最近フレンチへ行くことが少なくなりました。相変わらず典型的なビストロ料理を好む嗜好は変わらないのですが、歳なのか続けて行きたいとは思わなくなったのです。行ってみたくなるような魅力的な新規オープンのフレンチが少なくなっているのもその理由かもしれません。
さて、最近初訪問したお店の短評シリーズです。
東京バルバリ
「やまけん」さんとズブズブの仲なのか、彼が絶賛するお店です。西崎ファームのバルバリ鴨を出すという前知識くらいしかなく訪問したのですが、典型的な「居酒屋」の店構えで驚きました。流通業者と自称し食べ歩いて店紹介している人が読者におススメできるほどの店とは外観ではとても思えません。
前菜は650円から1000円程度、メインはアグー豚、子羊、短角牛などが3000円前後の値付けで、店構えとはミスマッチの高額居酒屋ではないでしょうか。
しかし、店名までになっているバルバリー鴨は焼鳥でしか食べられません。やまけんさんのブログに載っているような料理はほとんど用意されてない。いわゆる「特別料理」を食べて写真とって店宣伝しているんですね。インディアンカレーといい、彼はあまりに特定の店に接近し過ぎであります。
今朝
新橋のすき焼き屋です。かなり昔の話ですが、F1レーサーだった中嶋氏が現役の時、帰国したら自宅に帰る前に必ず寄って食べる店だと聞いて、当時何回か行ったことがあったのですが、本当に久々の訪問でした。当日でも簡単に予約が入ります。グラスワインのクーポンもって11000円ほどのコースを食べたのですが、うーん、こんなものだったのか。すき焼きは家でも簡単にできますが、プロとの差がかなりでる調理だと思っていたのですが、肉の脂が多かったからかもしれませんが私的にはななりしつこく食べきるのに苦労しました。歳とともに、すき焼きよりしゃぶしゃぶ志向になるようです。
山路
西麻布の鮨屋。伝説の職人、藤本繁造氏の2番弟子だったというのがこの店のウリであるようです。
タネ質は最近の若手高額鮨店よりかなり下であります。予算が1万数千円なので仕方ない面もありますが、自分的にはどこが伝説の職人の流れを汲んでいるのかわかりませんでした。
驚いたことに海老を常備していないんですね、この店。天然が入手できる7月頃から数か月しか置かないそうです。しかし、このクルマエビ、天然と養殖の差がほとんどないと言われているタネのはずで、仕入れに拘っている高額店でもみな1年中常備しているはずです。天然エビに拘るくらいなら他のタネの質を上げてもらいたかった。
でも主人と女将は威圧感なく、ゆっくり食べられました。
藤本氏1番弟子に続いて2番弟子にも確認しましたが、あの「あら輝」の人気の大きなバックボーンになっている新津氏、荒木さんの週末師匠だったそうですが、やはり藤本さんが包丁を置いてから入店してきたそうです。本当に藤本さんの弟子と言えるのは1番弟子の鈴木さんだけだとか。5年以上藤本氏のところで頑張った人は鈴木さんだけだと聞きました。
最近訪問した店 短評編 4
最近の週刊現代にビックリ
去年から時々コメントや評価を求められるなどお世話になってます「週刊現代」。昨年編集スタイルが一新したようで、記事がますます過激になってきました。この友里でさえ、こんな事書いていいのだろうかと思うくらいであります。今週発売のものでは、大相撲八百長ネタとTV局不正問題ネタが目を引きましたが、後追いする週刊誌はないでしょうし、TV局も遠慮してほとんど取り上げておりません。今日はちょっと、これらの件を友里征耶的な切り口で書いてみます。
大相撲八百長ネタ
以前は「週刊ポスト」の十八番だった追求テーマであります。かなりしつこくやっていましたが、いつの間にかコブシをおろしてしまった。
しかし、この大相撲、全国民の中で、本当に「八百長なんてあるはずない」と思っている人、いるんでしょうか。そんな純粋な人っているんでしょうか。TV局は一度、街頭アンケートとってみればいいのです。
これは高野連が「特待生がこんなにいるなんて知らなかった」と演じたのと同じレベルの問題だと私は考えます。
現在相撲協会と講談社は多額の法的係争状態になっているそうですが、相撲協会としては仮に事実であっても認めるわけにはいきませんから、訴訟するのは致し方ないことでしょう。講談社と「相撲」でケリをつけるわけにもいかないし、不慣れなペンをもって論争するのには能力不足。文字通り「土俵が違う」関係なので、司法に決着を願い出たのでしょう。
「名誉毀損」、事実を書いたとしても名誉を毀損されたと思ったら、誰でも訴える事ができるのですが、同じ「土俵」にいるライター同士でやるものなんでしょうか。
実は友里、近いうちに副業ライターである大学教授の古川修氏から提訴状が届くと弁護士から言われております。ライターとしての取り組み方、ポリシー、姿勢を批判しただけで、食通なら誰でも古川さんに対して思うことを書いただけなのですが、この「事実」が琴線に触れたようです。同じライターなら、皆様の税金(裁判所にお世話になるという事で)に頼らないで、ペンで対抗し決着をはかる度量を古川さんには見せて欲しかった。
この古川修氏との訴訟問題に関しては、随時、シリーズ化して経緯などを開示していきたいと考えております。
TV局不正問題ネタ
告発者は不正している人を伏字で出しているのに、講談社は実名で書いちゃうんですから過激です。名指しされた役員は按配悪いでしょうね。下請けへの不正発注にキックバック、そして社内接待、これまた、TV局で「こんな不正は一切ない」と思っている「純粋な視聴者」が存在するのか。日本人はホント、本音を言わない人種であります。
私はこんな大きな不正ではありませんが、ちっちゃな不正を目撃した事があります。現在は予約が取れないステーキ屋「かわむら」になっていますが、カウンターフレンチのはしりだった「トゥ ソル」。友里が遅めの夕食をとりに入ったと思ってください。入り口近くの浮いたカップル、時間的には同伴ではないのはすぐわかりますが、同じように不自然。女性は品良い方ではなく、男性は普通のサラリーマンには見えないオッサンでした。食べ終わったのでしょう、女性がトイレにたった隙に素早くお勘定してしっかり「TV局名」宛の領収書をもらっておりました。そして小さな声でシェフに聞いた質問に笑ってしまったのです。
はっきり全文は聞き取れませんでしたが、「この辺にホテルある?」といった内容です。会社経費で夜のお相手をしてくれる女性を釣った現場を偶然目撃したのですが、こういうのこの業界では日常茶飯事なんでしょうか。
こんなことを書いてしまって、ますますTV出演への道は遠のいたというものです。
「世良田」は一見客お断りだった!
ここ数日の間にいただいたメールの中で、 「世良田」に行こうと電話を入れたら、「一見客お断り」で予約を受けてもらえなかった、という内容のものが数件ありました。
友里は原則、会員制や一見お断りの店をとりあげないようにしております。一般読者のスタンスだと豪語している人間が、一般客が行けない店へ行っての「行った自慢」をするのは意味がないからです。ただ、集客を狙って、あたかも会員制、一見お断りを装っている店、たとえば「喰いきり 江ぐち」のような「会員制偽装」の店は取り上げてきました。ところがこの「世良田」は本当に一見お断りだったようです。
麻布十番でオス牛の高額ステーキを出している「大田原牛超」の帰り、同伴者に「隣だから」と連れて行ってもらった「世良田」。勿論店内は満席で、脂ギトギトのステーキで胃がやられていましたから食べませんでした。そんな気安さがあったからか、昨年出した共著「グルメバトル」の取材のための予約電話、店はその口調で常連と思ったのでしょう。「初めてですか」といった質問はありませんでした。
電話口にでる人によって、「一見お断り」の言い方に違いがあるそうです。「申し訳ありませんが常連の方とお越しください」と言われた方、「うちは初めての方は断っています、常連の方しかいれていないんです」と言い放たれた方。後者ではかなりカチンとくるはずです。
私のブログをみて訪問を決意、結果不愉快な思いをされた方もいらっしゃると思います。ここにお詫び申し上げる次第です。
しかし、こう言ってしまってはまた怒られるかもしれませんが、所詮「焼鳥屋」。そこまでの入場制限をする必要があるのでしょうか。
オープン当初から「一見お断り」のはずがありません。最初は常連客など存在しないからです。恐らく、評判が評判を呼び、予約が殺到しだして今まで支えてきた常連客が入りにくくなった結果の処置であると考えます。「バードランド」や「伊勢廣本店」、「ぎたろう軍鶏 たかはし」と違って、本当に美味しい焼鳥を提供している店だと思うのですが、それを多くの人に知らせることができず誠に残念。
この店が一見客を拒否し続ける限り、人気だけで全然旨くない「バードランド」や「たかはし」の実態が世間に広がりません。今後もレベルの低い焼鳥で一般客を惑わし、儲け続けてしまいます。これらの店は、「世良田」に足を向けて寝られないでしょう。
一日の予約数で常連枠と一見枠を作ったらどうか。週に一日か二日、一見デーを作ってはどうか。色々と対策はあると考えます。
昨年私は結構焼鳥を食べ続けた期間がありましたが、この手の料理、そうは食べ続けられるものではありません。結構胸が焼け、胃がもたれる料理であります。
今は常連の予約で本当に満員かもしれません。しかし、それがいつまで続くものなのか。将来どうなるかはわかりません。鳥インフルエンザなど予想外のアクシデントで鶏肉の価格が慢性的に高騰してしまう可能性もあります。そうなれば、今の価格で満足している常連では対応できないかもしれません。
常連重視は必要でしょうが、新規客の開拓は飲食店に限らず、すべての営業にリスク回避策としても必要であると考えます。