今やイメージダウンの一途をたどるプリンスホテル。ここの元オーナーは何を勘違いしたのか、バブル後も前時代的なセンスでホテルを造り続けてきました。
大磯ロングビーチや苗場プリンスのわずかな成功体験から抜け出せなかったのか、専有面積が小さな部屋(しかも安普請)を数多く要する大ホテルばかりを乱発。
しかも場末の温泉じゃあるまいし、カラオケやボウリング場まで併設してとことん高級感を排除してしまったのです。(コンビニまであります)
そしてトドメがこの、バブル前後に地方で乱立した高層マンションを思い出させる垢抜けない外観のザ・プリンスタワーであります。
グループ最高峰の位置づけでありながら、カラオケルームやボウリング場は健在。
きょうび、地方の温泉ホテルでもこんなセンスはあり得ない。
その田舎ホテルも真っ青の自称高級ホテル内で客入りが割と安定しているのがこのステーキハウス「桂」、場所はカラオケルームもある地下1階であります。
カウンター客は2名単位を考えているようで、鉄板は2名分ずつ独立しておりカップルを意識した造り。
しかしこの「プリンス」と冠した垢抜けないホテルに上客カップルが来るとは考えられない。料理は単品もありますがコース主体で1万2000円から2万3000円まで。
今回は真ん中の1万8000円にチャレンジしました。
フォアグラはバルサミコソース添えでしたが、質が良くなくイマイチ。
自称活け鮑は可愛いサイズでこれまた印象に残りません。
そしてサラダの後の肝心のステーキ、並の和牛(A4ランク)と神戸牛(正式名は神戸ビーフではないのか)のフィレを食べ比べたのですが、生の状態では見た目の違いがわからなかった。
鉄板職人も見ただけではわからないと正直に告白。
塩、辛子醤油、ポン酢の3種で食べるのですが、フィレとはいえ脂が多過ぎたので山葵を注文したところ、出てきたのは本山葵ではなくなんと「混ぜ山葵」。
さすが埋没一途のプリンスと感心してしまった。
ガーリックライスも肝心のガーリックが利いておらず、〆のデザート(炎の演出)がこの日一番無難な料理と確認したのであります。
生ビール(300ccほど)が1000円、小瓶が1100円と酒類の値付けは最悪。ワインリストもプアの一言。
たいしたワインを飲まず2名の支払いが5万円強と、料理は美味くない、女性は落とせない(まともな女性はプリンスの店だと言うと来てくれない)とないない尽くしのステーキハウス。
東京近辺在住の方は、わざわざ訪問する必要はないでしょう。