八百長が存在しないと思っている人がいるのか

日本相撲協会の外部役員が発表されました。元警視総監、元高検検事長、現東大名誉教授と肩書きは立派ですが、期待できるでしょうか。具体的な改革案を提示しなかったように、大学教授は別にしてこの手の肩書きの方々、組織を離れる(バックがなくなる)と途端に埋没というか「リーダーシップ」がとれなくなるのは歴史が証明しております。ニヤニヤしているだけで何らリーダーシップを示せず迷走した元プロ野球コミッショナーもいましたっけ。
「私には権限がない」という迷文句もありました。じゃ、いったい誰に権限があるんだ、と突っ込むインタビュアーがいなかったのが残念。
ここのところ新内閣、失言3連発、衆院解散などの話題が先行して、あまり大相撲の「八百長問題」が表立っておりません。若ノ鵬の「アンフェア取り組み」発言もありましたが、それほど大々的にTVが報じていないのではないか。特にNHKでは見かけた記憶がないのですが、強制的に視聴料をとる放送局がこんな姿勢でいいのでしょうか。
大相撲の八百長問題は、「週刊ポスト」から「週刊現代」にバトンタッチされましたが、もう何十年も言われている国民公認の「結果が決まっている試合もある興行」なのではないか。
今時「プロレス」に対して「ガチンコではないだろう」、「八百長だ」と問題提起する野暮な人はいないでしょう。一部の格闘技を除いて、筋書きのある「ショー」であることを知って客は楽しんでいるのです。
誰が言い出したか「国技」もどこで誰が何時、どんな手続きで決定したのか。
私は外部役員や横綱審議会の面々に「本当に八百長は存在しないと信じているんですか」との質問をぶつけて貰いたい。回答如何で、その人の「知的度」がはかれるというものです。心底から「あるはずがない」ときっぱり答えた人がいるとしたら、私はその人の発言を以後信じません。
「八百長なんか存在していない」と言い切る「純粋な人」が本当にいるのかどうか。山本益博氏やフードライターが飲食店と個人的な関係なくシビアに評価している、と信じる人が少ないように私はそうはいらっしゃるとは思えません。
日本の悪いところだと思うのですが、「そうあって欲しい」と望むことから「信じたい」となり、皆で気がつかないフリをする。欧米のジャーナリズムではあり得ないことです。
こんな問題で7億円だかの損害賠償訴訟が行われているようですが、時間と税金のムダではないか。だいたい判事だって「八百長」を疑っている人が過半だと私は思います。