友里征耶の週間食日記 20

先月末に続いて来週はじめからまた数日間、時差やネット環境が変わる場所へ行く事になります。タイムリーにブログの更新や掲示板への対応が出来ないかもしれません。
特に往復の移動日はネットアクセスが制限されます。なるべく毎日更新するよう努力しますが、タイミング悪くブログ更新が大幅に遅れるか、一日抜けるかもしれませんがその際はご容赦下さい。

今回は経由では降りたことがありますが、国としては初めての訪問地。仕事絡みなので観光などは無理かもしれませんが、夜の外食は自由。
ご当地に3つ星レストランはないのですが、2つ星が2軒ありましたので予約してしまいました。どんな料理に出会えるのか楽しみです。

店評価ブログに、行ってもお金と時間の無駄になると私は思う自称京料理の「石楠花」と、アラン・デュカスの旗艦店「アラン・デュカス・オ・プラザ・アテネ」をアップしています。ぜひお立ち寄り下さい。

さて週間食日記です。

月曜日
夜:○麻布のフレンチ
オススメ本の確認も兼ねて4名で訪問。シェフお任せを頼みましたが、しっかりした味付けでワインがすすみ過ぎました。プリフィクスよりかなり濃厚に仕上げているようです。食材や皿数を考えるとこの価格(8000円)はお得であります。

火曜日
夜:○麻布のフグ屋
接待で使いましたが、フグ質だけではなくポン酢も好みから激変したと判断。この店が何で3つ星になってしまうんだ。もちろんオススメ店からはずしました。

水曜日
夜:新橋の焼鳥屋
以前は会社の人間とたまに行っていた焼鳥屋。何時も混んでいて支払い額の割に悪くは感じなかったので確認のため久々に訪問しました。スペシャルな刺身盛り合わせを頼んでしまったからか、予算は倍近くかかりましたが、それでも2名で「世良田」の一人分(ワイン1本を入れて)です。支払い額を考えたらオススメできる焼鳥屋です。

木曜日
夜:銀座の和食屋
今年初めての松葉蟹を食べました。あまり蟹を食さない友里にとって、量が半端でなかったので1年分くらいの蟹でありました。
松葉蟹は雄よりコッペ(メス蟹)が私は好きです。

金曜日
夜:神戸の焼肉屋
知る人ぞ知るディープな地区の焼肉屋。有名人も訪問しているようで、マスヒロさんの写真も飾ってありました。
生タンやロースなど「神戸牛」をガッツリ堪能して支払いはなんと1万円チョイ。酒類を除いた価格とはいえこのCPの良さには驚きです。肉好きの方は必食です。

土曜日
昼:大阪の地方のホテル和食
夜:内食
昼は法事の後の昼食。付近にはこんな店しかないので仕方ない訪問でありました。予想通りの内容で、自分の和食に対する感覚が崩壊してしまうかと心配でした。夜は自宅で久々の内食。

日曜
夜:内食
夜に会合があったので、この夜も内食で済ませました。

お呼びでない? ミシュランガイド関東版 その2

本日は掲題のミシュランガイド関東版の発売日であります。しかしこの盛り上がりの無さ、昨年以上でありまして横浜と鎌倉の店関係者が気合いを入れて購入しないと、去年の実売数

3万部

どころか2万部にも届かないのではないか。
年々減っては来ましたが、ミシュランガイド批判の急先鋒である友里への取材は去年まで来ておりました。ところが今年は皆無。
友里の賞味期限が切れかかっているのか、ミシュランガイドの賞味期限の問題なのか、判断は読者の皆さんにお任せします。

さて掲示板の書き込みで教えていただいた星付き全店のリストを見てしみじみ感じたことは、

評価基準がJ.C.オカザワ並みに滅茶苦茶

でありました。
昨日のブログにも書きましたが、和食系では「味濃い」店を好む傾向がわかりますが、それ以外は

行き当たりばったり

ではないでしょうか。
質が一番だと思うフグやステーキを例に挙げますと

山田屋(3つ星)の方が福治(2つ星)よりフグ質が上と判断している
うかい亭とあら皮の肉質が同じレベルと判断

という評価は、悪い冗談としか言えません。
寿司屋も海鮮系(かねさかグループなど)が良いのか、マグロ系(あら輝)が気にいっているのか、創作系(兼定)がお好みなのか。
自己流(なかむら)やワイン寿司(寿司幸)まで掲載していますからまさに

訪問した店を片っ端から星付け

しているとしか思えません。
そして評価をアップした店の中で最も驚嘆したのは

分とく山の2つ星昇格

であります。京都の京料理や大阪の割烹などを食べ慣れた東京の外食好きの中で、この「分とく山」の料理に

高評価を与える

人がいるとは思えません。ミシュラン調査員は本当に京都と東京の店を食べ比べているのか。

またここ数年訪問していないであろうと思う店もありました。赤坂の「楽亭」が2つ星維持のままというのも私には理解できません。
巷から聞こえてくる評価は最近芳しくないものばかり。20年来ファンだった友里も、残念ながらクオリティの劣化に目を瞑る次元を越えてしまったと判断したくらいであります。ミシュラン調査員は店へ行っていないのか、天麩羅の良し悪しがわからないのどちらかで、クオリティ劣化に気付いていないのでしょう。

客が殺到しているからといってその店の料理が真に美味しいと限らないのは「カンテサンス」はじめ多くの過大評価店を見ればわかります。しかし、客が寄りつかない店だというのに高評価してしまって良いのでしょうか。
店の釣りキャッチやライターのヨイショ記事に誘われて店へ押しかける客の心情は理解できますが、客が少ないというのは世間に認知されていない店を除いては

美味しくない、CPが悪い

という店ではないでしょうか。ところがマスコミに露出していながら、世間で周知されていながら、集客に苦労している店に星がついているのですから私には理解できません。具体例を挙げますと

西麻布の鮨青木、れい家菜

であります。特に価格を大幅にダンピングしても集客が芳しくない「れい家菜」が

2つ星

とは驚きであります。ここ数年訪問しておらず閑散さを調査員は知らないのでしょうか。

オデンだか創作和食だかはっきりしない「ながずみ」に今や東京では青柳グループはこの一軒だけではないか「ばさら」。今回見事に星1つ付きましたが、これも悪い冗談だとしか言えません。
東京地区だけで星付き店がなんと

240店

と乱発の極み。3つ星だけでも14軒あるのですから、その価値の低下は誰でもわかるというものです。
友里がミシュランネタで稼げなくなってしまった現実、

ミシュラン転けて、友里も転けてしまった

ということでしょう。

お呼びでない? ミシュランガイド関東版

ミシュランガイド東京・横浜・鎌倉2011年版のプレス発表が昨日あったようです。ネットではいくつかニュース報道がでておりましたが、星付き店すべてのリストが見当たりません。
去年までなら発表と同時に出回っていたはずですが、私の検索力が未熟なのか、今年は見当たらないのです。出てきたのは3つ星店だけ。しかしその新3つ星店の名前を見て、私は椅子から転げ落ちそうになりました。

あら輝 濱田屋 七丁目京星 臼杵ふぐ山田屋

本当にこれらの店が東京の最高峰の料理を提供しているというのでしょうか。

「臼杵ふぐ山田屋」は支払い額の割に食後感が良いとして、友里は昨年まで肯定的に見ていたのですが、先日訪問して評価を変えたばかりであります。
オススメ本の確認と個人的接待を兼ねて訪問したのですが、食が進まない

甘過ぎるポン酢

に辟易で食べきるのが大変。ふぐ自体の質にも疑問を抱いた上、鰹出汁と昆布入り醤油を使用しているというポン酢がすごく

不味い

のです。不自然な添加物混入と見紛う味わい。たとえ上質なフグを使用していたとしても、このポン酢では繊細な味わいが消されてしまいます。
唐揚げの衣も妙に味が濃くなっており、焼きフグや鍋に添えられるポン酢も不自然とも言える味の濃さでありました。

接待客が皆食べ残してしまったフグ、何のために接待したのかわかりません。
確認のためとしては大きな出費でありましたが、オススメ本への掲載を断念したこの店が3つ星昇格とは

悪い冗談

としか思えません。

「あら輝」も銀座移転でベースとなる客単価が大きく上昇したはず。信者である上野毛住民の他は、最高質を問わないマグロ好きくらいしか注目しない寿司屋だと思っていたのですが、さすがミシュラン調査員。サービスマン現役時代は高額寿司屋とは縁遠かったようで、子供と同じく

単なるマグロ好き

であることがわかりました。

「濱田屋」は昨年2つ星に降格したばかりだというのに1年で復帰という不思議。私はこのまま無星に消え去ると思っていたので驚いたのです。

「七丁目 京星」は客単価3万円を超える破格の高額天麩羅屋。海老の数だけは多いですが、どのタネも小振りすぎて肝心の食材の味や食感を提供できておりません。素揚げに近い衣も評価がわかれるところであります。

うーーん、こんな店ばかりを3つ星に祭り上げてしまうと、その店の料理人だけではなく常連客も

勘違い

してしまうのではないでしょうか。勘違いだけではなく、常連客にとっては

その後の外食人生を踏み間違える

危険もでてきてしまいます。

しかし「濱田屋」、「幸村」、「石かわ」、「臼杵ふぐ山田屋」、「えさき」など3つ星店は、濃い味料理を提供する店がほとんど。
3つ星を取りたいなら、経験不足の調査員狙いで

味を濃くする

のが一番の対策であると私は考えます。