今年も一年、大変お世話になりました

あっという間の1年でした。相変わらず店癒着の評論家、ライターが跋扈する飲食店業界にミシュランまで乗り込んできた2007年。
普段外食をしない人たちにまで影響を与えた事は、ある意味評価できるのですが、店側とシェイクハンドしてしまったミシュランをそのまま信じこむ人も増えてしまったのではないかと心配です。
山本益博氏、犬養裕美子氏、来栖けい氏、大谷浩己氏、浅妻千映子氏、森脇慶子氏、横川潤氏など一般客ではない店側スタンスのライターばかりの日本で、ミシュランまで彼らの陣営に加わってしまったのです。友里流に言わせていただければ、日本の悲劇というところでしょうか。
最近はJ.C.オカザワも貯えがなくなってきたのかラーメンだ、焼きトンだとB級グルメに転換して脱落していまいました。来年は柳生九兵衛氏とバトル本を共著で出してもらいたいものです。
そんな孤立無援の友里ですが、来年からもう一つ、定期的な露出媒体が増えることになりましたのでここに紹介させていただきます。
今年はじめ講談社から出版のオファーをいただいたのですが、色々と協議していくうちにまずは、講談社のポータルサイト「モウラ」のコンテンツの一つとして担当することになりました。
http://moura.jp/
来年の1月7日の月曜から週2回、月曜と木曜に更新する予定ですので、このブログ同様、ご贔屓にしていただければ幸いです。
内容はこのダイアリーや「店評価ブログ」とは重複するものではありません。すべて書き下ろしであります。
ミシュラン掲載店に的を絞り、友里流に評価していく内容となります。
さて、今年最後の「店評価ブログ」を更新しました。
大阪で出した寿司屋が好調だったからでしょうか、社員からの「東京で勝負したい」という声にこたえて島田紳助が進出を決断して出したのが、西麻布の「寿司 はせ川」。
予想通り私的には、東京への進出は10年早いというか、紳助は東京の高額鮨屋を知らなかったというか、レベル的には他の高額鮨店とまったく勝負にならないお店でありました。お暇な時にお立ち寄りください。
最後に。
今年も大変お世話になりました。良いお年をお迎えください。
年末年始、個人的にバタバタしそうですので新年のご挨拶が遅れるかもしれません。ご容赦ください。

やっぱり皿だけではわからなかったミシュラン調査員

ミシュランHPのプレスリリースに、ミシュランガイド東京版の正誤表が掲載されています。
店名など基本データの間違いを増刷版で何ら修正されていない不誠実さに、各方面の人から批判がでていましたから慌てて対応したのでしょうか。まずはご覧ください。
http://www.michelin.co.jp/media_center/news/corporate/071210-2.html
このなかで笑ってしまったのがP265での正誤対比です。選ばれたために、1つ星の権威を一気に陥落させてしまった店の代表格の一つ、「森本XEX」での記述の一部で、「千葉産の伊達地鶏」を「地養鶏」と修正しています。
この誤掲載の原因は
1、 調査員が食べて「地養鶏」を「伊達地鶏」と間違って判断してしまった。
2、 店側の説明を聞き間違えて書いてしまった。
3、 昨今の偽装問題の拡大で仕入れルートからの漏えいを恐れて、店側が慌てて説明を修正してきた。
この3点くらいしか考えられませんが、第一項はまずあり得ません。他の店の記述でも言えることですが、ミシュランは自分の検証をまったく載せず店側の口上しか垂れ流ししていないからです。「地養鶏」を食べて「地鶏」と間違える舌の持ち主で、知っている地鶏の銘柄が「千葉の伊達」だった、などという可能性はまずないでしょう。ここまでいい加減な調査員なら日本からの撤退を私はおススメします。
おそらく、第3項に限りなく近いのではないかと私は考えます。いくらミシュランの調査員のレベルが低いからと言って、「地鶏」とどちらかというとブロイラーに近い「地養鶏」の違いを知らなかったとは思えない。店側が「地養鶏」と発言して「千葉産の伊達鶏」と聞き間違うのは伝言ゲームでも無理ではないか。
どちらにしても今回、ミシュラン調査員は「鶏」の質が見分けられない普通の舌の持ち主だったということを自ら明かしてしまったということです。
おそらく日本人調査員も含めて、ヒラメ、カレイ、鯛、鱸など白身の魚の違いも食べてもわからないのではないか。何千、何万という数は必要ないですが、ある程度食べ比べた経験がなければわかるはずがないからです。こんな「地養鶏」と「地鶏」の区別もつかないような低レベルの調査員が「鮨屋」や「割烹」を評価しているのですから、如何に「ミシュランガイド東京版」がいい加減な評価であるかがわかるというものです。
話は変わりますが読者の方から銀座の「リョウリ ゲンテン」が閉店しているとの情報をいただきました。早速確認に行ったところ、1階と同じくバッグなどの展示フロアになっており、電話も留守録になっていましたから完全に撤退したようです。
角館の地だからこそ評価を得ていた料理人を勘違いさせ銀座に引っ張り出してきた山本益博氏。バッグメーカーのゲンテンをスポンサーにするという評論家の領域を踏み越える「プロデュース」をしてしまうこと自体も批判の対象ですが、あれほど雑誌で煽って宣伝したのにこの結果。
マスヒロさんの舌というか見る目もまったくたいしたことがないということがわかります。プロデュースのセンスもまったくない。
こう書くとご批判もあるかもしれませんが、飲食店をやろうとしている方は、マスヒロさん、犬養裕美子さん、山本コテツさん、小山薫堂さんなどに知恵を借りるよりこの友里に相談された方が流行る店ができるのではないかと思います。儲けることは絶対出来ないでしょうけど。
ネットでは友里が昔ワインバーを経営していて潰した、といったまったくのデタラメを吹聴しているアンチファンがいるようですが、飲食店の皆様、そのような事実はまったくありませんのでご安心ください。

年間ベスト10 おススメのお店

小笹寿し 銀座
延期になったようですが立ち退きの要請があったようです。あの立地から立派なビルに移ったら、値上げしなければクオリティが保てないでしょうからとりあえず良かった。
ミシュラン掲載を拒否したのも立派。繁盛店ですからこれ以上流行ったら入店できなくなります。
タネの種類も多く、ツマミを食べたら握りすべてを制覇するのはよほどの大食漢でなければ無理でしょう。
鮨 さいとう
元「鮨 かねさか 赤坂店」。いつのまにか任されていた人が独立して店名が変わっておりました。
ふらっとやってきた山本益博氏を特別待遇しなかったので、その後寄り付かなくなったと豪語していた主人は当然掲載拒否すると思っていたので、ミシュラン一つ星は想定外で驚きました。わずか6席の店、気軽に入店できなくなりました。
清潔な店内、タネ質も上レベルで酢飯にそれほど個性はないですがバランス良い鮨だと思います。久兵衛出身でも良い店はありますね。つけ場の氷冷蔵庫、いくつかダミーもあるようです。
くわ野
てっきりミシュランに掲載されるかと思っていました。今年も知人と訪問し、満足して帰宅した次第であります。
ツマミも豊富で酒飲みも急かされずゆっくり楽しめる銀座の若手の中ではトップレベルの鮨屋だと思います。
銀座 奈可久
金春通り、「久兵衛」や「くわ野」に近接するビルにこの夏移転してきました。
ツマミにちょっと素人受けするタネを増やしたからか、いくらか価格は上がったようですがそれでもCPは良いでしょう。
相変わらず蛸の桜煮は美味しい。太巻きもグッド。主人も人がよさそうで雰囲気悪くなく個人的に再訪したい店であります。
京味
毎年同じような料理がでてくるなとは思いながらも通ってしまう(と言っても高いので年に数回)お店。ミシュランに掲載拒否したのは当然でしょう。固定客がほとんどですから。
この店を掲載できず、「かんだ」などに3つ星に与えてしまったミシュランは、日本人にとってまったく利用価値がないと言えます。
花霞
京都は祇園の和食。料理長が来年1月で店をやめるということで最後と言う意味での久々の訪問。
独立するそうですが現時点ではまだ場所も決まっていないとか。雇われから独立店になることで、よりCPが向上するのではないかと勝手に期待しております。
吾妻
こんな高額な洋食屋が一軒くらいあっても良いのではないか。オムライス、ハンバーグ、豚カツレツなどが3500円前後。比内地鶏のカレーは5000円、ビーフステーキに至っては1万2000千円だとか。
確かに高い値付けだと言われる洋食屋の中でも、私の知る限り最高値の店ですが、他の洋食屋とは一線を画す調理の丁寧さ、食材の質の高さがあります。
話のタネには良いのではないでしょうか。主人や2番手も気さくな人です。
ロオジエ
予想通りの3つ星。「カンテサンス」と「ロブション」だけで3つ星からこの店を外したらミシュランの権威は地に落ちるどころか地に潜りこんだことでしょう。
4万円のコースまで登場させた割に、アラカルトの品数は増えないなど不満な点もあるのですが、トータル的には東京最高峰のフレンチです。
客が増えすぎてワインが足りなくなったのか、奈良だか生駒の値付けの安いワインショップにオーダーを出したと漏れ聞きました。
ボン ピナール
今まではワインの値付けの安さだけの店だと思っておりましたが、久々の訪問でビックリ。料理もかなり美味しくなってきており、それほど皿出しの遅さも感じなくなりました。
相変わらずシャンパーニュはじめスティルワインも皆安い。高い店と比べると半値に近いのではないか。
料理良し、ワイン安い、と今回の再訪で見直した次第です。
ワイン含めてこのCPだと、近辺の「ブルギニオン」の脅威になると考えます。
あまり人気になって予約が取りにくくなると常連客は怒るでしょうね。
トラットリア デッラ ランテルナ マジカ
目黒のイタリアン。ワインの値付けも安く、ボリュームある料理は価格を考えると満足します。あくまでCPだけの判断です。
あの立地で結構盛況でありましたから、知る人たちには有名な店なのでしょう。
以下の2店はおまけです
龍吟&小十
ミシュラン掲載のご祝儀でまとめて一言。
奇を衒い過ぎる創作に奔り過ぎ、以前よりクオリティが落ちてきた、といった話もいくつか耳に入ってきます。
確かにちょっとやり過ぎではないか、以前はもっと満足したかな、とも思うようになりましたが、ご両人には初心を忘れず頑張ってもらいたいものです。