豚を肉と認めない大阪の旨いトンカツ、マンジェ

最近は食べる機会が少ないですが、小さい頃は好きだった「肉まん」。
私は全国共通の料理名だと思っていたのですが、大阪では「豚まん」といわないと通用しないと知ったのは最近でありました。その理由に唖然。
関西では肉と言えば牛で豚は肉と考えないとか。極端な表現でありますが、それほど豚肉の肩身が狭いということでしょうか。

オススメ本に掲載できるトンカツ店をと東京の有名店を回ってもこれと言った店に当たらないと悩んでいた友里に、関西の食べ仲間が推薦してくれたのがこの店です。
ランチ開始の11:30迄付近の専用駐車場で待機して、オープンと共に飛び込んだのであります。

鰻の寝床にように間口が狭いカウンターだけの店。キャパが小さいこともありますが、オープン10分経たず(11:40前ですよ)満席になる人気に私は驚いたのです。
初めてなのでめぼしいものをすべて食べようと3人で頼んだ揚げ物は、牡蠣フライに特上ヘレ(関西ではヒレとは言わない)、特ロースにフォアグラとんかつでありました。

フォアグラとんかつとはなんぞや。この店は定番のとんかつやシーフードの揚げ物以外に「変わりとんかつ」なるものがいくつも用意されているのです。ゴルゴンゾーラや味噌、ニンニクなどのアイテムが並んでいましたから、衣の中に入れ込むと推測。検証精神を抑えきれず一番まともそうなフォアグラを選択したのであります。

牡蠣フライはウリの宮城産が品切れでしたが広島産もなかなか美味しい。もう1つウリの特上ヘレ(1650円)も嫌いな低温揚げではなく衣が色濃くカリッと揚げられております。肝心の肉も旨みがあって美味しい。豚を肉と呼ばない地区で東京の有名店より美味しいトンカツに出会うとは想定外でありました。もちろん上ロースも悪くはありませんでした。

そしてフォアグラとんかつ。ナイフを入れると中のフォアグラが溶け出してソースを掛けたようになります。恐る恐る口にしたのですが、濃厚味ながら面白いというか結構美味しく感じてしまったのです。
敢えて注意点を申し上げると、普通のトンカツの前にこの味濃い変わりとんかつを頼んではいけないかなと。

バカ高い請求をする東京トンカツに今後行く気がなくなるCP良いトンカツ店、オススメです。

この博多鮨もCP抜群で満足、近松

博多の鮨屋は酒類での儲けを放棄しているのか。先々週取り上げた「鮨 安吉」もシャンパンと白ワイン(いずれもハーフ)を飲んで2人で4万円でしたが、この店は更に驚きの支払い額であったのです。

読者のオススメで予約を入れたのは1ヶ月以上前。食べログでは博多市内寿司屋でランキング1位の高評価店だったからであります。その予約電話で、お任せコースが1万3000円と知りました。
カウンター9席、主人と女将の小さな店。高いけど食後感が良くなかった「河庄」出身ということで期待していなかったのですが、良い意味で期待を裏切ってくれたのです。

まずはツブ貝からスタート。昨年体調を崩してから日本酒を大量に飲めなくなった友里。大好きなビールの後は普段の主張を引っ込めて、シャンパンをオーダー、出てきたハーフボトルはロデレールでありました。
烏賊の産地で有名な呼子の鯛に続き、蒸し鮑、厚岸の蝦夷馬糞ウニとまずまずのツマミ。そしてこのわたの茶碗蒸しを食して、この店のレベルの高さを知ったのです。出汁も悪くない。
タコの桜煮や鯛白子とタケノコの煮付けも満足。メヒカリの一夜干しの後握りへ移りました。

シャンパンを飲み終え白ワイン(ハーフ)の在庫を聞いて出てきたのがオリビエ・ルフレーヴのモンラッシェ系村名ワイン。鮨屋だから高いかなと躊躇していたら、「4000円ですよ」との主人の一言に驚いたのです。小売りとたいして変わらないではありませんか。直ぐさま頼んだのは言うまでもありません。

生姜は若干好みと違いましたが、握りは昆布〆(鯛)やコハダ、カスゴ、穴子など江戸前仕事もまずまずでタネ質も悪くありません。
トラフグやその白子の握りは博多らしい一品。握りに適しているかは別にして話のタネになりました。鮪系はちょっと物足りない気がしましたが、追加の干瓢巻きを含めて神戸の過大評価寿司店との大きな違いを知ったのです。珍味の吸い物も美味しかった。

シャンパンを考えると2名で4万円台後半を覚悟したのですが、請求額はなんと3万6000円ほど。ロデレール(ハーフ)も4000円程度であることが逆算でわかったのです。東京でデカイ顔している若手鮨屋に勝るとも劣らないツマミと握りで支払い額は4割引。

「博多鮨恐るべし」と感じた博多出張でありました。

予約が簡単でCPも悪くない、ダルテミス

グランメゾンをはじめ高額店が軒並み苦戦のフレンチ業界。東北・関東大震災と原発事故のダブルショックで瀕死の状態であります。
業界は高級店とは一線を画すビストロ形態に活路を見いだそうとしていますが、この逆境を跳ね返すことができるでしょうか。最近オープンする店(フレンチ系)や人気店はどれもビストロと自称する店ばかり。一時期流行った低温ローストを多用する多皿コース1本(客単価1万円台後半)の店の存在感がなくなっております。

ただしこの自称ビストロ、多くはコース主体にしている店ばかりであります。
前菜、メインとアラカルトを用意しているのですが、単品注文だと割高感がでるよう5?6000円で設定したお任せコースを全面に押しだし、お得感を持たせているのです。
かくしてほとんどの客がコースに誘導されてしまうのですが、好きな料理を好きなだけ注文して腹一杯食べきるのがビストロの醍醐味だと考える友里はこの傾向に納得出来ませんでした。

文具や雑貨などを展開している会社が副業で経営しているこのダルテミスを初めて訪問したのは今年でありました。
テーブルは狭くクロスもビニール。コートは預からずホール内の共用コート掛けと、まさにビストロの雰囲気。オープンキッチンのスタッフは変なベレー帽を着用していてバイト的に見えるのが残念でしたが、料理はどれも価格なりに満足する物でありました。

シャキュルトリー(1680円)はロースハム、生ハム、サラミと量がありまずまず。ビストロの実力がわかるリエット(630円)も悪くはなかった。
牡蠣のポワレ(1680円)も6ヶと量も味も充分。鱈の白子のムニエル(1890円)に添えられた牛蒡のムースも印象的でした。
リヨン風サラダ(1890円)やカスレ(2100円)は飽きがくるものでしたが、フォアグラと牛頬肉のパイ包み(2940円)や短角牛(3570円)のボリュームも半端ではなかった。

ワインもノンヴィンシャンパンが6300円からと値付けは安い。1万円チョイでボルドースーパー2級が飲めたのには驚きました。
パンは210円と別料金ですがサービス料はなし。ルカンケのように手の込んだビストロ料理ではありませんが、支払額を考えると悪くはないビストロです。