年間ベスト10 やっぱりダメだった編

あら輝
久々の訪問。まだ夜2回転を続けております。
横一列に並ばされて同じツマミや握りを次々置いていく様を傍から見ると、客はまるでブロイラーではないか。
星鰈、蒸しアワビ、ウニとそれほどのものを感じません。
握りも手数が多く、酢飯は特徴なくやや粘つき気味。ウリのチョモランマ、中トロ部分を3人分まとめて手巻きで出してくるものですが、タネさえあれば家でも出来るようなもの。感激のあまり涙ぐむ信奉者の客もいましたが、このサロン化した雰囲気が主人を勘違いさせ、マスコミを惑わして日本有数の鮨屋に仕立て上げてしまったようです。
田吾作寿司
怖いもの食べたさで今年も行ってしまいました。相変わらず酢飯は変で、アン肝レタス巻きも健在でしたが美味しくない。創作寿司が完全に悪い方へ進んでしまっていると判断します。私と同じような意見がアスクユーのレビューにもありました。07?01?12付の書き込みです。

http://www.asku.com/RV/010R/?_item_id=6052385&area_id=13

寿司 はせ川
島田紳助のお店。ジョージアンクラブの対面にあります。職人がイヤホンとマイクをつけている変な寿司屋。有名人の店の割には訪問時(オープン一か月後)客が少なかった。
タネ質、仕事、握りとまったく凡庸。これでは近辺の数ある高額鮨屋(図抜けた店はないですけど)とも勝負になりません。大阪からの進出は東京の鮨屋のリサーチ不足と言えるでしょう。伸助は標準以上の高額鮨屋を東京で食べた事があるのでしょうか。
ちなみに「はせがわ」は紳助の本名だそうです。
山田チカラ
旬香亭メルカドのシェフが独立したのはいいのですが、何を勘違いしたか茶道に関心をもって創作和食の店にしてしまいました。(元はスパニッシュ)
醤油のヌーベや粉末フォアグラも今や珍しいものではありません。勿論美味しいものでもない。10皿の料理のうち、トマトソースものが3皿もありました。
結構造り置きの料理が多いです。
ぎたろう軍鶏 炭火焼鳥 たかはし
この店の焼鳥を褒めている人、たとえば過食のオコチャマなどまともな焼鳥を食べた事があるのでしょうか。
炭の火力が弱く蒸し焼きみたいな焼鳥は、質も良くありません。入居している雑居ビルに見合う、凡庸レベルの焼鳥です。
すぎ田
全くの過大評価のトンカツ屋。衣がすぐ剥がれ落ちるトンカツ、ただ大きいだけの冷凍海老フライ、と旨みなく質も良くない。人気のプレーンオムレツも凡庸でした。
驚くべきはポークソテー。ソテーとは名ばかりで、冷凍肉をかるくフライパンであぶってオーブンで加熱しています。最後はフランべの後、じっくりバターと醤油で煮込んでいますからただの甘ったるく味濃い煮込みみたいなもの。間違っても頼まない方がいいでしょう。
京都和久傳
「あぶらぼう」事件以来の訪問かも。昔の盛況さは影をひそめ、年末近い週末の昼時だというのに半分も客は入っていません。
まだ室町和久傳と料理長が兼任なのかわかりませんが、ますますおかしくなっております。やたらと味付けが濃い。いくつかの料理に粒山椒を多用しているのも気になりました。
お椀ダメ、炊き合わせもダメ、鯛茶も海老芋も山椒強すぎて、まるで業界人向けの味付けでした。
竹やぶ  六本木ヒルズ
とにかく量が少なくて高い蕎麦屋。出汁も少なくて蕎麦湯も満足に楽しめず1260円ですから呆れます。肝心の蕎麦もそれほどではない。
ツマミも高い。おススメのゴボ天、わずかな量で735円は牛蒡の旨みなし。冷やし蕎麦掻、夏限定で小さな塊り2つにそれぞれ胡瓜とトマトの細切れが入っているだけで1470円。まったくのアイデア倒れでありミスマッチであります。これで1つ星はいかがなものか。
アッピア アルタ 西麻布
「まっくろう」が1年持たず、あの南麻布の「アッピア」が支店を出してきました。前菜はお約束の「おばんざい」のようにカートに大皿でプレゼンされます。冷、温と種類だけは豊富なれど調理レベルは普通。年配客向も安心の「洋食」に位置するような調理であります。
パスタは乾麺と手打ちの2種しかなく、調理法も少ない。メインは岩手牛、山形牛、豚、子羊の4種がカートでプレゼンされますが、基本はグリルしかありません。
熟練のプロの調理と言うより、経験の浅い厨房スタッフのわかりやすい家庭料理の延長線上と言えるでしょう。
ポール・ボキューズ ミュゼ
単なる美術館内の高額ファミレスか。本店のメゾンもたいしたことないけど、ここは更に食後感が悪い。
ポール・ボキューズの日本進出はこれで3回目のチャレンジなのですが、ブラッスリーとしては初めてリヨンを出たからか、初進出みたいな間違った印象を一般客に与えてしまっているのは罪なことです。

「店評価ブログ」を更新しました

クリスマスシーズンはやはり寒くならなければ気分が出ませんね。多分昨日がフレンチ、イタリアンの店では1年で一番の稼ぎ時だったと思いますが、今年は暦でイヴが振替休日ですから当日の盛り上がりは少ないかもしれません。
ミシュラン星付き店もすべての店が年内予約一杯というわけではないようです。特に和食系は1週間前だというのにクリスマス時期に予約が入るところがありました。ミシュラン掲載のおかげで予約の電話は殺到したようですが、「ドタキャン」も多くなり、かなりナーバスになっている店もあるようです。予約が基本で客単価が数万円の店でドタキャンが続出したらたまりません。旅行者ではなく外食をほとんどしないミーハーを釣ってしまったとすれば、ミシュランも罪作りなものです。
さて、「店評価ブログ」にホテルの鉄板焼と同じクオリティで一段階安い値付けの「鉄板焼 馨」と、名古屋のバブルを実感したというか、こんなレベルの料理を出すとは名古屋を舐めているのかと感じました「吉兆 名古屋店」をアップしました。京都と名古屋は新幹線で30分前後。名古屋の吉兆よりはるかにCPよくクオリティ高い京料理が京都には沢山あります。

年間ベスト10 予想外に良かった編

鮨 福元
HPで毎日ネタの更新をしている下北沢の鮨屋。主人は饒舌です。
天然ものしか扱っていないと豪語する割に支払は1万5千円前後とリーズナブル。この支払なら、赤酢の酢飯、タネ質、仕事は充分であると考えます。
銀座 青空
「すきやばし 次郎」の3番手の独立店。タネ質、仕事は次郎とほとんど大差なく、アン肝などのツマミも出て、それで次郎の半額に近いですからこれはおススメというものです。酢飯はちょっときついかもしれません。
くしかんざし 久
京都・先斗町のどちらかというと創作系に位置する和食屋さん。元はその名の通り串揚げをやっていたとの話も聞きます。マスコミ取材は原則お断りとか。
和久傳へ入る前の「幸村」の主人も短期間ですが修業していたそうです。
純粋な京料理に飽きた時や京都に何泊もするときの一晩には、この変化球京料理は面白いでしょう。高級食材テンコ盛りですから業界人にもウケるはず。
鉄板焼 馨
西麻布の隠れ家的な鉄板焼。「臼杵ふぐ 山田屋」と同じマンションの地下にあります。
ホテルの鉄板焼の真ん中の価格に値する1万6800円(この店では最高値)でホテルの高価格のコース内容が供されます。
ホテルの鉄板焼に肉質、調理技術の違いなし。これ定説です。プリンスホテル出身の料理人のこの店、ホテルへ行くくらいならこちらで充分であります。
英ちゃん冨久鮓
大阪・難波近くの高額寿司屋。ネーミングセンスで判断するならば、絶対避けるべき店ですが、食後感は意外に良い。特別に仕入れる重量級の天然フグ、焼きフグで供されるそれは話の種にぜひ一度。
けせらせら
東京カレンダーなどに派手に宣伝されていたダイニング和食だと軽く考えていたのですが、なかなかまともな料理を供します。
ワインをウリにしているので料理は安いけどバコバコ飲むと支払が高くなるのが難点。ワインをグラスのお任せで頼むのは避けたほうがいいでしょう。
ハル・ヤマシタ
自信過剰に見える主人のHP上での発言などを見る限り、絶対駄目だろうと訪問したのですが、CPは悪くなかった。神戸牛をメインにする一番安いコース(昼は5千円前後?夜は7千円弱?)で充分。メイン以外の突き出し、前菜など他の皿は原則各コース共通です。
しかし読者の方から店の客対応の粗さについての指摘メールをいくつもいただいております。その点はご注意ください。
銀座 ラ・トゥール
今回ミシュランで星付いてホッとしていることでしょう。かなりの閑古鳥が店内を闊歩していましたから。
3つのコースのネーミングにセンスがなく、古典的なソースを使う重厚な味付けですが、料理自体は悪くないと思います。
グラスワインは高いですがボトルワインはそれほど高くはないでしょう。
ラトリエ ドゥ ジョエル ロブション
オープン当初からかなりの回数通わせていただいております。シェフが変わったようで料理がかなり美味しくなりました。
ただカウンターなのにサービス料をとり、ワインが高過ぎる(特にグラスワイン)のが最大の問題点。
運営会社フォーシーズ(ピザーラの会社です)には、もっと良心的な値付けを期待します。
アロニア ド タカザワ
一日2組限定の赤坂のフレンチ。オコチャマ推薦の店でしたが、意外に面白い店でした。
創作フレンチなのですが友里的にも何とか許容範囲以内の調理。しかしこのまま創作にはしり過ぎると行き詰るか、滑稽な料理になる危険があります。
スティルワインは日本製で価格はかなり高いものしかないのと、店内の換気が悪く煙が充満するのが難点。