二階堂ドットコムに取り上げられました!

今朝起きて昨日のアクセス数をチェックしてビックリ。セッション数が軽く1万を突破して12,565と普段の5割増し。
ヒット数にいたっては、317,149と20万を飛び越えて普段の倍に跳ね上がっていたのです。
名誉毀損・損害賠償訴訟の判決結果の影響でこれだけ上がるのは不思議と思っていたら、読者の方からのメールで、あの有名サイトで「料理」されていたからと知った次第です。
まずはご覧ください。
http://www.nikaidou.com/2008/11/post_1925.php
普段は政治や社会ネタの裏面を暴き、そして公安など当局とのパイプも誇るディープな情報サイトでして、私もたまに見させていただいておりました。
飲食に関するネタはほとんどなかったと記憶しているのですが、やはり専門外なようで、一方的な情報インプットによる間違ったご判断をされているようです。ここに反論というか、弁明というか、ご指摘を申し上げます。
元々の友里ブログの読者の方には「釈迦に説法」となりますが、二階堂氏(ペンネーム?)はじめ氏のサイトから飛んでこられた読者の方の中には「食」に詳しくない方もいらっしゃると思いますので、まずは「なぜ中国料理(中国料理に限らない)でMSGを使用するのか」から説明させていただきます。
どんなレベルの料理人でも、本心は「MSGを使わない方が良い」と思っていると私は確信しております。
でななぜ使うのか。その理由は2つ。
1、 いちいちまともに出汁を取っていたら面倒くさくて大変だ。しかも「腕」の差がモロに出てしまうので神経を使って疲れる。
2、 常連客がMSG入りの味を要求する。
の2点であります。
上湯スープが干しホタテ、金華ハムを使うのは友里でも知っています。氏は聞き忘れたようですが、「老鶏」も上湯の大事な材料ですから、今度からは書き漏らさないでいただきたい。
和食のお椀だって、鰹節と昆布を使うことは誰でもしっているのですが、ここにMSGを投入する料理人がいるわけです。
まともな手法で出汁を取るのが一番ですが、そうすると腕の差がモロに出ますし、第一「手間」がすごくかかるのです。
悪いことに年配の常連方の中には、幼少時代に「味の素」に慣れきっている人も多いわけでして、客側の「ニーズ」と料理人の「手間省き」、「腕の差隠し」が、見事利害が一致しての結果「MSG投入」となるのです。
氏は勘違いしている可能性があるのですが、私はMSGだけで上湯を作っていると言っているのではありません。干しホタテ、金華ハム、そして「老鶏」も使用しているでしょうが、それに加えてMSGの投入も半端ではないということです。
あるホテルの有名中国料理店では、MSGの添加を控えた途端、常連客から「味が落ちた」とクレームがついたという、笑い話みたいな情報を聞いたことがあります。
元来MSG使用は表だって自慢できることではありません。
ですから、MSGの存在がわからない常連客が問い合わせたとしても、店や厨師は素直に認めるわけがないんですね。
MSGを使わない「作り方」まで披露して証明したからMSGは使用していない、と氏は擁護していますが、そもそも昔からMSGがあったわけではないですから、使用しない「まともな調理法」は昔から存在しています。
常連客の前で、MSGを使用しない調理を「後出し」で見せたとしても、今までの「MSG不投入」を証明したことにはならないのです。
指摘され、明日からMSGを封印し、「手間暇かかるけどしょうがない」と我慢すれば、「MSGなしの上湯」は客前に提供できるのです。
例えは極端ですが、あの「船場 吉兆」が偽装発覚後、まともな食材を使用してみせて弁解して、果たして氏は納得するのでしょうか。
発覚後、厨房を公開して「使い回し」がないことを公開したら、納得するのでしょうか。
この件では何ら検証されず、店側の一方的なパフォーマンスで友里が「嘘つき」、「味の素で舌をやられている」と決めつけられているのが誠に残念であります。
私の評判は、「性格の悪い経営者や料理人」の間では確かに悪いでしょう。でも評判が悪くない層の方々もいらっしゃるのです。
読者の方は友里が氏から「恫喝」されているとメールで書いてきております。確かに、氏の後半の部分は、読みようによってはちょっと脅しととれそうなところがありますね。
「この意味、わかるね」のところです。
「顔写真」云々の記述もあります。(とっくに撮られています)
「福臨門」の常連に頼まれて、「いっちょう〆てやれ」と正義の拳を振り上げられたのでしょうが、読者によっては「恫喝」みたいにとれる文章で終わると、かえって「福臨門」の為にならないのではないでしょうか。
「贔屓の引き倒し」にならないことを祈ります。
さて、「モウラ」に外苑前の和食「えさき」をアップしております。
ぜひお立ち寄りください。
http://tomosatoyuya.moura.jp/
最後に「ガチミシュラン」の宣伝です。

日刊ゲンダイ・友里征耶 全面勝訴

1週間ほどの出張から帰宅して、11月5日判決言渡の「損害賠償等請求事件」の判決文をゆっくり読みました。
まずは11/6発行の日刊ゲンダイの当該記事を引用します。

本紙掲載のグルメ記事
友里氏と本社への請求を棄却 東京地裁

芝浦工業大学の古川修教授が本紙07年1月18日付の「友里征耶の行っていい店わるい店」※の記述で名誉を棄損されたとして友里氏と本社に損害賠償を求めた訴訟の判決が11月5日午後あり、東京地裁は名誉棄損に当たらないとして原告の訴えを棄却した。
友里氏は「銀座 こびき」を古川氏が賞賛していたことについて、古川氏の料理評論の姿勢を批判し、異を唱えた。古川氏はこれが名誉棄損に当たるとして損害賠償を請求したが、東京地裁は「料理評論は主観的なものであり、友里氏の記事は古川氏の社会的評価に影響を及ぼすものではない」として、請求をしりぞけた。

※友里征耶のHP「店評価ブログ」の07年1月20日付記事も対象となりました。
判決文は別紙を除いても23ページにわたる長文でここに紹介できませんが、1ページの主文までを簡単に記します。
判決
原告  古川修
被告  株式会社 日刊現代
被告  友里征耶
主文
1、 原告の請求をいずれも棄却する。
2、 訴訟費用は原告の負担とする
被告側つまり、日刊現代・友里征耶の「全面勝訴」となったことをここに報告させていただきます。
この1年半あまり、色々とご心配、応援のメールを多くの方々からいただきました。
データの集積など物理的なお手伝いをお願いした方もいらっしゃいます。また今回の判決に対するメールも沢山いただいております。
ここにあらためて皆様に御礼申し上げます。
有り難うございました。
「ガチミシュラン」(講談社)発売日(11/13)まであと3日となりました。
告知ページのURLを貼り付けます。
http://moura.jp/culture/gachimichelin/

今年になって訪問した店 短評編 28

やっぱりやってくれました、似非グルメの放送作家・小山薫堂さん。
11/3のブログで予想したとおり、「dancyu 12月号」の「一食入魂」で、約1ページかけて「ぎをん か波羅」を宣伝しております。
http://www.tomosato.net/blog/2008/11/post_555.html
しかし、宣伝を託されたにしては勉強不足。文中では「この夏にオープンした鉄板創作料理の店」と紹介していますが、5月半ばにオープンしています。せめて「初夏」と書くべきでしょう。
今回は接待で利用したそうで、「こんな店を教えてくれて有り難う。次からここを使わせてもらうよ。」と相手に言わしめてこそ、店選びは合格と考え、この店を選んだようです。
結果は成功、接待相手は翌日、お店の選択センスに感心し、美味しい店だったとの礼のメールが来たそうです。
しかしこの「か波羅」、外食を食べ慣れた人、食通の人、自称グルメが訪問して満足する店なのか。京都産という食材を使っていますが、ただのそこらのダイニング料理レベルであります。
小山薫堂氏が取り上げ紹介してしまったおかげで、接待相手の「舌」の実力が露呈、たいした料理を食べていないことを公にしてしまったようなものです。
店宣伝のためのダシの使われてしまったこの接待相手、えらい迷惑でありましょう。
店側からどのような便宜供与を受けているかわかりませんが、それまでの「か波羅」での食事を自腹で食べたことが何回あるのか。
ライター&エディターと名乗る関谷江里さんと違って、いい加減な職業である「放送作家」は、店から便宜供与されて「店宣伝」に明け暮れても批判されることはないでしょうが、小山薫堂氏を未だ「味がわかる人」だと思っている人がいるとしたら、悲劇であります。
放送作家、一本立ちして稼げるようになるまで弁当しか食べていないはずです。30台後半から慌てて食べ始めても業界人好みの店が主体になるので、味がわかるはずがないのです。
さて3店です。
ル・マンジュ・トゥー
1年以上行っていなかったのでこの夏に訪問してきました。
信奉者がいくら弁解してもやはり「少量多皿」。最初の2皿は、グレープフルーツジュースにエスカルゴの串揚げわずか1本でありました。得意だとミシュランにあったフォアグラも、質が悪いのか完全に「塩負け」しておりました。
料理はまったく凡庸でしたが、ワインの値付けが安いのが救いのフレンチであります。
モナリザ 丸ビル
客入りが悲惨な丸ビル高層階の高額店フロアの中にあって、まずまず集客は順調です。
でもほとんどの客がフレンチ初心者なのか、ワインを飲まない若いカップルや女性客だけなのです。少ない男性客もほとんどノージャケットでありました。
オルゴールでハッピーバースデーソングを鳴らしながらケーキがでてきて、スタッフが写真撮影、最後はスタッフ一同の拍手。
とてもまともな高額フレンチではありません。勿論料理もたいしたことないものでありました。
この店名、センスあるとは思えません。長い目で見たら、コンセプトから作り直した方がいいのではないでしょうか。
ふぐ 福治
夏の終わりに、スッポンと鰻を食べに行きました。
この店、フグが専門ですが、オフシーズンも店を開いていて固定費を分散しているので、フグのシーズンも余計な経費が上乗せされておらず、東京ではCPよく旨いフグが食べられます。
この時期としては早いフグの刺身もまずまず美味しい物でありました。