閑古鳥一色で店内は寂しいかぎり、ヴィナーヤ 西麻布

あれは3年前だったか、雑誌のスープカレー特集を見てナニ気に訪問して以来カレー行脚を続けている友里。行列が出来るカレー屋があると聞けば関西まで出張ってしまうほど嵌まってしまいました。 よりスパイス感を求めるようになり、昨年からは自宅で各種スパイス買い集めて自家製カレーを造るまでになりましたが、本場のインド料理店には敵わないと最近は主にインド料理店に絞ってカレーを食べ続けております。

さてこの西麻布にあるインド料理店「ヴィナーヤ」、以前はレトルトカレーなどを販売する会社が経営する「サムラート」という店名でありました。 この近辺にたまに出没していた友里、以前から気になっていたのですが客が来ないからかインド人シェフが店前で毎日客待ちの仁王立ちの光景を見て入店を躊躇していたのであります。 閑古鳥の来襲に絶えられなかったのか、いつの間にか経営が変わっておりましたが、外から見る限り相変わらず客なしの苦戦状態。このままではこの店も姿を消すかもしれないとの危機感から思い切って身内を連れて飛び込んだのが今年はじめでありました。

住宅街が近いというのに日曜夜ながら客はわずか1名。寂しい限りでありましたが、我々はアラカルトでカレーだけではなく前菜やタンドリー、そしてワインまでボトルで頼んで売り上げに貢献したのであります。

タンドリーチキン(450円)はかなりデカイ。ヨーグルトが強いですがスパイスも効いていてまずまず。 スペシャルサラダ(750円)は野菜以外にタンドリーチキンまで盛ってあって味濃いけどボリュームあってこの価格なら文句なし。

チキンパコラ(690円)はひよこ豆の粉を衣にして揚げた天麩羅みたいなもの。チキンが重なってオーダー的にはミスりましたが悪くはなかった。 頼んだカレーは3種。マトンマサラ(1800円)は中辛ながらそれなりのスパイス感。 その他はバターチキン(1600円)、チキンカレー(1300円)に加えてナンやイエローライス、ビールにボトルワインを頼んでの支払いが一人当たり4千円と、お腹一杯でCP感は悪くはなかったのであります。

しばらく忘れていたのですが、訪問した高額和食店の主人と女将がこの店を高評価していたので再検証のため訪問したのは4月でありました。

サモサ(2ヶ500円)はちと高いけど中身のジャガ芋がスパイシー。 シークカバーブ(4本で880円)はスパイス感が物足りなかったけど、今回はスパイス強めと言って出てきたチキンマサラ(1290円)はカルダモンとジンジャーがくっきり。 カストゥーリマトン(1300円)はメーティーの葉(フェヌグリークのことだった)のスパイス感が面白かった。 今回はちょっと飲み過ぎて客単価が1000円ほど上がってしまいましたが、友里は「インド料理は空いていて安くて当たり外れなく満足する店が多い」との結論に達したのであります。

 

3つ星なのに食後感がブレ過ぎる、ジョエル・ロブション

友里はなんだかんだと文句はつけているけどデュカスと違って美味しいスペシャリテがあるロブションフレンチ。
料理の選択を間違えなければ大きくハズれることはないのですが、いつの間にかアラカルト対応をやめてしまっておりました。コースオンリーの弊害でしょうか、わずか2ヶ月でここまで食後感が異なるディナーとなるとは思いませんでした。
客単価はワインをいれると5万円は超える高額店なだけに2回の訪問は接待での検証であります。

まずは今年2月の訪問。狙いはこの時期旬の黒トリュフ料理だったのですが、以前にはあった「黒トリュフづくしコース」が消滅。4万円前後の設定と高い値付けであったので頼む客が少なかったのか。仕方なく選んだのが2万2500円のプリフィクスコースでありました。

インカの目覚めのカルパッチョ、原価の安さをトリュフ添えで補った一品でありましてかなり美味しかった。甲殻類のスープはアニスと生姜の風味が面白い。

インカの目覚めのカルパッチョ 黒トリュフ乗せ

甘鯛はスープ仕立て(チキンブイヨンベース)でこれまた味濃いめ(フレンチの場合は濃くても大丈夫)でしたが美味。

甘鯛のスープ仕立て

メインのイベリコ豚も添えられたポレンタ含め満足してしまったのであります。

イベリコ豚

正体がバレていたのかグラスの白ワインは90年代と古めのもの(3500円)を開けてもらい赤も古酒のボトルを頼んでの支払いが一人6万円突破となりましたが満足して店を後にしたのです。

でも4月になって再度満足したいと訪問した友里が甘かった。
今回はグレードを上げて3万2000円のお任せで、しかしメインは調理法や食材を変えて貰ってのオーダーでしたが、以前の食後感とはほど遠かったのであります。

まずグラスシャンパンがプア。ロゼ以外はクリコのイエローラベルたけですから驚きです。もうちょっとまともなノンヴィンを用意できないのか。

まずは定番のウニとカリフラワーのムース。甲殻類のジュレの濃い味は健在でこれは悪くはなかった。

定番のウニ&カリフラワーのムース

地鶏卵とスモークサーモンに乗っていた中国産キャビア。天然ものは難しいにしても、せめてフランス産辺りの養殖ものを用意できなかったのか。中国と聞くだけで有り難みが消滅してしまいます。

地鶏玉子&サーモン 中国キャビア乗せ

オマールはモリーユ茸とグリーンアスパラ添え。ソースも味濃く悪くはなかったけどメインの肉で失望です。

オマール モリーユ茸添え

低温調理にNG出して用意して貰ったのがプランチャ調理の子羊。折角やってもらって文句を言いたくないけど「蒸し肉」みたいな食感でイマイチ。食材を変えて貰った豚も前回ほどの満足を得られなかった。

子羊

自分の好みの食材や調理に嵌まらないと満足感が減少するのか、訪問日によって調理レベルにブレを感じる3つ星ロブション。

超高額店であるだけに、客の事を思うならアラカルトを復活させるべきと友里は考えます。

ホテル閉鎖にめげず無事移転決定か、真魚

久兵衛から独立して10年近く経った「鮨かねさか」。その間に支店を増やし続け、今やシンガポールはラッフルズホテルにまで進出してしまった膨張著しいチェーン店でありますが、この「真生」もその「かねさかグループ」の1店だということはあまり知られておりません。
オープン当初は、海老蔵プロデュースをウリにしていましたが、例の事件で表に出しにくくなりました。

鮨は食べたいと思った時にすぐ行きたいもの。何週間、いや1ヶ月以上も前から予約して行くものではありません。
同じグループ内の「鮨さいとう」は1ヶ月以内では予約が入らないだけに、昼なら飛び込みで入店できるこの「真魚」は有り難い。よって友里はたまに利用させてもらっているのであります。

食後感は「さいとう」と変わらないので(ツマミを含めたトータル感では真魚の方が上と判断)、友里にとってリピート回数が最高の鮨屋。
「絶品レストラン」(鉄人社)でオススメ掲載した「宮葉」や「大河原」よりも実は訪問回数が多いのであります。

そんな友里にとって使い勝手が良い(接待でもプライベートでも)「真魚」に衝撃のニュースが走ったのは去年の5月だったでしょうか。
大家である東京テアトルがテアトルビルを売却決定。「ホテル西洋銀座」を2013年5月末に閉館すると発表してしまったのであります。
ホテルがなくなるのですからテナントも閉めざるを得ない。余命が1年切った段階でのこの退去通告は飲食店にとってかなり厳しいものでありました。
移転先がなかなか決まらなかったようですが、直近の訪問でこのホテル近辺に無事移転できそうだと聞きまして友里は安心したのであります。

前置きが長くなりましたがその4月の夜のお任せについて述べてみたいと思います。
この店の特徴は、前述の「入店しやすさ」と「タネの豊富さ」でありましょう。
「鮨さいとう」に勝るとも劣らない(と言っても、「さいとう」が最高峰のツマミと握りを供しているというわけではありません)ツマミと握りを「さいとう」より多種にわたって用意しているのです。

今回の訪問ででたツマミは13種ほどでありましたか。
絹もずく、水茄子(最近はハウスものなので季節感なし)などのほか、鯛、トリ貝、馬糞ウニ、鰹など海鮮系からシャコ、タコの柔らか煮、蒸しアワビといった江戸前系。そしてノドグロ塩焼きやアン肝など小料理系と盛りだくさん。

握りは酢飯にさほどの特徴はないけれど、鮪(赤身、中トロ、トロ)からコハダ、サヨリ、鰺といった光りもの、そして煮ハマ(季節によってはない)や穴子、干瓢巻と仕事ものまでまんべんなく揃っております。

お任せなら2万円台となる支払いも銀座鮨としてはそれほど高くありません。
移転してこの食後感が落ちないならば、今後もリピートし続けたい使い勝手の良い鮨屋と考えます。