前から話があったのですが、ようやく具体化してきました。2年ぶりに友里征耶の書いた本が年内一部の本屋さんに並びそうです。本を出された方ならおわかりいただけると思うのですが、スポットライトを1度浴びた歌手と同じで、本の出版も病みつきになります。出さないと世に忘れ去られるのではないかとの不安。自己顕示欲を潔く認める友里としましていくらかホッとしました。
詳細をお話しすることはできないのですが、今回はかなり趣向を変えたものになりそうです。3冊目となると同じ傾向では飽きてしまうでしょう。だからといって、誰かさんみたいに売れるように方向転換をすることはありません。初心を忘れず、切り口は同じにするつもりですが、著し方、取り上げる店の傾向が少し変わるかもしれません。現在鋭意取材中であります。
でもこんなこと書くと、店へ行きにくくなるかもしれませんね。
出版に限らず、マスコミものは掲題のとおり「ネガティヴ」な表現を好まないようです。というか、はっきりいうと売れない、数字が取れない、ということでしょうか。
今になって週刊誌はじめ新聞でも、ジーコジャパンの実力、裏事情を書くようになってきていますが、私に言わせると、知っているなら最初から書けよ、と。
田中角栄氏の金脈問題を立花氏が発表したとき、番記者はじめ政治記者は「そんなこと皆前から知っていたこと」と言っていたそうですね。マスコミは何十年経ってもあまり成長していないようです。
グルメ本、店評価本も「べた褒め」、「ヨイショ」のような「煽り物」がいいとのこと。友里の「シェフ板」2冊がたいして売れなかったのが証左と言われますが、中には犬養さんの「ハッピー本」や大谷さんの「グルメセレブ本」のようにヨイショ一辺倒の本でも売れていないようですから、この業界のパイは小さいのかもしれません。セミプロの「さとなお」さんの方が売れているのではないでしょうか。
無理にフッた観がありますがありますが、久々に「さとなお」さんについて。もうQ事務所にご迷惑をおかけしないので安心です。最近は伊藤さんとの少女趣味みたいな交換換日記みたいなブログでしか店訪問の記述を見かけなくなりました。サイトでは身近な話題が主体で私がなんだかんだ言うべきものではないのですが、久々にお得意の甘いというか、温いお考えを披露されています。
セレブ美容整形医の娘さん誘拐事件で、彼女らの実名、インタビュー姿、自宅などの個人情報を天下のNHKまで流していたことを憂いていらっしゃいました。どこまでお人がいいのか。甘いのか。それともそのようにわざと振舞っているのか。
これは整形医業の宣伝として彼女らが実名、写真公開を許しているからに他なりません。同時期にあった、赤ちゃんを乗せたまま車を盗まれた事件。母親はインタビューに応じていましたが、顔どころか実名もでていません。警察へ誘拐された娘を迎えにいって出てきたところで、普通の親は立ちながらマスコミの質問に答えますか。またあんな服装で娘を警察へ迎えに行くものなのか。マスコミが待ち構えている自宅へ2日ぶりで堂々と帰ってきてまたそこで、普通の人がンタビューを受けますか。
表面しか見ない正義の味方、「さとなお」さん。とにかく第一歩、まず始めなけらばならない、と声高に応援した「郵政民営化」でしたが、その後何か改革があったでしょうか。これから何か改革が進むのか。
体制寄り、ヨイショ、べた褒め、しか世に受けないというならば、第3弾の友里本も本屋から姿を消すのはあっという間かもしれません。
ネガティヴな内容では売れない
くわ野
今日はQサイトの最終コラムで簡単におススメした鮨屋についてもう少し詳しく書いてみます。
赤坂の街場寿司屋出身の主人と女将の8席の小さな店です。「久兵衛本店」の隣のビルに独立店を出す決意をした主人の大胆さに私は驚きました。
この店は前もっての一人客の予約を受け付けません。電話で日時を言ってから訪問人数は一人だと告げると急に女将の口調が変わります。そして絞るような声色で「一杯です」。
ではその週の空いている日に行きたいからその曜日を教えてくれと申し込んでも、女将は答えを濁してはっきり返事をしません。これは「松波」と同じく、一人客を歓迎しないのだろうと察してその日はあきらめました。
思ったとおりで、翌日知人に頼んで最初に断られた日を2名で申し込んだらあっさり予約が入ってしまいました。なぜ最初から潔く「一人客御免」を宣言しないのか。雑誌では一切そのようなことは述べておりません。8席のカウンターだけのキャパなので、端数が残ると売上減となるので嫌がっているのか。それとも、オタクやネット評論家は一人客が多いという事で避けているのか。雑誌にあるにこやかな夫婦からは想像できない「一人客撃退」に私は憤慨したのです。小細工せず、一人客がいやならはっきり宣言しろと。
ネガティヴな先入観をもって店を訪れたのですが、ツマミも含めてタネ質は悪くなく、酢飯とタネのバランス取れた握りでありました。ツマミも結構充実していて、鮨タネとかぶらないものも多い。酒飲みでもゆっくりと楽しめるでしょう。海老が?でありましたが、あとは炙った穴子、煮ハマ、ヅケ、コハダと仕事物も含めて満足しました。
やはり鮨は修行店の良し悪しではなく、主人のタネ質への拘りを含めた心意気に左右されるものなのか。やれ有名店やホテルで修行したとお題目唱える鮨店に勝るとも劣らない街場寿司出身の店がでてくるのは、鮨業界の活性化にもつながるでしょう。名前だけではなく、今現在仕入れているタネ質や仕事ぶりが大事だということです。
煮きりを青魚用も入れて2種用意しているのも面白く、タネ数も豊富で一人2万数千円。一人で行けないのが難点ですが、数ヵ月後に再訪してしまいました。
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入ったビルで天国と地獄に分かれる
中元シーズンで各デパートはかなり混雑のようです。
しかし、この中元、歳暮の時期だけでなくても土日は駐車場がどこの店でも満杯になるほど盛況。
同じビルでも「交詢ビル」はいつでも駐車できますからえらい違いです。
その駐車場よりも差が大きいのが、飲食店フロアの満席度ではないでしょうか。平日はそれほどでもないでしょうが、土日は満席どころか何十分もの行列待ちは当たり前。満遍なくどんな店でも賑わっていますから、店側としては笑いが止まらないでしょう。
私が特に感心するのは伊勢丹本店です。ここの飲食店フロアは特に盛況感があり、よほどの忍耐力がなければ食事をすることができません。
この値段でよく恥ずかしげもなくこんなレベルの低い料理を出すなとあきれる「分とく山」。同じく高くてぱっとしない洋食屋「西櫻亭」に、ただの街場寿司屋の「魯山」など冷静になって食すればわざわざ並んで食べるほどのものではないことがわかるはずです。「チャヤ」、「天一」、「宮川」など本店もパットしないのに百貨店仕様に落としているのですからなおさらと言えるでしょう。
しかし、どれも満席。
同じ伊勢丹グループでもバーニーズが入っている「交詢ビル」はほとんどの店が未だに閑古鳥で、前にも述べましたが「オストラル」のように閉店したものまであります。(新聞によると、伊勢丹はバーニーズを売却するようです)
このような商業ビルでは、飲食店は集客力のあるところに入らなければならないのは当たり前のはず。そのビルで何時間か過ごすついでに食事をしなければならない客が、飲食店フロアに押し寄せるからです。ビルに客が入りにくい高級セレクトショップでは、その役を果たさないとオープン当時に私は述べました。シャネルビルやエルメスのビルに飲食店フロアを作っても客がはいらないのと同じです。
「アスター」に客が入るくらいですから、よりレベルの高い「離宮」や「趙楊」が同じところに入ったら、今のように閑散となる、昼の営業を見合わせる(趙楊が8月から)ようなことはなかったでしょう。
「逸喜優」も違った展開になったでしょう。「分とく山」と「やた」もレベル的には低いところを争っていますから、同じことが言えます。
つまり審査は厳しいでしょうけど、伊勢丹に入れれば天国、甘い誘いに乗って交詢ビルに間違って入ったために地獄、と商業ビルも真剣に選ばなければ大変なことになるという証左といえます。
しかし、客が来る商業ビルでも本店レベルの店にしてはいけません。客寄せに成功している店は、レベルを落としたディフュージョン版がほとんどだからです。
逆に商業ビルといっても、客が押し寄せないビル、たとえばエステやボディケアのビルでの飲食店は厳しい。予約主体の高額店ならば運営次第で対応できるでしょうが、多店舗展開会社の手抜きで金太郎飴的な料理(セントラルキッチンからの半完成料理をバイトが調理する)では客が入るはずがないと考えます。