大食いの人にはお得、フレンチ キッチン

ミシュランガイド総責任者ナレ氏の定宿として知られているホテル「グランド ハイアット」。しかしこのホテルのレストランはオープンから迷走状態ではないでしょうか。鉄板焼の「けやき坂」は、バイキングもやっていた北欧料理から業態変更し、1年経たずでなぜか1つ星獲得。そしてこの「フレンチ キッチン ブラッセリー アンド バー」もこの4月から業態を変えました。夜はビストロ料理をメインにしたビュッフェスタイル(食べ放題)になったのです。宣伝を見た家人からの情報で、大食い一家はすぐさま訪問しました。大人が7300円、子供はその半額とビストロよりは高くつきますが、食べ放題で元がとれるかもといった発想からであります。
店内はカジュアル感がありますが、なかなかオシャレ。野菜、ハム、前菜、オムレツ、肉、チーズ、デザートなど料理毎にステーションが分かれています。
オムレツはビストロ料理か、といった突っ込みはいたしません。ハワイのリゾートホテルの朝食でよく見られる具が自由に選べるオーダー式のオムレツ、実は友里大好きであります。当然その夜も食べました。
野菜もスティック、マリネ、シーザーなど種類があり、前菜もテリーヌ、オイルサーディン、カルパッチョなどそこそこの種類。パテはまずまずながらリエットはしょっぱすぎと個々の評価はマチマチですが全体としてはまずまず。肉類はフォアグラ、牛ロース、タン、仔羊、豚ロース、ホロホロ鳥、七面鳥とアイテムは多く、〆としてストロガノフも用意されていました。ディープなビストロ料理はありませんが、悪くはない質と調理であります。そしてこの店の一番の特徴は、オープンキッチンでオムレツ以外にも肉類はその場でスタッフが火入れをしている様が確認できる事でしょう。
問題点はワインの品揃えです。ブラッスリーとうたっている割に、ブルゴーニュやボルドーが多く、南西地方のCP良いワインが見当たりません。安くても7000円くらいからしかなく結果支払額を押し上げるのが残念。家族のちょっとした外食、気の置けない知人との家族ぐるみの会食などにはもってこいではないでしょうか。食べ盛りの小学生がいたらかなりのお得感があると思います。

バンケット専門に特化したらどうか、リル トーキョー

ミシュラン掲載からわずか1ヶ月で閉店を決めた1つ星フレンチ「ザ ジョージアン クラブ」。ブラッスリーなどの店舗展開が多くなり売り上げに占めるバンケット比率が低下したからでしょうか、粗利率の高いバンケットの目玉として「ひらまつグループ」がこの大箱を引き継ぎましたが、アルザスの3つ星レストランの提携店にしたのはいかがなものか。「オーベルジュ ド リル トーキョー」の提携先は、その名の通りアルザスにある有名オーベルジュ。イギリス形式の箱が合うわけありません。
先にオープンした名古屋店ではアルザスワインが主体でありましたが、東京店では赤ワインがわずか2種しかリストに見当たりません。ブルゴーニュかボルドーしか選択肢がないのですが、そのワインの値付けがまたベラボー。NVシャンパン(ローラン ペリエ)が1万6500円には開いた口がふさがりません。1万円余計ではないか。アルザスのトリンバック社の白ワイン、「ひらまつシール」を張って特別感を出していますが、1万2000円はやり過ぎです。
反面料理はそれほど高くはありません。1万2600円から2万1000円までの3コース。アラカルトも前菜が5000円前後、肉は1万円以内が主体でハープポーションも用意されています。
その日頼んだ鵞鳥のフォアグラ(ハーフ4000円)はスペシャリテで有名ですがショッパイだけ。門外不出の「香辛料」を使用していると聞きましたが、「塩」の間違いではないか。蛙のムース(ハーフ3500円)はまずまず、シュークルート(7000円)は、色々な豚の部位が少ないキャベツに乗っています。トリュフソースがかけられた量、味と品良い一品でした。
株主優待(2割引)に加えて当時はワインも更に2割引きでしたが、それでも一人当たりの支払いが2万5000円。まともに支払ったら3万円台後半と、名古屋店よりはましな料理でしたが、食後感は良いとは言えません。オープン直後の訪問日でも数日前に予約でき、当日も満席感はありません。ドレスコードをはずして集客に励んだ結果、ジーンズに白スニーカーの客まで入店していました。なりふり構わずレストランとして集客に苦労するより、料理のレベルを問われない披露宴専門店に特化した方が賢明であると考えます。

京都ブランドでも料理がダメなら集客は苦しい、か波羅

京都を中心に飲食店の取材をしているフリーライター&エディター関谷江里さん。今年3月15日からわずか2ヶ月あまりで自身のブログにオープンしていない店を13回も不自然に取り上げていたのが「ぎをん か波羅」です。「祇園」を「ぎをん」と称するなど怪しい店名に友里は久々に燃えました。まともな店のはずがないと確信、結果はちょっと調べただけでその怪しさがわかったのです。京都に同じような店名のバーはありましたが、この西麻布で展開しようとしている鉄板焼きなど「食べ物屋」の実態はありません。しかもこの「か波羅」の経営は京都では有名な豆腐料理屋「順正」のオーナーが関与していることもわかりました。京都で成功した豆腐料理のオーナーが、「京都ブランド」に弱い東京人につけ込んで進出してきた似非京都の料理店。料理は鉄板焼きでなくても良かったのです。京都に関連した店名をつけ、京都の食材さえ使えば何屋で良かったのではないか。料理長にイタリアン出身者を採用した後に「鉄板焼き」を決定したと漏れ聞きました。ジャーナリストなら読者に公正な情報を提供するべきライターが、なぜ一飲食店を不自然に取り上げ宣伝と見られる行為を繰り返しているのか。友里の知人の質問に、関谷女史はメールで「『ぎをん か波羅』の広報を仕事として勤めている」と開き直って回答してきたそうです。しかし再三の私のブログでの問題提起に関谷女史、4/28以降まったく取り上げなくなり、広報としての役目を果たしておりません。
さて、肝心のこのお店、関谷女史の宣伝が効果ないのか私の訪問時は他に客ゼロ。京都野菜や京都肉なるものを使ったサラダや鉄板料理の他、オーナーの本職である「おぼろ豆腐」(600円)もありましたが、いずれも調理は未熟でまともな料理に出会えなかった。京都肉のカルパッチョ(1900円)はベチャベチャ、ヌルヌルで肉の味がしません。イチボの鉄板焼き(100g4500円)はメタボな牛なのかこの部位ではサシ多すぎです。不味い。付け焼き刃でまともな鉄板料理が出来るはずがありません。内装も時代遅れの「ダイニング調」。センスがないというか、今時こんな内装で引っかかる東京人は味のわからない人だけです。似非京都に引っかかって訪問してはいけません。