あれはバブル崩壊前後のことでありましたか。
ここへ誘い込みさえすれば、飲み直しと称して予約した階下の部屋に女性をエスコートできるとの都市伝説を信じて予約に精を出した男性群。この店はいわゆる「ゲット用レストラン」の最高峰に位置するダイニングであったのです。
最盛期は、特等席と言われた窓際2名テーブルの予約が数ヶ月先まで入らなかったとか。
こう言っては上から目線で申し訳ないのですが、彼ら男性陣と違ってこの手の「ゲット用レストラン」の助けを借りずに目的を達成できた友里にとって、今回の取材は生まれて2回目のパークハイアット訪問となりました。
訪問したのは4月のはじめ。前世紀と違って窓際の特等席、週はじめではありましたが数日前であっさり予約が取れてしまった。まさに隔世の感の一言であります。
最新の外資系ホテルが乱立しているからか、場所が悪い(新宿にお勤めの方、ご免なさい)からか、ホテルフロントは寂しい限り。でもこの「ニューヨークグリル」だけは外人客中心に盛況でありました。
まずは同伴者とグラスシャンパンで乾杯。
しかしノンヴィンのロデレールが1杯2900円は余りに高すぎではないか。アサヒの生ビールも1100円とボッタクリレベル。
料理は魚系もありますがこの店は牛主体の店。前菜もメインも選択肢が少ないアメリカンであります。
値付けと雰囲気は高額店ありますが、きょうび、ニューヨークでこんなステーキ屋みたいなチープなメニューの高額店なんて存在していないのではないか。追い込まれた友里達は当たり外れがなさそうな料理を選んだのであります。
ミックスリーフのサラダ(2100円)は丼のような深い皿での提供。量だけは多かったけど甘塩味で全くのイマイチ。連れが頼んだサーモンも予想通りどうってことなかった。
黒服は和牛を勧めてきましたが、店名にニューヨークを冠するのですから友里が選んだのはUSリブアイ300g(6900円)。
オーダー前にUSDA(アメリカ合衆国農務省)プライムビーフではない普通肉と確認しておりましたが、これまた予想以上に落胆。
肉質や調理(火入れ)のレベルを言う前にまず問題なのが皿の温度。あらかじめ温めていないのでステーキがすぐ冷めてしまうのです。肉がもともと美味しくないだけにこれは致命的。
ソースは4種から選べるのですがどれも甘過ぎ。甘く濃いカリフォルニアワイン(しかも値付けが高い)との相乗効果で更に食欲が落ちてしまいました。
これは同伴者が頼んだものですが、見ただけでイケていないのがわかりますね。
気を取り直して頼んだデザート(1800円一律)やエスプレッソ(1400円)も何かの間違いかと思うほどの高い値付け。
そしてトドメは、テーブルウオッチングも満足にしないくせにサービス料として「13%」の請求でありました。
費用対効果(こんな料理じゃゲットできない)を考えると訪問は避けるべき店。
勿論友里も階下の部屋へ寄らずに直ぐに帰宅したことを最後に付け加えさせていただきます。