最近訪問した店 短評編 2

ミーハーな私は封切り日に「スパイダーマン 3」を見てしまいました。荒唐無稽な怪物が次々でてきて(元々スパイダーマンはそんな物語ですが)引けてしまうところもあり、主人公の苦悩も前評判ほど描かれておらず(期待するのが間違いか)、ま、こんなものかで終わってしまいました。唯一の収穫は、六本木ヒルズをちょっと歩き回れたことくらいでしょうか。かなり客が減っているようです。夕方でしたがショップや飲食店も外から見た限りかなり空いています。そしてこれは失敗ではないかとおもったのが「ラトリエ ロブション」の前のスペース。工事中で何か建物でも造っているのでしょうか。圧迫感がでてこれじゃ、ラトリエも更に大変になると感じました。
さて、昨日に続いて簡単な店訪問記です。
オレキス
この店名をそのままググッてはいけません。ギリシャ語で「欲」の意味だそうで、精力剤だか興奮剤の宣伝サイトが一杯ヒットします。
ジョージアンクラブの元スタッフたちが開いた白金高輪近くのフレンチ。店に若干関与する人の中に偶然私の知人がいることが判明したので事前にそのことを開示し、より公正に評価するよう勤める所存ですが、どう受け取るかは読者の判断にお任せします。
「30代、40代の男性が格好つけられるフレンチ」がうたい文句。確かに内装は悪くはなく、女性がより美しく見えるという照明もいい雰囲気出しています。しかし我々オッサン族にはちと厳しい環境なんです。店内がかなり暗くて老眼の人にはメニューやワイリストがよく見えません。老眼鏡をかけなおしたら全然格好つけられないではないか。
料理はプリフィクス(6500円、9000円)が主体。オープン直後だからか食材や料理の種類が少ないのは仕方ないけど、厨房が混乱しているようでかなり皿出しが遅い。当面は4時間コースで考えていたほうがいいでしょう。メインのポーションが小さい気がするのですが、味的には私の好きな方向のものであります。
ワインは値付けは安いんですが、1級畑とか特級畑(ブルゴーニュの場合)が主体で村名ワインなどがなく絶対価格は高くなってしまうでしょう。ブル好きにはいいかもしれませんが、気楽に頼めるワインももっと揃えていただきたい。格好つけたがる男性が皆ワインに詳しいとは限らないからです。
けせらせら
週刊現代の接待特集で推薦したお店。その責任上、私には珍しく接待で使いました。
8000円のコースは価格を考えれば内容はいい。プラス2000円すれば、山形牛の焼き物をついてきます。経費だから気が緩んだのか、接待相手と調子に乗って次々おススメのグラスワインを飲んだのがいけなかった。何杯飲んだか、かなりの杯数と銘柄数のため、支払額は料理価格の3倍ほどに膨れ上がってしまいました。
これだから「経費」はダメなんですね。ワインリストにはリーズナブルなワインも多く載っているので、自腹の人はリストから頼む事をお勧めします。
コリアン ヴェジタブル チェファ 銀座
雑誌のニューオープン特集にでていた野菜をメインにした韓国料理屋。野菜好きな私はかなり期待したのですが、現場に行ってがっかり。エレベーターのない老朽ビルの4階で、階下は「トラジ」。そうなんです、トラジが新しく模索した新形態の店なんです。
新幹線が見えてしまう借景にプアな内装。満席だと飛び込み客を断っていましたが、20時過ぎまで半分も埋まっていませんでしたから、ただのやせ我慢か。女性同士の客がターゲットのようですが、5千円を超える客単価ですから、厳しいのではないでしょうか。
期待が大きかった反動なのか、私の再訪はないでしょう。

最近訪問した店 短評編

皆さん、楽しいGWをお過ごしでしょうか。旅行などへお出かけの方も多いと思います。私はいつものことですが、GW期間中は自宅待機というかどこへも出かける予定がありません。店訪問の予定もほとんどありません。家族で映画や演劇鑑賞で過ごすつもりであります。
さて、詳しい評価は「店評価ブログ」に後日書くつもりですが、最近訪問した店のなかからいくつか、アクセス数の少ないGW中でもブログを読んでいただける読者のために書いてみたいと思います。
ラ ボスケッタ
グラナダの「キオラ」をやめた鵜野氏が開いたといわれる白金のイタリアン。ガラス食器の会社とのコラボという話ですが、私の推測ではただの「雇われシェフ」ではないかといった食後感でした。ハーブをうまく使用した繊細でいてしかしインパクトもある料理だと思っていたのですが、今度の新店はただの少量多皿料理になってしまいました。インパクトだけを狙ったフレンチみたいな料理。ガラス食器の多用もちょっと無理があります。客も週末だというのに5割ほどの入り。ワインリストもりプアですので、かなり修正しないと集客は厳しいでしょう。
ぎたろう軍鶏炭火焼鳥 たかはし
過食のオコチャマなどヨイショ系が絶賛しているフレンチシェフから転身した高橋氏の店。どれほど美味しい焼鳥かと楽しみにしていたのですが、結果はまったくの駄目だしでした。
まず本当に質良い軍鶏なのか。ほとんどの焼鳥が肉の旨みを感じさせてくれません。また焼き方も下手。ベチャベチャのような感じです。火力が足りないのが直ぐわかります。炭火台を覗いたら、炭は白くなっているだけでほとんど発火していません。これでは「蒸し焼き」ではないか。
評判の親子丼も、既に火を入れている鶏肉をつかってさっと造ってくるのですが、まったく美味しくありません。「次郎」や「水谷(次郎 よこはま店)」、「さわ田」、「兼定」など有名鮨店を訪問することなく「入船」を日本一と評価してしまったオコチャマのこれまた勇み足であります。「世良田」の焼鳥と比べ物にならないというか、新橋の「鳥小屋」より駄目ではないか。夜は2回転営業のようですが、週末の1回転目は我々以外は1組しかいませんでした。
ポールボキューズ ミュゼ
これも予想通り駄目でした。まずこの大箱、夜は予約を取るようですが、コートや荷物を預かるスペースがない。どうするつもりなんでしょうか。
30分並んで入ったランチ。並んで入っている客はどんな事前知識を持って入っているのでしょうか。会話から判断しますと、雑誌で知ったようですが、「ポール ボキューズ」がどんな人どころか名前もよく覚えていない人ばかり。ましてやヒラマツの名を知っている人も少なかった。だいたいマスコミではボキューズ初上陸のように言っていますが、これは「ブラッスリー」がはじめて上陸しただけのこと。ミッドタウンに入ったジョエル氏が厨房にいた銀座の「ポールボキューズ」は20年以上前でしたか、アークヒルズで客入らず閉店したフレンチも「ポール ボキューズ 東京」だったはずです。
特別料理として4500円の「トリュフ 卵の皿焼き フォアグラ添え ソースペリグール」を食べましたが、目玉焼き2枚にフォアグラ角切りとスライストリュフ、そしてツメの緩いペリグーソースを掛けただけのもの。これで4500円はこの雰囲気では高すぎるというものです。1800円のランチをやめて2500円だけに絞った営業も、強気で嫌ですね。

「店評価ブログ」を更新しました

日本フードアナリスト協会代表理事・横井裕之氏から今のところクレーム、内容証明が来ないのでホッとしています。古川修氏に加えてもう一件係争を抱えなくて良かった、というのが正直な感想ですが、今後の推移を見守りつつ、さらに問題提起を続けていく考えであります。
普段はブログや雑誌、TVなどで自分の考えなどを主張しているライター、自分の事業を宣伝してもらっている経営者が、ちょっと批判されたからと言って、反論して読者や視聴者、関係者にうったえ判断を委ねるのではなく、直ぐに司法に訴えると過剰反応していいものなのか。主張や宣伝など自分に都合の良い部分はマスコミを利用し、都合の悪いことを言われたらマスコミではなく司法へすぐ直行では、マスコミの「良い所」取りではありませんか。またマスコミに関係しているライター、マスコミに宣伝してもらっている経営者が、マスコミ自体を訴えるというのもいかがなものか。マスコミに関わっている人のやることとは思えません。
さて、「店評価ブログ」に2店を追加しました。
早稲田という立地の妙におされた「過大評価」な店と以前評した和食の「松下」、数年ぶりの再訪です。相変わらず料理は?の連続でしたが、今回新たな問題点をいくつか知ることが出来ました。結果はやはり「過大評価の有名店」と評価は変わりませんでした。
よくまあ、こんなに小さいタネばかり集めてきたもんだと変に感心したのが銀座の天麩羅屋「七丁目 京星」です。海老の数はかなり多いですが、それでもこのタネ、量で一人軽く3万円を超えるのはあまりにCPが悪いというものです。ビル立替のため、3月末で一時閉店、今秋に5丁目で再開するとのことですが、店名はやはり「七丁目 京星」のままなんでしょうか。