あの予約困難状態は何だったのだろうか。
なぜ港区内の韓国聖域とも言える地に近いビルに出店したのか理由はわかりませんが、アロマフレスカの原田シェフが新たなスタイルの自称イタリアンを出したのは2005年のこと。
当時はアロマフレスカ待望論もありまして(しばし休店していてその後この店と同じフロアで再開し、後に銀座へ移転して埋没)、予約を入れるのが大変だった。友里も苦労して訪問したものでした。
その後も雨後の竹のように乱立しまくったイタリアン業界。目、もとい、舌の肥えた客はイタリアンに真の郷土色を求めるようになったため(関西人を除く)、友里も日本風イタリアンと言いますか、なんちゃってのこの店の存在を忘れていたのですが、風の噂で「席の半数は当日予約」と聞きまして、気になりだしたのであります。
普通、予約が殺到する店が当日予約に切り替える事をするか。
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店内をすべて見ることは出来ませんが、窓側近辺を見る限り
満席には見えない
そこで検証の為重い腰を上げたのであります。
時は4月はじめ。たまには内食かと、どこの予約も入れていない日、思い立って19時前にダメ元と電話をしたらあっさりオッケー。
そして5分後に到着して友里は立っていましたが椅子から転げ落ちそうになったのです。
なんと、客は2組だけ。滞在2時間あまりでもその後の入店客は2組だけで、店内はそれは寂しいものがありました。それでは肝心の料理についても少し述べましょう。
プリフィクスコースは7500円。オープン当時は5500円ではなかったか。この価格ではお得感は激減すると考えます。
まずはバーニャカウダ。野菜の種類や量は多かったけどクラッシュアイスに直乗せで最悪にも野菜の上にも氷がかかっておりました。
炙りサーモンと餅豚のキャベツ包みは、どこの国の料理か深く考えなければまずまずのお味。
ではパスタはどうかと言いますと、完熟トマトと水牛モッツァレラのフィットチーネはいわゆる万人ウケする味付け。深みがないというか、まるで業務用の完熟トマトソースを使用しているかのような食後感でありました。
メインの牛頬肉の煮込みもよく言えば無難、はっきり言うとプロレベルとしての特徴なし。
そしてココット野菜(玉葱だけ)とアラビアータで〆となったのであります。
普段は食べないドルチェでありますが参考のため食べたのがテラミス。これが美味しくないんですね。身内が造った方がはるかに美味しい。
ワインの値付けも安くなく1万円前後(この店では安い方)も充実していない。
なぜこんな「なんちゃって料理」で2万円以上のバローロ、ブルネッロ、スーパータスカンに力を入れるのか。
貧すれば鈍するという諺を思い出して店を後にした友里でありました。