予約が簡単でCPも悪くない、ダルテミス

グランメゾンをはじめ高額店が軒並み苦戦のフレンチ業界。東北・関東大震災と原発事故のダブルショックで瀕死の状態であります。
業界は高級店とは一線を画すビストロ形態に活路を見いだそうとしていますが、この逆境を跳ね返すことができるでしょうか。最近オープンする店(フレンチ系)や人気店はどれもビストロと自称する店ばかり。一時期流行った低温ローストを多用する多皿コース1本(客単価1万円台後半)の店の存在感がなくなっております。

ただしこの自称ビストロ、多くはコース主体にしている店ばかりであります。
前菜、メインとアラカルトを用意しているのですが、単品注文だと割高感がでるよう5?6000円で設定したお任せコースを全面に押しだし、お得感を持たせているのです。
かくしてほとんどの客がコースに誘導されてしまうのですが、好きな料理を好きなだけ注文して腹一杯食べきるのがビストロの醍醐味だと考える友里はこの傾向に納得出来ませんでした。

文具や雑貨などを展開している会社が副業で経営しているこのダルテミスを初めて訪問したのは今年でありました。
テーブルは狭くクロスもビニール。コートは預からずホール内の共用コート掛けと、まさにビストロの雰囲気。オープンキッチンのスタッフは変なベレー帽を着用していてバイト的に見えるのが残念でしたが、料理はどれも価格なりに満足する物でありました。

シャキュルトリー(1680円)はロースハム、生ハム、サラミと量がありまずまず。ビストロの実力がわかるリエット(630円)も悪くはなかった。
牡蠣のポワレ(1680円)も6ヶと量も味も充分。鱈の白子のムニエル(1890円)に添えられた牛蒡のムースも印象的でした。
リヨン風サラダ(1890円)やカスレ(2100円)は飽きがくるものでしたが、フォアグラと牛頬肉のパイ包み(2940円)や短角牛(3570円)のボリュームも半端ではなかった。

ワインもノンヴィンシャンパンが6300円からと値付けは安い。1万円チョイでボルドースーパー2級が飲めたのには驚きました。
パンは210円と別料金ですがサービス料はなし。ルカンケのように手の込んだビストロ料理ではありませんが、支払額を考えると悪くはないビストロです。