相変わらず常連客(リピーター)で連日満席といわれる劇場型創作和食店。
18人を横一列にカウンターに並ばせ18:30より一斉スタートする、別名
ブロイラー飼育型レストラン
とも言われております。
知人に連れられて久々に訪問した友里(この地へ移転して2回目)、長いカウンターの迫力と、特徴ある客層に圧倒されてしまった。
玄関で靴を脱いでカウンターのあるホールへ案内されたのですが、横一線に並ぶ平均年齢の高い男女客を見て、この店の客層が理解できたのであります。
新幹線の最終時刻に間に合うように18:30の一斉スタート制をとっているはずですが、肝心の客は最終新幹線が必用な東京近辺の客はいないのではないか。
あくまで推測でありますが、名古屋や大阪の客が主体と読んだのであります。
その心は彼ら、特に女性の装飾品やバッグと服装のマッチングセンス。
Cブランドの宝飾時計に、オレンジブランドのバッグはオーダーものやエキゾチックレザーといったレアなもの。
ところかどっこい、肝心の服装に高級感が漂ってこないんですね。もしかしたら高額ブランドなのかもしれませんが、何しろセーターなので普段着に見えてしまうんです。客単価3万円前後の高額店ですからちょっと違和感を覚えてしまった。
しかも肘ついて食べるなどマナーもイマイチ。さすが名古屋や大阪と感心したのはいうまでもありません。
それではこの日のブロイラー飼料、もとい一斉スタートコースのスタートです。
まずは先付けとして牡蠣フライや海鼠腸&半生ナマコ。続くカラスミ餅にも言えたことですが、思ったより味付けが濃くない。
次の白子みぞれ椀を食して、今までの「さヽ木=濃い味料理」の先入観は吹っ飛んだのであります。
造りはフグのブツ切り。
フグ刺しは薄いより厚めの方が好きなのですが、このフグは〆てから寝かしが足りないのかコリコリ。関西は東京と違って寝かしによる旨みではなくコリコリ食感を好むようですが友里の嗜好にはあわなかった。
そしてこの時期は珍しいムラサキウニとマグロの握り(佐々木店主の手渡しというパフォーマンス付き)となります。
日頃関西のマグロをバカにしていたのですが、このマグロがかな~り美味しかったことを特記させていただきます。
そしてナメコの茶碗蒸しの後、この劇場最大のパフォーマンス、てんこ盛り食材のご披露タイムとなったのです。
この時期は松葉蟹。何杯重ねているのか数え切れない圧倒数。もちろん店主は客前で蟹の足を出刃包丁で自ら捌くというパフォーマンスも忘れません。
蟹をさして得意としない友里でありますので、この辺りは我慢タイム。
フカヒレの白味噌椀で気を取り直したら、なんとご飯ものはまたまた蟹炒飯が登場してしまった。
蟹好きや滅多に松葉蟹に遭遇しない人には歓喜のコース構成であったのです。
季節の食材を見た目も楽しく客前で披露していく佐々木劇場。
デザート(小豆とバニラアイス、イチゴ)は正直ペケでしたが、年に数回の訪問なら許容範囲かもしれません。