この博多鮨もCP抜群で満足、近松

博多の鮨屋は酒類での儲けを放棄しているのか。先々週取り上げた「鮨 安吉」もシャンパンと白ワイン(いずれもハーフ)を飲んで2人で4万円でしたが、この店は更に驚きの支払い額であったのです。

読者のオススメで予約を入れたのは1ヶ月以上前。食べログでは博多市内寿司屋でランキング1位の高評価店だったからであります。その予約電話で、お任せコースが1万3000円と知りました。
カウンター9席、主人と女将の小さな店。高いけど食後感が良くなかった「河庄」出身ということで期待していなかったのですが、良い意味で期待を裏切ってくれたのです。

まずはツブ貝からスタート。昨年体調を崩してから日本酒を大量に飲めなくなった友里。大好きなビールの後は普段の主張を引っ込めて、シャンパンをオーダー、出てきたハーフボトルはロデレールでありました。
烏賊の産地で有名な呼子の鯛に続き、蒸し鮑、厚岸の蝦夷馬糞ウニとまずまずのツマミ。そしてこのわたの茶碗蒸しを食して、この店のレベルの高さを知ったのです。出汁も悪くない。
タコの桜煮や鯛白子とタケノコの煮付けも満足。メヒカリの一夜干しの後握りへ移りました。

シャンパンを飲み終え白ワイン(ハーフ)の在庫を聞いて出てきたのがオリビエ・ルフレーヴのモンラッシェ系村名ワイン。鮨屋だから高いかなと躊躇していたら、「4000円ですよ」との主人の一言に驚いたのです。小売りとたいして変わらないではありませんか。直ぐさま頼んだのは言うまでもありません。

生姜は若干好みと違いましたが、握りは昆布〆(鯛)やコハダ、カスゴ、穴子など江戸前仕事もまずまずでタネ質も悪くありません。
トラフグやその白子の握りは博多らしい一品。握りに適しているかは別にして話のタネになりました。鮪系はちょっと物足りない気がしましたが、追加の干瓢巻きを含めて神戸の過大評価寿司店との大きな違いを知ったのです。珍味の吸い物も美味しかった。

シャンパンを考えると2名で4万円台後半を覚悟したのですが、請求額はなんと3万6000円ほど。ロデレール(ハーフ)も4000円程度であることが逆算でわかったのです。東京でデカイ顔している若手鮨屋に勝るとも劣らないツマミと握りで支払い額は4割引。

「博多鮨恐るべし」と感じた博多出張でありました。