友里はなんだかんだと文句はつけているけどデュカスと違って美味しいスペシャリテがあるロブションフレンチ。
料理の選択を間違えなければ大きくハズれることはないのですが、いつの間にかアラカルト対応をやめてしまっておりました。コースオンリーの弊害でしょうか、わずか2ヶ月でここまで食後感が異なるディナーとなるとは思いませんでした。
客単価はワインをいれると5万円は超える高額店なだけに2回の訪問は接待での検証であります。
まずは今年2月の訪問。狙いはこの時期旬の黒トリュフ料理だったのですが、以前にはあった「黒トリュフづくしコース」が消滅。4万円前後の設定と高い値付けであったので頼む客が少なかったのか。仕方なく選んだのが2万2500円のプリフィクスコースでありました。
インカの目覚めのカルパッチョ、原価の安さをトリュフ添えで補った一品でありましてかなり美味しかった。甲殻類のスープはアニスと生姜の風味が面白い。
甘鯛はスープ仕立て(チキンブイヨンベース)でこれまた味濃いめ(フレンチの場合は濃くても大丈夫)でしたが美味。
メインのイベリコ豚も添えられたポレンタ含め満足してしまったのであります。
正体がバレていたのかグラスの白ワインは90年代と古めのもの(3500円)を開けてもらい赤も古酒のボトルを頼んでの支払いが一人6万円突破となりましたが満足して店を後にしたのです。
でも4月になって再度満足したいと訪問した友里が甘かった。
今回はグレードを上げて3万2000円のお任せで、しかしメインは調理法や食材を変えて貰ってのオーダーでしたが、以前の食後感とはほど遠かったのであります。
まずグラスシャンパンがプア。ロゼ以外はクリコのイエローラベルたけですから驚きです。もうちょっとまともなノンヴィンを用意できないのか。
まずは定番のウニとカリフラワーのムース。甲殻類のジュレの濃い味は健在でこれは悪くはなかった。
地鶏卵とスモークサーモンに乗っていた中国産キャビア。天然ものは難しいにしても、せめてフランス産辺りの養殖ものを用意できなかったのか。中国と聞くだけで有り難みが消滅してしまいます。
オマールはモリーユ茸とグリーンアスパラ添え。ソースも味濃く悪くはなかったけどメインの肉で失望です。
低温調理にNG出して用意して貰ったのがプランチャ調理の子羊。折角やってもらって文句を言いたくないけど「蒸し肉」みたいな食感でイマイチ。食材を変えて貰った豚も前回ほどの満足を得られなかった。
自分の好みの食材や調理に嵌まらないと満足感が減少するのか、訪問日によって調理レベルにブレを感じる3つ星ロブション。
超高額店であるだけに、客の事を思うならアラカルトを復活させるべきと友里は考えます。