大塚家具親子によるプロキシーファイト(委任状争奪合戦)が今年は目立ちましたが、なんとあの
村上ファンド(正確にはC&Iホールディングス)
が先週、負け戦をやっておりました。
村上世彰氏の社外取締役選任、否決…黒田電気
表面的な動きは村上氏ではなく長女(まだ20代の若さ)が仕切った形をとっていたようですが、これで
村上ファンドのプロキシーファイト連敗記録はまた更新
されてしまった。
友里も本業で経験があるのですが、日本ではこの手の
敵対的買収の成功は不可能に近い
んですね。
農耕民族である日本人の性格なんでしょうか、現経営陣がアフォで無能なのでお引き取り願いたい、もしくはテコ入れに経営に参加したい、と大株主が主張しても(黒田電気の経営陣がアフォで無能だと言っているのではありません)、
他の大株主はアフォで無能な経営陣側についてしまう
のであります。
友里たちの場合は、日本初とも言える
敵対的買収に成功
となりましたが、それは
発行株式の過半を取得
という力業を発揮したから。(借金して)
この村上ファンドのように、わずか16%しか株式を握っていない状況では
まず敵対的買収は不可能
過半を握った友里たちのケースでも、他の大株主は
反対や棄権といった形で経営陣側に味方した
からであります。
負けるとわかっていても、アフォで無能な経営陣につくくらいですから、わずか16%では大株主が味方につくはずがない。
そんな日本の事情を考えますと、わずか16%でも賛成票が4割に達したと聞きますから、村上ファンドは
大成功
だったと友里は考えます。
ただし、村上ファンドの戦略は時代遅れではないか。
今どき、株主配当最優先&合併・買収促進なんて
どの会社でも試みていること
ではないですか。
配当金増額、自己株取得など最近の企業は株主へかなりの配慮をしてきております。合併や買収も当たり前のこと。そんな今の時代に、10年前の
利益を全部配当に回す(イメージですね)
なんて無茶苦茶なことを主張しても、外人以外の一般株主はついてこないのではないか。
外人は配当のバラマキで一時的に株価が上がれば売り抜けて儲けられるから賛成するでしょうが、安定株主は将来を不安視するからです。
こういう場合は、既存の大株主を捨ててでも、如何に一般株主や個人株主の賛同を得るかが問題。
経営陣のアフォさ、無能さを訴えることに加え、まともな自分たちならこうやるという具体的な政策をひろく株主に訴える
ことが重要と考えます。
テレ朝の情報番組に時々出演する、M&A専門家と言われる有名弁護士が以前TVで言っていましたっけ。
プロキシーファイトで株主に(政策などの)パンフレットを配布することは有効な手段
実はこの弁護士、友里たちとは反する立場にあって実際にプロキシーファイトで戦った相手だったのですが、友里が全株主に配布したカラー刷りのパンフレット2種に関して
なかなかよく出来ていた
と、後にお褒めの言葉をいただいていたのであります。
それ以外にも、会社側(黒田電気)の作戦勝ちがありました。
友里たちの場合は、会社側が臨時株主総会の開催を嫌がって籠城していたので、株を買い増す時間があった。
しかし今回の黒田電気は、定時株主総会が終わったばかりだというのに、すぐさま城を出て
会社自ら臨時株主総会開催に突き進んだ
ということ。
これによって、村上ファンド側は株を買い増す時間がなくなり、臨時株主総会の主催権を得ることが出来ず、総会検査役を申請され
総会議長の座も得られなかった
のであります。
どんな弁護士やコンサルのアドヴァイスを受けていたのか知りませんが連戦連敗の村上ファンド、次の戦いの際には、この友里にコンサルを依頼してはどうかという提案で、本日のブログを〆させていただきます。