11月出版予定のミシュランネタ本に強力なライバルが・・・

山本益博氏が「厳選!取り寄せごはん」(青春出版社)に続いて10月末に「マスヒロの東京番付」(実業之日本社)という本を出すことは知っていました。
しかし、その内容を漏れ聞いて私は驚いたのです。なんと、ミシュラン掲載店を相撲の番付でランク付けしているというのです。
ランクの仕方は違えども、友里征耶の「タイトル未定」(講談社)と着目が同じではないですか。
彼が主宰する営利団体「ア・ターブル99」のメンバーと共に1月から活動を始めたようなので、「モウラ」より後出しの企画のようですが、何しろマスヒロさんだけではなく営利団体(ア・ターブル)メンバーから選ばれた(自薦含む)「委員」の人海戦術で掲載店を取材してしまったため、友里より1ヶ月早く発売できるようです。
うーん、後出し企画とはいえ知名度高く「純粋なファン」が多いマスヒロさんのこの本、脅威であります。
しかし最近のJ.C.オカザワといいマスヒロさんといい、「サテライツ」、「委員」と称する信奉者を使って店評価して出版するのはいかがなものか。中には自分が行かないで載せてしまう店もあるとか。手抜きというか、立派な「取材費節約」ではないか。信奉者たちの食事費は負担していないはずです。
またいくら信奉者と言っても、著者と同じ「嗜好」であるはずがありません。はっきり言えば、MSGに鈍感な彼らより、サテライツや委員の方が、味がわかる人が多いのではないか。
そんな評価基準がバラバラな飲食店ランク付け本、ミシュランガイド同様に「整合性」があるとは思えません。
とはいえ、「純粋な購買者」が多いだけに心配な友里でありました。

「モウラ」更新しています

今朝のワイドショーで、昨日行われた清原選手の引退試合を扱っていました。感動物語的な扱いで、日頃辛口なコメンテーターも好意的な発言をしていたのに私は驚いたのです。
スポーツ、特にプロの世界では監督の好き嫌いで多少の依怙贔屓はあるでしょうが、基本は実力第一のはず。記録的には「中の上」か、「上の下」と、並のプロ野球選手よりは上でしょうが、それほど傑出した選手ではなかった。しぶとく現役で粘りましたから通算記録にいくつか見るものがあるのが特徴です。年俸など待遇面では異常なまでに傑出していましたけど。
王選手や長島選手のような超一流の選手は、「未だやれる」と惜しまれながらも引退を決意したもの。野茂選手や桑田選手は最後まで粘りましたが、その粘りの中には「特別待遇」はほとんどなかった。安い報酬のテスト生のような待遇でチャレンジしていたはず。
逆に清原選手はかなり前から「もうやめた方がよい」と言われながらも現役(高年俸)にしがみつき、ほとんど試合に出なくても高額の対価を受けていたのですから、彼ほど恵まれた「幸せ者」はいないでしょう。まともに走れない(勿論守れず最近は打てない)年俸が億を超えた「プロ野球選手」の存在を許すマスコミと人の良いファンに足を向けては眠ってはいけません。
プロデビュー当時の映像をあらためて見たのですが、体形的にはまったく「別人28号」。記録では新人の時代がほとんど最高数値であるという選手は、すぐ肩を壊した投手でない限りほとんどいないのではないでしょうか。それだけ「潜在能力」はあったのでしょうが、努力をしなかったというか、間違った選手生活をしてしまった結果としか思えません。本当に惜しい。
料理にたとえれば、旬の大間の天然1本釣り鮪の赤身を直ぐに「家庭用冷蔵庫」で冷凍してしまい、何ヶ月後かに時間がないからと電子レンジ解凍して「煮込み」調理で食べたようなものです。
素材(潜在能力)をまったくいかしきれなかった23年間ではなかったか。誠にもったいない話であります。
さて「モウラ」に友里オススメ店の西麻布イタリアン「トラットリア トルナヴェント」をアップしております。
10月からラストスパートというのでしょうか、月、水、金の週3回の更新とし、水曜に「友里オススメ店」を掲載する予定であります。
ぜひお立ち寄りください。
http://tomosatoyuya.moura.jp/

八百長が存在しないと思っている人がいるのか

日本相撲協会の外部役員が発表されました。元警視総監、元高検検事長、現東大名誉教授と肩書きは立派ですが、期待できるでしょうか。具体的な改革案を提示しなかったように、大学教授は別にしてこの手の肩書きの方々、組織を離れる(バックがなくなる)と途端に埋没というか「リーダーシップ」がとれなくなるのは歴史が証明しております。ニヤニヤしているだけで何らリーダーシップを示せず迷走した元プロ野球コミッショナーもいましたっけ。
「私には権限がない」という迷文句もありました。じゃ、いったい誰に権限があるんだ、と突っ込むインタビュアーがいなかったのが残念。
ここのところ新内閣、失言3連発、衆院解散などの話題が先行して、あまり大相撲の「八百長問題」が表立っておりません。若ノ鵬の「アンフェア取り組み」発言もありましたが、それほど大々的にTVが報じていないのではないか。特にNHKでは見かけた記憶がないのですが、強制的に視聴料をとる放送局がこんな姿勢でいいのでしょうか。
大相撲の八百長問題は、「週刊ポスト」から「週刊現代」にバトンタッチされましたが、もう何十年も言われている国民公認の「結果が決まっている試合もある興行」なのではないか。
今時「プロレス」に対して「ガチンコではないだろう」、「八百長だ」と問題提起する野暮な人はいないでしょう。一部の格闘技を除いて、筋書きのある「ショー」であることを知って客は楽しんでいるのです。
誰が言い出したか「国技」もどこで誰が何時、どんな手続きで決定したのか。
私は外部役員や横綱審議会の面々に「本当に八百長は存在しないと信じているんですか」との質問をぶつけて貰いたい。回答如何で、その人の「知的度」がはかれるというものです。心底から「あるはずがない」ときっぱり答えた人がいるとしたら、私はその人の発言を以後信じません。
「八百長なんか存在していない」と言い切る「純粋な人」が本当にいるのかどうか。山本益博氏やフードライターが飲食店と個人的な関係なくシビアに評価している、と信じる人が少ないように私はそうはいらっしゃるとは思えません。
日本の悪いところだと思うのですが、「そうあって欲しい」と望むことから「信じたい」となり、皆で気がつかないフリをする。欧米のジャーナリズムではあり得ないことです。
こんな問題で7億円だかの損害賠償訴訟が行われているようですが、時間と税金のムダではないか。だいたい判事だって「八百長」を疑っている人が過半だと私は思います。