「モウラ」更新しています

昨日の「食育って何だ?」のブログに対し、興味深いお便りをいただきました。
予想通りと言っては何ですがあの服部先生、今では「食育」の第一人者を自称し昔からたずさわっているかのように吹聴をされているようですが、実際は8年くらい前に独特の嗅覚で注目されたのがはじめのようです。おそらく美味しいビジネスの匂いを感じたんでしょうね。
早速すすめていただいた「食育」に関係する本2冊をアマゾンで購入しました。今までは「食育」とは「胡散臭いビジネス」だけだと思っていたのですがそうでもないようです。
じっくり読み込んで勉強してから、この「食育」に関してまた発言したいと思います。
しかしこの「食育運動」、スポンサーに食材業者など飲食の当事者がついているようですから、真の「食育」を展開できるかどうか。自社の都合が優先されるようで心配です。
さて「モウラ」にミシュラン3つ星和食の「小十」をアップしております。つい先日行ったのですが、現在は最高値コースが2万円になっていると読者の方から指摘を受けております。値上げしたようです。
コメント欄ははやくも盛り上がっております。
ぜひお立ち寄りください。
http://tomosatoyuya.moura.jp/

食育って何だ?

ここ数年やたらと「食育」という言葉を耳にします。政府関係機関もふくめて何でもかんでも「食育」。しかしこの「食育」の本当の意味が私にはわかりません。
「栄養の偏り、不規則な食事、肥満や生活習慣病の増加、過度の痩身志向、食の安全、食の海外への依存、伝統的食文化の危機、等の問題」に対する方策であるとしても、これに便乗した事業がいくつもおこされており、利権というか何か胡散臭いものを感じてしまうのです。
栄養の偏りや肥満、伝統的食文化の危機を心配するなら、ハンバーガーや鶏の唐揚げなどのファーストフードを閉鎖してしまえばいい、と言っては過激でしょうか。不規則な食事を気にするなら、24時間営業を許可しなければいいわけです。
過度の痩身志向が問題なら、マスコミ含めた「ダイエット運動」をまずは問題視しなければならないでしょう。
以前毎日ファーストフードを食べ続けて体に悪いことを証明した番組の紹介を聞いたことがありますが、これらの問題を解決するのにわざわざ「食育インストラクター」とか「食育指導士」などの資格者を養成する必要があるのでしょうか。
マックやケンタッキーなどをどう扱うかを考えた方がより早く解決すると考えるのは私だけでしょうか。
これらの資格について問題提起しているサイトを読者の方から教えていただきました。
http://www2.plala.or.jp/kskikaku/sikakusyoho.html
私もまったく同感。「フードアナリスト」と同じく、こんな資格、まったく意味のないものだと考えます。
「食育事業」に関与している有名人としてすぐ思い浮かぶのが、服部幸應先生です。
しかし「愛のエプロン」のような番組に関与しておきながら、そして「家柄問題」を起こしておきながら、「食育」なんて偉そうに言える資格があるのか、私には疑問であります。
蛇足ですが、最近の先生の経歴や料理学校の宣伝に、「服部流割烹」絡みのキャッチがすっかりなくなっております。

今年になって訪問した店 短評編 9

「モウラ」の「ベージュ」のコメント欄に、お店の方かそれに近いと思われる方のコメントが載っています。
http://tomosatoyuya.moura.jp/?p=51
チーズ、ホールの段差、夜景などに関して力説されており、大変興味深いものでした。世間の評判と集客が芳しくないのに、コンセプトなどの修正をしてこないのが不思議だったのですが、店側がこんな考えで居るならば当然だと思った次第です。今時、夜景を求める「外食好き」や「フレンチ好き」がいると思っているとしたら、それは悲劇というか、喜劇であると考えます。
自画自賛するまえに、現実(集客や評判)を真摯に受け取っていただきたいものです。
さてお店3店です。
ピアット スズキ
来週の「モウラ」に登場しますので詳しくは書けませんが、相変わらず流行っておりました。でも、価格の割に美味しいとは思えないんですね、このお店。
食後感はいつも通りのものでした。
ホールスタッフも数は充分なのですが、うまく機能していないし、値付けも安くないのにワインリストの数が足りないのはいかがなものか。
取材以外の自腹では私は行きたくありません。
鮨 かねさか
はじめて主人の前に座れました。アワビ、鰹、鯛、カスゴとツマミはたいしたものではありません。
驚いたのは握り。主人は器用ではないようで、その握りの所作がちょっと変。2回強く握って供されるその姿形は、タネがUの字になった美しく見えないもの。経験の少ない若手の独立店にたまに見られるような握りでありました。
仕入れが同じでスタッフの交流もある赤坂の「鮨 さいとう」(自転車会館)とはまったく食後感が異なりました。どうみても、2つ星の鮨屋には見えない。ホテルの久兵衛出身らしいと言ってしまえばそれまでですけど。
仕事、握りと何ら傑出したものを感じませんでした。
寿司幸本店
昼からの通し営業がこの店の唯一の利点でしょうか。予約が簡単で無理なく訪問できます。
この店はやはり「ワイン」でしょうか。なぜ鮨屋でワインを飲みたがる客がいるのか私には理解できませんが、郷には入れば?に従えと赤ワインをデカンタで頼んでツマミからワインにあうものをお任せでお願いしました。
アオリのげそ焼きはガス臭くて駄目でしたが、他のツマミは可もなく不可もなし。酢飯もそこそこしっかりしていて握りも悪くはなく普通といった感じでしょうか。
ツマミなら「椿」か「くわ野」、仕事なら「おけい」、タネ質ならもっと上がいくらでも存在していると思いますが、銀座での買い物帰り、夕方でもフリで入店できるという使い勝手の良さは認める鮨屋であります。