昨年末に売り出された日刊ゲンダイ正月版で一夜限りの復活をした記事を本日から3日間にわけて開示させていただきます。
気が抜けた感があるかもしれませんが、少しでも楽しんでいただければ幸いであります。
【電撃復活】行っていい店、わるい店
ゲンダイからお暇をいただいて早3年近く。本業優先で活動を停止せざるを得ず、今やどこに出しても恥ずかしくない埋没悪口料理評論家に成り下がった友里に、この正月版で一夜限りの復活の話をいただいたのは昨年の11月だったしょうか。
ブログやツイッターだけではなくFBの更新も途絶えて持ち前の自己顕示欲の発散の場をなくした友里、待っていましたとばかりこのオファーを受けたのは言うまでもありません。
本日はこの3年間、胸の内、いや腹の中でグツグツと煮えたぎっていた飲食業界の問題点、もとい、「悪口」を発散させていただきます。
なぜ鮨ごときの予約に何ヶ月も待たなければならないのか(怒)
読者のみな様、鮨とはどのようなシチュエーションで食べるものと考えますか。最近は5万円前後もかかる超高額店も見かるようになりましたが、そもそも客単価が2万円前後の高額鮨店、昔はオタクと同伴カップル、そして本当の鮨好きくらいしか行っていなかったはず。
当然ながら予約なんて気にせずいつでも食べたくなった時に訪問することが出来た。特に昼なんてガラガラでした。それが今ではどうなってしまったのか。利益優先主義(はっきり言うとガメツイだけ)のもと、1日数回転営業を保つため、切り置きで乾ききったタネの握りをド素人中心の客に提供する「鮨さいとう」の予約は半年以上先でも入らないとか。いや「鮨三谷」なんて次の予約がほぼ2年後でありましたから友里、帰り際に椅子から転げ落ちそうになったのであります。
でもインスタなどのSNSを見ると、それらの店に毎月通ってキャアキャア騒いでいるド素人が多いんですね。半年先でも予約が入らない店に彼らはなぜ毎月通えるのか。答えは簡単でして、「半年以上前にその先1年間以上の予約を入れまくっている」からであります。
かくいう友里も、違うジャンルの予約困難店では1年以上先の予約を確定しているので大きなことを言える立場ではないのですが、鮨なんて若干の季節タネがあるにはありますが、ほぼ毎回同じタネで同じ調理法。銀座を中心に若い店主の店が乱立しながらもほぼすべて繁盛している理由は、他のジャンルに比べ簡単にスキルの習得が出来、それなりの質のタネを仕入れられればド素人の客には大満足を与えられるから。早い話が、客と店主が成熟せずに一人前になったと勘違いしているからこその現象なのであります。
このようなある意味最悪の環境をつくってしまった鮨業界の立役者は「さいとう」の出身母体である「K」グループか。当初は親しい歌舞伎役者などの後押しでド素人の評判を得、分店・支店を乱造しまくってしまった。
そして食べ手を勘違いさせた立役者は、お笑い系を代表とする自称グルメタレントを中心に、大味嗜好のホリエモンなどなど。
いや古くはミシュランや東カレなどヨイショ雑誌に、最近ではシャチョーが自ら「賢人」と称している出版社の雑誌の方が更に罪作りかもしれません。
そしてインスタなど自己顕示欲発散のツールでしかないSNSに釣られてIT系など若い「成り上がり客」が押し寄せているのが現状であります。
昔の「さいとう」、赤坂で「K」の看板を上げていた頃なんて昼はその場の飛び込みでもオッケー、夜もその日の予約で十分入れたほど客が少なかった。
都心の高額鮨店がわずかしかない状態でこれでしたから、この10年間で自称高額鮨の店主と俄な「成り客」を乱造、もとい、産み出してしまったその関係者の罪は重いと友里は考えます。
フランスに限らず欧州には評価の高いミシュラン星付き店が多く存在していますが、奇想天外な調理や盛り付けをウリにして客寄せに成功したのは良いがそのアイデアが尽きて閉店せざるを得なかった「エルブジ」など一部の変な店を除いて、これら有名店は一見客にも門戸を開いているのが世界標準であります。
友里も欧州出張時には気に入った3つ星店に行きますが、3ヶ月前ならまず予約が入らないことはない。
あのパリの有名店でさえ簡単に言えば誰でも訪問が出来るわけです。
換言すると、日本の俄成りグルメのように競って1年先の予約まで入れるアホな地元民はいないということ。
欧州の富裕層は日本の自称金持ちとは桁違いの資力があるのですが、日本のようにこぞって頻繁に通うため1年先まで予約を入れるようなアホ行為をしない。
日本の俄成り客は、外食以外にお金を使う楽しみを知らないのかもしれません。日本人の習性と言ってしまえばそれまでですが、一種の島国根性であると友里は考えます。
明日に続く