山積みだけど注目されていないミシュラン増刷版

残りのベスト10のブログ3本は、21日、25日、26日にアップの予定です。
今日は定番のミシュランネタとします。
読者の方からミシュラン増刷に関して発言しているマスコミ界有名人2名のURLを教えていただきました。牧太郎氏、有田芳生氏のお二方です。
http://www.maki-taro.net/index.cgi?d=20071217
http://saeaki.blog.ocn.ne.jp/arita/2007/12/post_fa55.html
いずれも店名などの誤りは増刷分でまったく訂正されておらず、日本を舐めているとしか思えないという批判であります。
ある2つ星の寿司屋には、事前に取材すると電話連絡があったとか。日時は言わなかったけど外人がカウンターでメモしていたのですぐわかったとの裏話も披露されています。
2つ星鮨屋といえば、「さわ田」、「かねさか」、「拓」の3店しかありません。ホント、まったくいい加減な「覆面取材」であります。
昨日JR駅ビルの大手書店へ、本を購入するついでにミシュラン増刷を確認してきました。レジ横に大きくコーナーを設立し、100冊以上が展示されていましたが、手にとって見ている人、買おうとしている人は皆無。その付近には誰も近寄っていませんでした。
レジ係りは10名いるのに行列ができているくらいですから客は多く混雑していたんですが、ミシュランガイドはすっかり「過去の本」になっておりました。
増刷は15万部だと聞きますが、東京での販売は期待できないようで地方でどのくらい捌けるかにかかっているでしょう。初版が完売(企業とのタイアップ分も含めて)しているので、出版費用は回収していると思います。増刷分の刷り費用は販売価格の数割のはずなので売れ残ってもそうは損害がないとは思います。でも来年も出す訳ですから実質の賞味期限は半年あるかないか。都内に並べる分も地方へ移し、ナレ氏がドサまわりしてサイン会しまくらなければ15万部の完売は難しいでしょう。
来年以降の販売を考えるならば、今年は初版でやめておく手もあったのではないか。品不足で飢餓感を与えて1年引っ張った方がブランドイメージは保てたと考えます。エルメス店頭でバーキンが売れ残って山積みされていたらどう思いますか。もうプレミアム払って買う人はいなくなるでしょう。ブランドイメージで売る商品は、品不足状態が必須であります。

年間ベスト10 期待外れ編

いよいよ今年も押し迫ってきました。デビューから4年半超、今年もなんとか無事に年を越せそうです。この一年、ブログのほか、日刊ゲンダイ、週刊現代、女性自身、週刊朝日、朝日新聞、文藝春秋、TV東京とマスコミ露出も少しずつ増えてきました。初心忘れず勘違いしないように今後も気をつけていく所存です。
ここまで来れたのは本当に読者の皆様のご支援の賜物と感謝いたします。来年もどうぞよろしくお願いします。
さて今日から4回にわけまして友里の年間ベスト10を書いていきたいと思います。ただし普通のベスト10ではへそ曲がりな私としては面白くない。そこで、
1、期待外れベスト10(新規訪問に限定)
2、意外に良かったベスト10(同じく新規訪問)
3、やっぱりダメだったベスト10(再訪も含む)
4、おススメのベスト10(再訪含む)
にわけました。
今日は期待が大きかっただけにその落胆ははかり知れない?お店10店です。
順位は関係ありません。
鮨 はしぐち
一説には東京最高との噂も聞いた「沈む握り」がウリの店。2回の訪問でしたが、確かに2回目はその沈みが確認できました。
しかし沈んだからと言って味わいに違いがあるものなのか。ツマミになかなかのものがあり、トリガイなども良かったですが、タネ数少なくそれほどの質の高さを感じません。主人の掌のあまりの大きさに驚きました。ただし、支払はそれほど高くはなく小食の方ならCPは良いでしょう。東京トップと期待して行くとちょっと落胆します。
鮨 武蔵
マスヒロさんが酢飯と〆物を絶賛していた青山の新店。訪問してはじめてわかったのですが、西大島の「與兵衛」を手伝っていた人の独立店でした。修業先の店より立地も内装もかなり立派。そして鮨もまったく「與兵衛」と違ったタイプの寿司でありました。修業していても「與兵衛」の鮨が好きではなかったらしい。
主人が「普通の鮨屋です」と言っていたように、タネ質、仕事と普通でした。
川喜
芦原温泉近くの三国港の越前蟹をメインにする高額店。週刊誌でマスヒロさんも煽っておりました。
うーん、二人で越前蟹1杯のコースで充分(それでも一人3万円強)ですが、茹で出汁を使いまわしているのか蟹が不自然なまで濃厚味。最後は胸やけしました。
地元福井出身の知人に聞いたら、地元民は近寄らない店だとのこと。もっと美味しい献上品を扱っている浜茹での店は他にあるそうです。
四川料理 川菜館
伊藤章良氏が「四川料理が中心。赤くて美しくて奥深い、絶妙な辛味が堪能できます。」と褒めていた四川料理店。かなり期待して行ったのですが、実態は街場の四川風中華でした。辛い料理、確かに赤いのですが、コクというか旨みがない。辣油、豆板醤、甜麺醤などがダメなのでしょう。
麻婆豆腐1000円、水煮牛肉2500円など量のわりに価格は安いのですが、味はまったく街場それなりでした。
芝蘭や四川一貫の食後感とは比べ物になりません。
井雪
「京味」から独立して1年経ってこなれたかと訪問したけど落胆。価格は京味の2/3(それでも2万数千円)なれど、味わいはまったく異なります。妙に味が濃すぎる。業界人や年配客専門の味付けでした。常連に玉子焼きやカレーまでだし、金持ち優遇の接客が見え見えだった店でありました。
「京味」の主人、西さんが注意したとかでもうカレーは出していないそうです。
ラ キャンタン
駒沢大学駅近くの、カウンターベトベト、女性シェフは社会常識ないかと思われるほど無愛想な自称ビストロです。期待して行ったのですが、料理もチョイ調理で美味しくありません。
近所の「クワン」の方が数倍満足します。
オーベルジュ ド リル ナゴヤ
高過ぎる。特にワインの値付けが目を疑うばかりの強気。トリンバック(アルザスのメーカー)の一番安いリースリングで1万2千円ですから驚きです。
スペシャリテのフォアグラテリーヌも他店の上物との違いがわかりません。
安いワイン(といっても絶対値は高い)を控え目に飲んで、一人5万円弱は普通怒るでしょう。
ラ ボスケッタ
キオラ時代の鵜野シェフの料理が好きだったのですが、完全な期待外れ。ガラス食器で供される多皿料理はどれも小ポーションで印象に残りません。
イタリアワインの品ぞろえもまったくプアでした。
イル・リストランテ・ネッラ・ペルゴラ
犬養裕美子さんおススメの店。過食のオコチャマも褒めていたので嫌な予感がしたのですが、これまた期待外れでした。
後で周りの人に意見を聞いたところ、かなり評判が悪い店のようです。プリフィクスで選べる料理の種類は豊富なんですが、どれも凡庸。ロンバルディア専門店とオコチャマ言っているけどそんな料理はほとんどなかった。オコチャマには一度海外へ行って研鑽して来てもらいたいものです。
イル カランドリーノ 東京
3つ星提携店ということで期待したのですが、ご多聞にもれず多皿で小ポーション。いくつかのスペシャリテもまったく凡庸でありました。
イベリコ豚の24時間ロースト、繊維質もなくなるくらい火入れ過ぎで、何の食材かわからないほど。最後のチーズが一番おいしかった。

不満だったら実力証明して

先週の夕刊フジのミシュランネタ記事の見出しであります。ミシュラン権威失墜の総責任者ナレ氏と40分にわたる単独インタビューが掲載されていました。
「星の数が少ないことを不満とするシェフが出るのは仕方ない。不満だったら次の年に「実力を」証明してほしい」と述べています。
確かに不満のシェフの中には真の実力が不足している店もあるでしょう。しかし、「森本XEX」やホテルの鉄板焼、「田はら」に星を与えてしまったミシュラン調査員こそ「実力のなさ」をさらけ出してしまっていると言えないか。
欧州人3人の調査員はベテラン、2名の日本人も欧州で修業してミシュランの基準を学んでいる。よって掲載された日本料理店はミシュランの基準で選んだお勧めできるところ、と胸を張っておりました。
しかしこのミシュランの評価基準そのものが和食に対応できないという根本的な問題点を理解していないナレ氏。例えて言えば、ミュージカル評論家がいきなり来日して「ミュージカル基準」で歌舞伎を評価しようとしているようなものです。わかるわけがありません。
また調査員は週に6日、昼夜食事をして年間400?600回食べているので1800軒の調査は可能だったと述べています。しかし東京の有名店、特に鮨や和食は昼営業していない店が多いのを知らないのか。小さなオーナー店ではないグランメゾン系など規模の大きい店では、昼はシェフが出ていないことがあるのは周知の事実。ランチだけでその店を判断することは難しいのですが、その辺の事情をナレ氏がご存じないのは、「食」ではなくホテル関係の経歴が主体なので仕方ないのかもしれません。
年に600回も外食できるという調査員の「鉄の胃」は認めますが、「鉄の舌」で味がわからないのではないかと指摘されたらどうするのか。自分は大丈夫だ、経験ある、実力もある、という「行った者勝ち」の定則はミシュランでも健在でした。
弁解すればするほど、強弁すればするほど粗が見えてしまうミシュラン東京版であります。先月の熱気があっという間に冷めてしまってマスコミの注目度が激減したので焦って夕刊紙の単独インタビューに応じたのかもしれません。
さて本日はもう一つミシュランネタです。読者の方から教えていただいたSPAの記事からです。
いまある人たちの間で「ミシュランゲーム」なるものが流行っているそうです。
欧州人に見える外人を連れて2名で店を訪問し、調査員になりすますゲームだとか。メニューを凝視する、店内をゆっくり見回しヒソヒソと囁き合う。そうすると店側からにじり寄ってきてサービス料理が出てくるなど特別待遇を楽しむそうです。
これが本当の話だったら、ミシュラン調査員だけではなく日本のお店のレベルも高くはないということでしょうか。