その使命は終わったかも、カーザ ヴィニタリア

1階はワインショップ、その2階のワンフロアをシェアしていた「カーザ ヴィニタリア」でありますが、シェア相手「アロマフレスカ」が銀座に移転して単独の営業となりました。

オープン当初は予約困難なイタリアンとして有名でしたが、最近は席数の半分は3ヶ月前からの予約受付、残り半分は当日の14時からの受付とそのシステムを変更しております。
当日の午後までその日のディナー先が決まらないのは嫌だとダメ元で前日に問い合わせした友里一行、なんとあっさり予約が入ってしまったのであります。
当日分を除く半分の席も、前日まで満席になっていなかったと驚いたのは言うまでもありません。

この店の特徴は、総料理長的立場の原田慎次シェフの経歴そのまま。
本場での修業を経験していないだけに、イタリア郷土色を全く感じない料理であります。よく言えば「パスタを出す洋風料理」、はっきり言えば「なんしゃってイタリアン」。

アラカルトは前菜1900円、パスタ2200円、メイン3200円、〆に出るというシンプルパスタ(30g800円、60g1600円)と値段は統一されシステムはいたってシンプル。
でも「なんちゃって」にリストランテ並の支払い(3皿だけで7000円超え)を払うのは意味ないと、シンプルパスタやドルチェを含んだお得感ありそうな7500円のコースを選択しました。

しかしこのコース、前菜は各自選べますが、パスタはテーブル統一で、メインにいたっては真鯛のローストか牛ほほ肉のワイン煮の2種からしか選べないという使い勝手の悪さに唖然。

バーニャカウダはアイスに野菜が直乗せで冷えすぎ。肝心のソースもあっさりし過ぎ。逆にビールやグラススプマンテは冷えておらず不味かった。

トリッパ揚げは普通の煮込みの方が美味しいのではないか。餅豚タンの温玉乗せも、創作料理でイマイチでありました。

量だけはあった前菜に続いたのが完熟トマトのフィットチーネ(ポッコンチーノ乗せ)。郷土色がない典型例の料理なのか、和風味に近かった。

そしてメインは頬肉赤ワイン煮。淡路の玉葱と根セロリをツメ過ぎているのか甘すぎて友里の嗜好にまったくあいません。
〆のシンプルパスタは、トマトとニンニクでありましたが、これも緩い味でイマイチ。単にお腹を最後に膨らませるだけが使命の皿と読みました。

ワインショップを併設している割にワインの値付けは安くなく、1万円の赤ワインにグラスをいくつか頼んでの支払いが2名で3万円弱。
この店の料理を本場のイタリアンと思っては、その後の外食人生を誤ることになるでしょう。