「店評価ブログ」を更新しました

船場吉兆の偽装問題発覚が止まらないようです。不祥事をおこした会社によくあるパターンなのですが、すべてをさらけ出して出直せばいいものを隠ぺいに奔ってしまってかえって墓穴を掘ってしまう悪循環です。従業員や仕入れ先に責任を押し付けても、それが事実でなければいずれその全貌が暴かれてしまうということがわからなかったのでしょうか。カレーまで売り出したように外販に傾斜しすぎ、売上、利益追求にはしり過ぎたのも偽装の要因の一つでありましょう。
記憶にあるだけでも牛乳、マンション、チョコ、牛肉、エレベーター、地鶏、アンコ餅など悪い先例があるのにそれを反面教師としなかったのはブランド力のあるグループであっただけに残念であります。船場吉兆単体だけではなく、他の吉兆グループのイメージダウンは避けられない。「吉兆」が船場、高麗橋、京都、神戸、東京と5つに分かれていると知る一般客は少ないからであります。湯木貞一翁も泣いているのではないか。
先日ある週刊誌からこの件について取材を受けました。その記事が掲載されるか、また私のコメントが載るかどうかはわかりませんが、この手の偽装、飲食店業界にかなり深く浸透しているのではないかと推測します。
「店評価ブログ」にこの立地、この内容では高すぎるのに結構繁盛している寿司屋「大塚 高勢」と回転させ過ぎでクオリティが落ちたと思われるオデン屋「こなから 新丸ビル店」をアップしました。お暇な時にお立ち寄りください。

やはりミシュランに便乗してきたマスヒロさん

ミシュランガイド東京版の発売に絡めての雑誌や新聞の特集記事で、お馴染になっている店があります。ミシュランに対して媚びない発言がウケているのか、露出が目立つのが「赤坂 菊乃井」主人の村田氏。読者の方から教えていただいた「東京新聞」でも、「料理(皿)だけで日本料理がわかるか」と疑問を提起、ミシュランというかナレ氏に尻尾振るシェフや料理人が多い中ある意味見直した友里であります。
しかし、それを言うなら「皿だけでフレンチ」もわかるのだろうか。皿だけで評価できるほどの調査員なら、なぜ最終的に店に仕入れルートや厨房の開示を求めるのでしょう。なぜ仕入先に確認を入れる?
皿だけ(味わっただけ)では、食材の真偽がわからないのではないか。食材の真偽がすべてわかるような舌の持ち主なら、平均月給が30万円前後(婦人画報より)でミシュラン調査員なんてやっているはずがありません。独立して食材・料理評論や講演でバンバン稼げることでしょう。
本日のお題は菊乃井の主人ではなく、このブログの最多登場者であるマスヒロさんについてです。同じく読者の方から教わって婦人画報でのミシュラン特集記事を読んだのですが、この滑稽な記事構成、読んでいる方が恥ずかしくなりました。
「知られざるミシュラン調査員の一日」と題して、マスヒロさんがシャーロック・ホームズに扮し店前のメニューを見、また蝶ネクタイをしてメニューや厨房を調査している様が載っています。
小野二郎さん、ジョエル・ロブション、フェラン・アドリアと巷で評判の人や権威に接近してヨイショで籠絡し、結果彼らを利用して自分の仕事に結びつける彼のビジネスモデルはミシュランでも顕在でした。
コスプレし面白い顔して写真を撮らせるマスヒロさんはある意味サービス精神旺盛な人のようですが、お笑いタレントがやるようなことまでして原稿料(出演料)を稼ぎたいのか。
勘違いミシュランガイド総責任者ナレ氏との対談では最後の「いまだに僕をミシュラン調査員だというシェフが沢山いるのですが、ナレさんからもはっきりいっていただけませんか」には笑ってしまいました。
本当にマスヒロさんを調査員だと思っている「お目出度いシェフ」が存在するのか。
調査員はフランス語と英語が必須とナレ氏は言っています。3ヶ月だかフランスで研修させたことも公開しております。
どこにマスヒロさんが調査員と推測する根拠があるというのか。もしそう思い込んでいたシェフが本当にいたとしたら、調理能力以前に常識力、情報力、分析力、推測力に問題があるのではないか。そんなお店には近づかない方がいいでしょう。
多分「お愛想」で言われたのを本気で受け取ってしまっただけだと思います。
マスヒロさんは星予想で昵懇の「ロブション」、「次郎」、「れい家采」に加えて、最近お気に入りの「レ セゾン」、「カンテサンス」、「トロワグロ」も登場させています。いずれも最近の「おとなの週末」で不自然にまで多く取り上げている店であります。
特に「セゾン」、今回の婦人画報の特集記事で、場所提供などでかなり協力したようであります。最近知人から「本当に美味しいのでぜひ行ってみて」と言われ巷の評判も悪くないだけに、マスヒロさんとのお笑いコラボはかえって評判を落とすことになるのではと残念です。
そして最新の「おとなの週末」では初の和食3つ星になるかもとまで推されているのが六本木の「龍吟」。最近は和食の王道を目指すのか、スペイン風創作料理を目指すのか、それとも「赤坂 ニンジャ」のようにただの「ビックリ料理」を目指すのか、その方向性含めて理解できなくなりつつある店ですが、マスヒロさんと昵懇だとは知りませんでした。
マスヒログループに入るとそのぬるま湯からなかなか抜け出せないのではないかと危惧するのは友里だけでないでしょう。

再びミシュランガイドの総責任者ナレ氏の勘違い発言

11/22の発売を控えて追い込みをかけてきたのでしょう、ミシュランガイド総責任者のナレさん。色々な雑誌に再び露出を繰り返してきています。
発売後に本屋で手に取って中を見た人は、「何だ、たいしたことないじゃないか」と感じてミシュランガイド自体が埋没する可能性がありますので、ミシュランネタも発売前のこの1週間が賞味期限と考え、友里のミシュランへの問題提起もスパートをかけるつもりであります。
今日は11/25号の「読売ウィークリ」からです。92ページから2頁にわたってナレ氏のインタビューが掲載されています。
問題にしたい点を3つ挙げてみます。
1、「東京以外に世界中どこを探しても、16万軒ものレストランがそろっている街はありません。(中略)東京は、1冊のガイドを作るにふさわしい、世界有数の美食都市なのです。」
確かにこれほど幅広いジャンルの店が揃っている都市は他にないかもしれません。しかし、私は言いたい。珍しくシビアな発言をしている伊藤章良氏の意見に「膝ポン」の友里としてはナレ氏の本心は、
「東京以外に世界中どこを探しても、ブランドに弱い小金持ちの客が沢山やってくる街はありません。(中略)東京は、フランス星付き店の支店、提携店を売り込むのが簡単な、世界有数のネギしょったカモ客が沢山いる都市なのです」
ではないでしょうか。
2、「何よりも、カメレオンのように、それぞれの場に合わせて雰囲気を変えられるとう資質が必要です」
ナレ氏が調査員の覆面性を強調したコメントであります。しかし、これは信じがたい。カメレオンになりきっているなら、どうして色々な店でミシュラン調査員の訪問痕跡がこれほど残っているのか。
昨年の段階で、バーで気が緩んだのか自分たちはミシュラン調査員だ、と自慢していたと漏れ聞きました。
銀座のグランメゾンの元マネージャーが調査員だとの情報がなぜ広がるのか。
小さな割烹に近所の酒屋からワイン買ってきて飲んでいた、というみっともない話もなぜ広がるのか。
ナレ氏は、調査員が「自己顕示欲」、「自慢心」を抑えられないという人間の性がわからないようです。
3、「ところが調査員は、美味しいレストランにだけ行けるわけではありません。(中略) 厳選された美味しい物だけを食べられるのは、私だけ。これは総責任者の特権です(笑)」
勘違い、舞い上がり、驕りの極致ではないでしょうか。ミシュラン経費で食べ歩くのは調査員だけで結構。元オリエント急行とか、リゾートホテルに従事していた貴方の高額飲食代を出版費用に上乗せされては、読者はたまったものではありません。顔を晒した貴方がミシュラン経費で食べ歩いて何の意味があるんだ。
店やシェフが特別扱いするのは、ナレ氏自身に対してではなく、自分はミシュランガイドの総責任者だと顔露出した結果の、「ミシュラン」という「看板」にひれ伏しているだけだというのがわかっていない裸の王様。
ミシュランやめてまたオリエント急行へ再就職しても、今のような待遇を受けられると思っているのでしょうか。
だいたいぞろぞろ欧州の調査員も乗り込んできての、6割掲載しているという和食系の店の評価を日本人が信じると思っているのか。
日本を代表する店宣伝ライターである、山本益博氏、犬養裕美子氏、来栖けい氏、梅谷昇氏、大谷浩己氏、森脇慶子氏、浅妻千映子氏、横川潤氏などがチームを組んでパリへ乗り込みフレンチガイドを出版したとして、フランス人はそんな評価を信じるか。
自分たちが信じないような評価方針を東京でやり、日本人だけは信じると思っているところに、ミシュランの根本的な勘違いがあると考えます。
だいたい今までにミシュランガイド(赤本)を1冊でも購入した人がどれほどいるのか。そこそこの外食好きでもそうは購入していないと思います。知名度の割に普及していないのがミシュランガイドなのです。
日本語版とはいえ、外人主体(2人の日本人調査員もパッとしない)で評価した和食系が6割掲載されているミシュランガイド東京版、本当に10万部も売れると思いますか。