史上最年少の28歳でミシュラン3つ星シェフになったマッシミリアーノ・アライモ。日本で知名度があるとは思えないのですが、その北イタリアの3つ星「レ カランドレ」の提携店「イル カランドリーノ 東京」が新丸ビルにオープンしてきました。勿論イタリア3つ星店の直営ではなく、イタリア食材などの輸入商社・(株)アークの関連会社が運営しています。
4月のオープン当時は開店と同時に行列が出来ていましたが、数か月で今や空席も目立つようになりました。なぜ勢いが長続きしなかったのか、答えは簡単、「CPが悪すぎる」に尽きるからであります。
昼のランチは1800円から4500円まで。価格帯は普通ですが、内容がプア。1800円はパスタ(これが少量)と食後の飲み物だけ。ドルチェはプラス500円です。3000円でようやくチケッティ(一口タイプの前菜が3種)とドルチェが加わります。予約するには4500円のコース頼まなければならないのですが、チケッティに名物パスタ「カルボナーラ」、そして魚か鶏肉のチョイスとなります。このカルボナーラ、温玉とオイルを使いアニスの香りをつけているだけで量少なくまったく傑出しておりません。若鶏もまったく凡庸。グラスワインなどを飲んで一人1万円近くになりました。
夜はもっとひどい。本店と同じレシピという1万5千円コース。スペシャリテばかりとのことですが、量少ないスカンピのフリットをカバーしているスパゲッティの揚げ物に疑問。蕎麦屋の揚げそばを真似してどうするのか。甲烏賊とジャガイモのピュレはしょっぱ過ぎ、トマトペーストのラビオリはわずか3ケ、サフランリゾットも少量で、メインのイベリコ豚の24Hr低温ローストは、肉の繊維質を消滅させるほど食感を無くしてしまい、旨みも出切って何の食材か判断できなくなっていました。ドルチェに変えて頼んだチーズ4種がその夜で一番満足だったのですから呆れます。スプマンテが1万円などワインの値付けも高く、皿出し速すぎてわずか2時間のディナーが一人2万5千円以上と最悪のCP感でありました。3つ星提携店として話の種に行くのなら、夜は最安値の4500円コースで充分。3つ星というだけで安易に釣られてはいけません。