昨年半ばからはじめたフェイスブックの友達から教えられたお店。
銀座ナインという廉価店が集合する建屋(高速道路の高架下)の地下に位置するだけに、環境や店構えから高額店には見えませんが、客単価2万円超えの、どこに出しても恥ずかしくない高額和食店であります。
いや正確に言わせていただくと、「高額居酒屋」と称する方が妥当かもしれません。環境や店構えと支払額にかなりの乖離があるので接待には向いていないと思ったのですが、2回の訪問はいずれもその接待で行ってしまいました。
まずは昨夏の初訪問。テーブル席もありますが我々はカウンターの最奥に着席。
ここで目の前に備えられた灰皿を見て、友里は椅子から転げ落ちそうになったのです。紫煙に晒される高額店だったとは想定外。一気に萎えてしまったのは言うまでもありません。
入店時刻が18時と早かったからか、店内は同伴カップルや銀座のママさんとお店の女性のミーティングディナーなど銀座色がたっぷりの中、お任せコースがスタートしました。
先付けは唐墨大根、シメジ、きんぴらと普通味。続くは湯葉の餡かけ。喫煙者向けなのか濃いめの味付けを確認しました。
時期的には早かった岩手産の松茸フライはまずまず。そしてこの店のウリなのか今冬の訪問でも出てきた塩水ウニ。網ですくって食べるパフォーマンス付きであります。
お椀は海老真丈の枝豆すり流し。この手のお椀では出汁の実力はわからず次回の訪問まで評価は持ち越しとなりました。
続くは夏フグの昆布〆。フグ自体は夏でも味が劣るものではないと聞いておりまして、この時期としては珍しく接待客ウケすのではないか。そして量が多すぎたフグの唐揚げの登場です。
はっきり言えばここまでは居酒屋料理の高級バージョンの連続。店構えや環境から接待に向いていないと思いましたが、雰囲気に拘らない接待相手にはかえってウケるのではないかと考えを改めたのです。
鱧ソーメンに土瓶蒸しが続いて最後の〆はこの店のウリである鯛飯でありました。
2名でも4名でも5合炊くというこの鯛飯、ご飯の量が多いのに味はかなり薄いからか2名や3名では食べきれるものではない。肝心の鯛の身の量(頭もついているのですが)が少なすぎるのではないか。
かくしてその残りはオミヤとして接待客に持たせることが出来るのがせめてもの救い。
そして紹介なしの初訪問だったので現金で決済しようとした友里に女将は意外な対応。なんと、名刺を渡しての後請求(いわゆる掛け)だというのです。掛けどころかカード決済も嫌がる高額店が多いというのにこのアバウトな請求方法に友里は驚きました。
今冬の二回目の訪問でも決済は会社への請求書送付→振り込みでありました。
そしてもう1つ残っていた確認事項がお椀の吸い地。椀タネはズワイ蟹で、吸い地はかなり鰹が強めと感じた次第であります。
夏だけではなく冬もブツ切り刺身、中骨焼きなどフグが登場。キンキの煮付けもついてやはり〆は薄味鯛飯での客単価2万数千円の高額和食、喫煙者の接待にはオススメと考えます。