だけではなく、メニュー内のドリンク類にも価格がつけられていないではありませんか。

それなのに、ノドグロやキンキといった値の張る食材に関しては「時価」との表記。
他の料理、例えば水茄子の浅漬けまでも価格表記がないのですから、わざわざ「時価」なんて書かなくてもよいのではないか。
この「時価」という表記は、他の料理に価格が表記されているときに使うものだと友里は考えるのであります。

水茄子や大名竹の子は予想通り濃い味調理。
赤身の鮪の質は普通でしたが添えられた山葵は本山葵ではなかった。さすがトリュフオイルが大好きと公言して憚らないホリエモンだけに、添加物入りの混ぜ山葵にも寛容であったのです。
続く白アスパラは同じくトリュフオイルとバターが強すぎ。ホリエモン好みを再確認したのであります。

鯖の塩焼きはやはり味濃かったけど、この日食べた中では一番マシだったのではないか。
黄金比率のドレッシングがかかった野菜が添えられておりましたが、イチゴとオレンジの黄金比率らしく、味がしつこくて友里の嗜好に合いません。
居酒屋スタイルのポテサラの後は、牛スジのデミ煮。見た目はまっくろくろすけで味も濃かったけどなんとか食べられました。

同じくホリエモンが絶賛していた麻婆豆腐は、和風というか創作ものでして、チョイ辛いだけで子供舌でなければ物足りない。カレーも家庭料理に毛が生えたようなレベルでありました。
心配だった支払いは、あまり酒を飲まなかったからか一人1万円台半前後。この日の結論はネガティブなものだっただけに、再訪を決意して店をあとにしたのです。

その後の訪問は2回でしたか。
1回は二人とも酒を飲まなかったけど、馬肉(さいぼし)というバラ肉とハラミの炙りとキンキの煮付けを1尾ずつ頼んだからか、支払いは一人2万円前後と破格の額。3回目は隣席のおっさんたちが喫煙していたので評価の対象とはならなかった。

この3回の訪問でわかったこと、それは高額居酒屋と高額和食の違い。
質と調理のレベルがまったく違う(もちろん前者は劣る)のですが、それに加えて大きな違いは喫煙が可か否という店の決まり事。
喫煙者に門戸を開く料理屋は味濃く添加物を多少ぶち込んでも疑問に思われないのでありましょうか。

喫煙する客の接待には向いている店でありますが、外観や内装は単なるそこらの居酒屋ですから、客単価が2万円前後に見えません。
費用対効果が期待できない喫煙者用接待店であります。