「あまから手帖 7月号」を読んで

関西へ出張した際、電車移動の読み物として「あまから手帖 7月号」を購入しました。東京でも発売されているようですが、さすが地元ではどこでも見かける有名月刊誌のようです。
久々に読んだのですが一目見て「何と宣伝が多い雑誌なんだ」が友里の素直な感想であります。関西主体の調味料会社などの広告ページがかなり目立つのですが、掲載記事含めてほとんどのページが写真や地図入りの「店紹介」でありまして、ほとんど「丸ごと宣伝本」と言って良いような代物であります。
驚いたのが結構「大阪ガス」の宣伝が出ているところです。(スポンサードしている「魔法のレストラン」のDVD宣伝含めて)
関西在住の食通の方から、大阪ガスが支援していると噂されるレストランの存在や、この「あまから手帳」や編集主幹の門上武司氏も大阪ガスが後押ししているそうだとの話は聞いていましたので、なるほどと感じた次第です。
株式会社とはいえ公共インフラの根幹企業がガス調理器の普及宣伝のためとはいえここまで特定の雑誌に肩入れするものなのか、不思議であります。
ミシュラン曰く世界に誇れるレストランがひしめく「東京」で、「東京ガス」が特定の店や料理人、雑誌に肩入れしていると言いった噂は聞いたことがないからであります。飲食業界に「東京電力」が深入りしているといった噂も聞いたことがありません。大阪だけの現象なのか、東京が特別なのか、ご教授いただければ幸いであります。
この「あまから手帖」の最後の方のページに書いてあったのが大阪ヒルトンホテルの「源氏」という和食でやっている「天麩羅食べ放題」です。1時間・平日昼限定で一人5197円。15種のタネが用意されているようです。
巷では「食べ放題好きの味音痴」と揶揄されている友里ですが、天麩羅に食べ放題があるとは知りませんでした。しかし大食いとはいえ揚げ物を次から次へと食べまくれるものなのか。そこで、どんなものかと早速打ち合わせの合間に確認に行ってきました。
結果は読者の皆様のご期待に添えずこの「食べ放題」には挑戦せず、普通のランチコースを頼んでしまいました。
客は入っていたのですが「食べ放題」を頼んでいる客が居なかったことと、時間が1時間とれなかった為であります。
そんなに「天麩羅の食べ放題」の需要がないのではないか。
この店の関西風天麩羅(ごま油を使わない)も、「与太呂」と同じく「カラッと」しないベチャベチャの食感でありました。ごま油を使用した「関東風天麩羅」のカラッとした仕上がりの方が私は好みであります。

「モウラ」更新しています

食材偽装が後を絶ちませんが、「モウラ」のコメント欄で興味深い書き込みがありました。
「産地や季節の怪しい食材」が目立つというのです。5月に噴火湾産の生の毛ガニ、3月にオホーツクのホタテ、と疑問の食材を銀座の鮨屋で供されたとのことでした。
私もつい最近、神楽坂の和食屋で「ずわい」が出てきたときは驚きました。「ずわい蟹」の解禁期間を知っている人なら、2つ星で「冷凍の輸入物」を禁漁期間中に堂々と出すその姿勢に呆れるというか感心するのではないでしょうか。
解禁期間中に「冷凍輸入物」を出すならまだわかるのですが、禁漁期間に高額店で出すと言うことは、ひょっとしてこの店の主人、「ずわい」の旬を知らなかったのかもしれません。
さて、「モウラ」に銀座の一つ星フレンチ「ナルカミ」をアップしております。
最近コメント欄がかなり盛り上がっております。特に「ドン・ナチュール」でのコメント数は凄いものがありました。返事を書き込むのが大変です。
肯定派、否定派の区別なく前向きな意見の書き込みは歓迎です。常日頃申しておりますが、世に一方的な見方しかなければそれは怖い世界であります。色々な意見、感じ方があって当然であります。
ぜひお立ち寄りください。
http://tomosatoyuya.moura.jp/

変わり身の早さに呆れるばかり、山本益博さん

何人もの読者の方々からチェックしろと教えられたのが「週刊 東洋経済 6/28号」でした。友里と普段は全く縁がないこの手の経済週刊誌、早速購入しました。問題のところは、「ホテル&レストランの秘密」という特集記事の中の、「食のオピニオンリーダーたちがミシュランに一言」と題するページの自称料理評論家である山本益博氏の発言であります。

日本にフレンチを定着させた「レカン」「アピシウス」「コートドール」などに星を与えず、敬意を払っていないことにはがっかりした。

昨年末からミシュラン叩きが鳴りやまないと思って一気に舵を反対方向へ切ってきたのかマスヒロさん。発売直後は「次郎」などへ押しかけて嬉しそうにTVカメラの前ではしゃいでいたではないですか。
しかし許せないのはこの2月に発売された「PLAY BOY 3月号」での「ミシュラン・ガイドの裏事情を語る」という対談での発言であります。宇田川悟氏、横川潤氏、伊藤章良氏との対談で、巷のミシュランの評価への批判に対し、下記のようにミシュランを擁護して「コートドール」を切り捨てていたのです。

コートドールや北島亭が入ってないって意見があるけど、今回『ミシュラン』が星つけたのは、07年の空気がお皿の中に漂っているところだと思う。だから時間が止まった料理、10年前、15年前、20年前と変わらないような料理は、おいしくても評価しないんだよ。『ミシュラン』は「日本人のフランス料理」じゃなくて「現代日本のフランス料理」を作れって言っているんだ。

これらの店は、発売前は1つ星をとると思っていたとの発言もありましたが、この変節ぶりがいかがなものか。「化石料理」みたいに評していたのに、何が「敬意」なのか。単なる「功績」だけで現在の評価をされたら、斉須氏や北島氏も嬉しくないと思います。
発売直後はミシュラン擦り寄りが見え見えながら、年明けてから若干批判をするようになりおかしいなと思っていたのですが、ここまで無責任に主張を変更するとは思いませんでした。
この業界で長く稼ぎ続けてきたその処世術から、ここはミシュランに批判的になった方が得であるとの「嗅覚」が働いたのでしょうか。
最近は「食べ歩き手帳」でミシュラン掲載店を食べ歩き、批判的なコメントを多く残していますが、ここまで自分の損得のために主張を変える評論家存在していて良いのか。
山本益博氏の辞書に「矜持」という言葉はないことがわかりました。
最近はさかんに「龍吟」を3つ星に推すと発言しています。幻冬舎の見城社長の糾弾内容が未だ忘れられていない現在、マスヒロさんに名指しされた店は色眼鏡で見られかねず、かえって迷惑になると言うこともおわかりにならないKYな方でもあるようです。