取材拒否ながら紀尾井町で長く人気で予約が困難と言われた「鮨はしぐち」。 誰が言い出したのかわかりませんが、『踊る鮨』で有名な鮨屋であります。
鮨が踊る?そんなバカな、とお思いでしょうが、簡単に説明させていただくと、主人の手から離れた握りが沈み込む様を“踊る”と表現したもので、1回沈みこんだらもう二度とは動きません。わずか6席のキャパだったので連日盛況でありました。
そんな盛況店が同じ赤坂の地ですが昨年11月に移転したと聞いて訪問できたのは12月になってから。場所はミシュラン1星一軒家すき焼き「よしはし」のすぐ近く。以前と違って隠れ家的な佇まいとなっておりました。
京都の業者に任せたという内装は一見豪華。恐る恐る入った友里は、鮨屋で始めてみたウェーティングスペースにたまげたのであります。廉価寿司や回転寿司で行列待ちのための椅子があるのは知っておりましたが、高額鮨屋にこのスペースが必要なのか。女将の案内でカウンターに導かれた友里、その必要以上の余裕スペースに更に驚いたのであります。
カウンターは横一列で10席とキャパを増やしておりましたが、椅子も大きく席間はかなり広い。普通の店なら15人は座らせる長さであります。そして個室もあるのです。
ただし実際は使用しないと聞きましたからなんと贅沢なことか。つけ場も広くなりましたが、最大の驚きはトイレでありました。高額フレンチ並に男女別。しかもこの男性トイレ、大小便器がわかれており、しかも余裕の配置でありましたから驚きます。女性トイレもかなりの広さと聞きました。
主人の話によりますと、4倍のスペースになったとのことですから、主人と女将の2人営業でキャパはそう増やせませんから、贅沢な間取りにせざるを得なかったのでしょう。
店構えや内装だけではなく肝心の鮨についても書かなければなりません。
所場代アップで値上げを心配しましたが支払額は1年前とほぼ同じ。鮪の照り焼きはなかったけど、この時期定番のカワハギ肝合えは美味しく、天然ホタテも甘みがあり○。ヒラメも良かった。酢飯もやや甘めながら特徴がでており悪くはない。
昆布〆ヒラメやコハダ、炙らない煮穴子などの他、珍しい酢烏賊もあるなど江戸前仕事もバッチり。今の所CPは変わりませんから、早めの訪問をオススメします。