オデンと言うより高額居酒屋、銀座 力

牛スジやトマトオデンで有名な、銀座では珍しくなった一軒家オデン店であります。友里がレギュラー連載している「月刊 めしとも」で、あの田崎真也元世界一ソムリエが取り上げていたので気になって訪問してみました。
予約をしての訪問でしたが、こんなに繁盛しているとは思わなかった。2階も含めて店内は早い時刻(18時台)で満席になります。フリで飛び込んで断られる客が何組もある、全面喫煙可の人気居酒屋です。

メニューはオデン以外が豊富。烏賊や鮪など居酒屋定番の刺身の他、カワハギやアイナメ、そしてブリなど富山港の魚も揃っています。いずれも2000円前後と居酒屋としては高めですが、価格を考えたらまずまずか。ただしカワハギは変に脂臭かったのが残念でした。馬刺しの盛り合わせ(3000円弱)、富山のブリもこの価格帯の店では文句を言えるものではありません。旨いかどうかは別ですが、サロマ湖の焼きガキは14ヶ以上(小さいけど)あって1700円では一食の価値あり。ただし、ウリの牛スジ(750円)は期待はずれでありました。煮込みを想像しましたが、串刺しで味噌を塗っているタイプ。温くてショッパイだけで私の好みではありません。

この辺でオデンへスイッチしましたが、透明な出汁は塩味が強すぎえ昆布や鰹の深みを感じない。出汁がイマイチだから、肝心のオデンも美味しいとは思えないのです。大根、蒟蒻、半片といった定番ネタはまったく出汁がしみ込んでおらずダメ。豆腐も出汁の上にただ乗っかっているだけのような味わいでありました。
人気のトマトオデンは別皿で提供されます。加熱されたトマトの甘みが塩味と調和しておりこれは面白い。この塩味出汁に唯一合うオデンタネではないでしょうか。煮込みが緩いジャガイモ、つみれ、ロールキャベツなども食しての結論は、オデンだけで集客するには無理がある店。刺身はじめ居酒屋メニューが豊富な訳がわかりました。

出汁には昆布、カツオ、鶏ガラが入っていると店側は言っていましたが、私には塩のインパクトが強すぎて出汁の深みを感じなかった「銀座 力」。「やす幸」系だけではなく、色濃い江戸風オデン「お多幸」よりも出汁はイマイチと思いますが、オデンも出す高額居酒屋として喫煙者にはお勧めです。