J.C.オカザワが褒めている鮨屋の中で数少ない当りの店と確認し再訪もしていたのですが、この夏、鮨屋の激戦区として知られる金春通り8丁目のビルに移転してきました。近辺には実力はさておき日本一有名な「久兵衛」はじめ、「小笹寿し」、「くわ野」、「青空」と友里も薦める人気店がひしめいています。地代が上がり、果たして以前の食後感を得ることが出来るかどうか、この秋口に友里は訪問しました。
飲食専門ビルの6階、カウンターは8席程ながらテーブルに2つの小上がりと、かなり大箱になっています。2番手の他若い衆、そして女性とスタッフ陣容も倍増し、あの氷柱も立派になっておりました。かなり固定費がアップしたのは一目瞭然、CP悪化を心配しながらツマミからお任せが始まりました。
白魚、カワハギ、海老味噌、トリガイなど高額店で使われるツマミが出てきてビックリ。隣では生牡蠣まででていました。煮物や鮨タネを使っていた以前よりかなりグレードアップと言うか見栄を張ったツマミタネの品揃えであります。良く言えば高級鮨屋の仲間入りですが、ある意味特徴だった「地味さ」がなくなり「高額鮨屋」との差がなくなってしまって少し残念。蛸の桜煮など相変わらず美味しいので、見映えが良くなく仕込みの割に高額請求できないツマミにもっと力を入れていただきたいものです。
握りでは酢飯の酢が少し強くなったような気がしますが充分許容範囲。強めに〆たコハダや白身によくマッチしております。鯖、中トロも良く、この時期難しい赤身も悪くはなかった。気に入っているオミヤの太巻きは2番手が造っていましたが、穴子や玉子がドーンと入っており、やや味濃くなっていましたが相変わらず美味しかった。
気になる支払いは、結構飲んで一人2万数千円。この立地と陣容、そしてツマミの充実では数千円のアップは仕方がないかもしれません。最近の傾向なのか、25時過ぎまで営業しているようで、22時過ぎはフリの客を狙って回転させる方針だとか。相変わらず謙虚な主人の接客は一人客でもゆっくり楽しめることでしょう。このまま勘違いせず真っ当に営業していただくことを願いたい。近辺で「小笹寿し」、「青空」と並んで再訪したい鮨屋が増えて選択に困ることになりました。